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378 秘密の隠れ家 2
しおりを挟む《やはり名前呼びは嬉しいの!》
そう言ってにっこにこの精霊王がノアに抱き付いた。
ソレをイラッと引き剥がすアーク。
大公家の皆には見慣れた光景だが、レインはポカンと口を開けて固まっていた。
「---誰、ですか?」
漸く我に返ってアルジェントに声をかける。
「本人の自己申告通りに精霊王だよ」
「・・・せいれいおう・・・。あっ、最近地上で良く聞く、精霊の王様? なんかあちこちで見かけるって言ってたような・・・」
「---あー、うん。その認識で合ってるね」
レインの言い様にアルジェントが苦笑しつつも肯定した。
「でも、どうしてノアが喚んだら来たの?」
レインのもっともな疑問にはウラノスが応えた。
「話すと長くなるから、取りあえずソレは後でね。まあ、簡単に言うとノアは精霊王の養い子で義息子扱いの愛し子なんだよ」
「---ほえ・・・」
「アークもね、ノアの番いだから義息子扱いで気さくなんだよ。後ね、我が家の庭には精霊の森に繋がる場所があってね、精霊王が毎日のようにふらふらとやって来るから、レインも慣れてね」
「・・・はぁ・・・」
ウラノスがなんてこと無いようにサラッと言う事にポカンとしたまま生返事を返すレイン。
ソレを『可愛い』と見つめるアルジェント。
更にはエレフとわちゃわちゃするノアとアークに、一人取り残されたレーゲンはどこをどうツッコめばいいやら、頭を抱えていたのだった。
《ソレで今日は如何したのかな?》
エレフがワクワクしながらノアに尋ねると、ハッとしたノアが見慣れた魔力を指差して言った。
「あのね、コレに覚えはあるかなと思ってさ。・・・この魔力、エレフのだよね?」
《---んん? ああ、そういう・・・。確かにコレは我が遙か昔にこの浮島に張った結界魔法だの。認識阻害の魔法も重ねてあるから、常人には気付かれないモノだが何故・・・・・・ああ、そういう事か・・・》
ノアに応えながら不思議そうにしていたエレフは、視線をチラリと送ってレインを見て納得した。
「---どういう事?」
「俺達はそれが聞きたかったんだよ。レインは元からだけど俺やノア、アルジェント兄上は何故か見えて確認できるのに父上やレーゲンは魔力は感じるが見えていない。この違いをね・・・?」
ノアが首を傾げ、アークが詳しく聞いてみた。
エレフは然もありなん、という風に頷いた。
《ノアとアークが見えるのは我の義息子であるから、だな。おそらく探そうと思えば探せていただろう。我の魔力に馴染んでおるので、反発しないしの。あとレインとアルジェントはだな、元々レインが見えるだろう? で、アルジェントがレインの番い・・・だな? その影響だろうな。ウラノスとレーゲンはそういう点ではただの一般人だからの》
「・・・理屈は分かったが、その、レインが元から見えている理由が知りたい。エレフは知っているのか?」
アークの問いに微笑むと一つ頷いた。
《だがここで立ち話?もアレだから、島へ移動しよう。ウラノスとレーゲンも認識阻害を解除するから見えるようになる。さすれば自由に出入りできよう》
ほれ、なんて軽く声をかけるとぽわっと身体が光って消えた。
すると二人は揃ってびくっとする。
「---うわっ」
「・・・えっ・・・こんな間近に・・・」
唐突に認識出来るようになった二人の目の前には、大きな浮島がどどーんと映ったのであった。
「「---デカっ!」」
「だろー?」
「驚くよね」
思わずと言った声にノア達はひとしきり笑い合った。
※遅くなりました。
めっきり寒くなり、体調もそこそこ悪く、所用も未だ片づかず・・・。来週も、というか今月が予定がてんこ盛りで、更新乱れますが、お待ち下さいませ・・・。
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