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488 お宝探し? 2
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そういう訳で早速鑑定を始めよう。
とりあえず片っ端から鑑定をかけていこう。まずはこの訓練場の端から。
「ティンバー団長、こっちの端っこからやりますね」
「はい、お願いします」
「アークはどうする?」
「じゃあ俺はあっちの端からやる」
「うん、お願いね」
そう言って、俺は入り口から向かって右端から、アークは左端から手を付け始めた。
大まかな分類でざっくり分けられただけのモノを鑑定していくのだが、俺はどうしても気になってしまうことがあって、ティンバーに声をかけた。
「ティンバー団長、あの、お願いがあるんですけど」
「はい、何でしょう?」
「魔導具や鉱石なんかは後回しでもいいんですけど、薬草など放置出来ないモノは先に確認して保管したいんです」
そう、薬草によっては湿気や温度に左右されて劣化してしまうモノも多い。
だからこそマジックバッグやマジックボックスに保管が望ましいわけで。
「なので、マジックバッグを提供するので、ひとまずこれに薬草や木の実などをまとめて収納しておいて下さい」
「あっ、盲点でした! さすがは薬師ですね。じゃあマジックバッグをお借りします」
そう言ってティンバーは騎士達を集めると指示を出した。
「あ、一人に一つマジックバッグを渡すのでどうぞ」
「え、こんなにたくさん!?」
「ああ、大丈夫です。自作なのでいっぱいあって」
だから気にしないで、と言えばポカンとする騎士達。何故?
「・・・・・・いえ、もうなんと言えばいいのか、凄いなと」
「あ、コレは差し上げます。これが終わったら騎士団の方で使って下さいね。邪魔なほどあるのでよかったらもっと───」
「いいいいえ! 大丈夫です! これだけで十分です!」
そう言うティンバーにあわせてぶんぶんと首を振る騎士達に、そう? と首を傾げて作業に戻った。
ティンバーがアークになんともいえない目を向けていたのには気付かなかった。
そうしてしばらくすると薬草類をマジックバッグに入れ終えたようで、それぞれ俺のところに持ってきてくれた。
「ありがとうございます」
俺はお礼を言って騎士から受け取ると、そっちを優先的に鑑定し始める。
「アーク、こっちの薬草類は俺が鑑定しちゃうね」
「ああ、その方が間違いないから頼む。他は俺達でやるから慌てなくていいぞ」
「うん。あ、これも鑑定しながらマジックバッグに仕分けしちゃおう」
そうだ、他も鑑定しながら仕分けちゃえばどれが未鑑定か分かっていいよね。
「ついでにアーク達も終わったモノは別なマジックバッグに収納してくれる?」
そう言ってこっそりインベントリから追加で大量のマジックバッグを出した。
ティンバー達にギョッとされたが、いやまだ序の口だよ?
「鉱石類や魔導具、調薬の道具なんかに仕分けするといいんじゃないかな?」
あとでどこに何があるのか分かりやすいからね。
「・・・・・・ということなので、遠慮せずにマジックバッグを使ってくれ。ピンキリでうんざりするほど持ってるから気にするな」
アークが遠い目をしながらティンバー達にそう言ってマジックバッグをどんどん手渡していく。
ティンバーはその量に完全に引いていた。
「・・・・・・えええ。魔導具職人だってそんなに作れないのに・・・・・・」
「材料があれば錬金術ですぐだから」
「・・・・・・マジですか」
「うん」
試作品も含め、腐るほどあるから有効活用して貰おう。あー、試作品で容量とか少な目のヤツは冒険者ギルドに卸してもいいかも。
在庫を捌けて懐は暖かくなるし一石二鳥だな。
俺は心の中でそんなことを考えて一人ニヤニヤした。
アークに呆れた顔をされたから、そんな考えが分かったのかもしれない。
俺は誤魔化すように笑うと、いそいそと鑑定を続けた。
早くこいこい、危険な薬物のモト!
