迷い子の月下美人

エウラ

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479 あつまれ! 古の森 1

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メーレは自己申告通りその知識を惜しげもなく披露し、数日後にはノアと一緒に嬉々として薬草畑の手入れをしたり調薬を手伝っていた。
さすがに病み上がりで一日中は無理なので、数時間動いてあとはゆっくり過ごしていたが。

その日は朝からメーレと俺、クルールの二人で雑草をちまちま抜いていた。エレンとミオはお茶の支度でウッドデッキの方にいる。
アークはまたウラノス義父様のところに呼ばれてエレフと一緒に出かけている。

「メーレ、ここが終わったらお茶にしようか」
「そうだね。もうこんな時間・・・・・・楽しくて時間が過ぎるのが早く感じる」
「うんうん。でもこういう時間なら楽しいよね」

なんてメーレと雑談をしていたら、不意に朝からエレフと出かけたアークが転移してきた。
アークとエレフ、あと何故かウラノス義父様もいる。それに見慣れない獣人達が大勢。

「・・・・・・うわあ、いっぱい・・・・・・」
「あれは、獣人国王都の薬師達では・・・・・・?」

俺が人見知り発動でピシリと固まる側で、メーレが手袋を脱いで俺の背中を撫ぜて落ち着かせてくれる。そして薬師の集団と思われる一行を見つめていた。

「ノア、急に悪いな。思ったよりも多くて」
「ごめんね、ノアちゃん。カガシ君を連れて来るときに一緒に来たい人を募ったら、こんなに・・・・・・」

アークがササッとやって来て、自分が汚れるのも構わずにぎゅむっと俺を抱きしめる。それにホッとしているとのんびり歩いてきたウラノス義父様が眉を下げてそう言った。

「え、ううん。大丈夫。たくさんの人がちょっと久しぶりで、びっくりしただけ。ていうか、あの、もしかしてカガシさん関連?」
「おや? 聞いてなかった? ノアちゃんが欲しそうだったから思わずきょう──んんっ勧誘しちゃった」

ウラノス義父様の謝罪に慌てて首を横に振るが、何だかちょっと不穏な言葉が。

「脅・・・・・・? え?」
「ヤだなあ、歳かな? か行で言い間違えちゃった」

てへっというようにお茶目に舌を出すウラノス義父様に、ああ間違いなんだ、よかったと思って息を吐くとアークとついでにメーレにもぎゅむっとされた。何故?

「ノアはそのままで!」
「ノア、カワイイ!」
「うん? うん・・・・・・?」

二人の言葉によく分からないまま頷く俺をウラノス義父様がほのぼのと見つめていた。
その後ろから俺達のやり取りを見ていた大勢の推定薬師達が呆然としている。

「───あの方、ウチの王妃様じゃあなかったっけ?」
「なんでここにいるんだ?」
「野良仕事してずいぶん元気そうに見えるけど・・・・・・もしかして似てるだけの別人?」
「そもそもここってドコ!?」
《古の森だが? 我の住処だが?》

ザワついている彼らに、黙って成り行きを見ていた精霊王エレフがそう応えて、ビクリと身体を震わす獣人達。

《なので、死にたくなくばこの結界内からは出ぬことだ。まあ出られないようにしてあるがな》

はっはっはと和やかに笑う精霊王に「え、それって監禁、いや軟禁か!?」と戦々恐々とする獣人達。ソレを遠い目をして見つめるカガシとチャリオンもいたのだが、俺がその二人に気付くのはもう少し後のこと───。




※サブタイトルはあつ森っぽく(笑)
あつ森はやったことないけどね。





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