※ご無沙汰してます。
久々過ぎてちょっと内容を忘れてしまい、確認しながら書いてました。
もしかしたらあとで内容の変更があるかもしれません。
とりあえず片っ端から鑑定をかけていこう。まずはこの訓練場の端から。
「ティンバー団長、こっちの端っこからやりますね」
「はい、お願いします」
「アークはどうする?」
「じゃあ俺はあっちの端からやる」
「うん、お願いね」
そう言って、俺は入り口から向かって右端から、アークは左端から手を付け始めた。
大まかな分類でざっくり分けられただけのモノを鑑定していくのだが、俺はどうしても気になってしまうことがあって、ティンバーに声をかけた。
「ティンバー団長、あの、お願いがあるんですけど」
「はい、何でしょう?」
「魔導具や鉱石なんかは後回しでもいいんですけど、薬草など放置出来ないモノは先に確認して保管したいんです」
そう、薬草によっては湿気や温度に左右されて劣化してしまうモノも多い。
だからこそマジックバッグやマジックボックスに保管が望ましいわけで。
「なので、マジックバッグを提供するので、ひとまずこれに薬草や木の実などをまとめて収納しておいて下さい」
「あっ、盲点でした! さすがは薬師ですね。じゃあマジックバッグをお借りします」
そう言ってティンバーは騎士達を集めると指示を出した。
「あ、一人に一つマジックバッグを渡すのでどうぞ」
「え、こんなにたくさん!?」
「ああ、大丈夫です。自作なのでいっぱいあって」
だから気にしないで、と言えばポカンとする騎士達。何故?
「・・・・・・いえ、もうなんと言えばいいのか、凄いなと」
「あ、コレは差し上げます。これが終わったら騎士団の方で使って下さいね。邪魔なほどあるのでよかったらもっと───」
「いいいいえ! 大丈夫です! これだけで十分です!」
そう言うティンバーにあわせてぶんぶんと首を振る騎士達に、そう? と首を傾げて作業に戻った。
ティンバーがアークになんともいえない目を向けていたのには気付かなかった。
そうしてしばらくすると薬草類をマジックバッグに入れ終えたようで、それぞれ俺のところに持ってきてくれた。
「ありがとうございます」
俺はお礼を言って騎士から受け取ると、そっちを優先的に鑑定し始める。
「アーク、こっちの薬草類は俺が鑑定しちゃうね」
「ああ、その方が間違いないから頼む。他は俺達でやるから慌てなくていいぞ」
「うん。あ、これも鑑定しながらマジックバッグに仕分けしちゃおう」
そうだ、他も鑑定しながら仕分けちゃえばどれが未鑑定か分かっていいよね。
「ついでにアーク達も終わったモノは別なマジックバッグに収納してくれる?」
そう言ってこっそりインベントリから追加で大量のマジックバッグを出した。
ティンバー達にギョッとされたが、いやまだ序の口だよ?
「鉱石類や魔導具、調薬の道具なんかに仕分けするといいんじゃないかな?」
あとでどこに何があるのか分かりやすいからね。
「・・・・・・ということなので、遠慮せずにマジックバッグを使ってくれ。ピンキリでうんざりするほど持ってるから気にするな」
アークが遠い目をしながらティンバー達にそう言ってマジックバッグをどんどん手渡していく。
ティンバーはその量に完全に引いていた。
「・・・・・・えええ。魔導具職人だってそんなに作れないのに・・・・・・」
「材料があれば錬金術ですぐだから」
「・・・・・・マジですか」
「うん」
試作品も含め、腐るほどあるから有効活用して貰おう。あー、試作品で容量とか少な目のヤツは冒険者ギルドに卸してもいいかも。
在庫を捌けて懐は暖かくなるし一石二鳥だな。
俺は心の中でそんなことを考えて一人ニヤニヤした。
アークに呆れた顔をされたから、そんな考えが分かったのかもしれない。
俺は誤魔化すように笑うと、いそいそと鑑定を続けた。
早くこいこい、危険な薬物のモト!
※ご無沙汰してます。
久々過ぎてちょっと内容を忘れてしまい、確認しながら書いてました。
もしかしたらあとで内容の変更があるかもしれません。
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