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連載
370 空からクレインが・・・!!
しおりを挟む一通り薬を試作して気の済んだノアは、自分達では怪我も無くて薬の臨床試験が出来ないからと、一式纏めて鑑定書も付けてヴァルハラ家に丸投げした。
---きっと今頃は頭を抱えているか腹を抱えているかのどっちかだろう・・・。
いや、どっちもかもしれない。
「しょうがないよね。皆、何処も悪くないんだもの。結果が分からないんじゃ使う意味がないし」
「だからってわざわざ怪我したりしたくねえし。かといって下手なヤツにも使えねえし」
バレたら面倒臭い・・・。
そんな訳で、ヴァルハラ家での結果待ち。
今のうちに別の浮島でも探すか、なんてアークが思っていると、上空で何やら騒ぎが・・・。
ノアも気付いたようで、空を見上げる。
「---何? 喧嘩・・・? いや・・・誰かが襲われてる?!」
「ああ、鳥獣人同士か・・・? こんなに上空で殺り合えるって、珍しいな」
「いやいや、そんな場合じゃ無いよね? と、止めた方が良いかな?!」
アークが感心してそう言うが、ノアはそれどころじゃない。
アークもそうだな、と思い直して目を凝らせば、どうやらこちらに向かってくるのに気付いたようで、慌ててノアを抱えてその場を離れた。
「何していやがる!」
思わず上空に威圧を飛ばすアーク。
「---アーク、あれ、鶴?!」
抱かれたノアが墜ちてくる鳥獣人を視認した直後、ドスンという音と共にさっきノアが居た場所に墜ちてきた。
かなりの高速で墜ちてきた為か、地面が軽く陥没している。
そこに全身ボロボロの、おそらくクレインと思われる鳥獣人が気を失って倒れていた。
アークが再び上空を見やると、鷲の鳥獣人らしき男がアークの威圧に焦って飛び去るところだった。
「---ッチ」
威圧じゃ無くて殺気にすれば良かったか。
アークは舌打ちしたが、ノアはそれに気付かずに、ボロボロのクレインに気がいっていた。
「---アーク! アレだよアレ!! この人、うってつけの被験者!!」
「---・・・・・・ああ・・・・・・確かに・・・・・・」
ノアの言葉に気が抜けるアークだった。
---何処の何奴か知らんが、ご愁傷様・・・。
ウキウキと彼を窪みから運び出し毛布を敷いてその上に乗せると、容態を確認しだしたノア。
「・・・ウン、息はあるけど意識が無いね。羽根は最初からなのか墜ちたときのせいなのかあちこち折れたり傷になってる。手足も骨が折れているみたい」
「ああ。相当な傷だ。普通なら死ぬか、助かっても翔ぶことは難しいだろうな」
「うん。でも俺がココで作ったポーションなら・・・・・・」
「---やってみろ。どのみち事後報告になるし、このまま放って置いても死ぬだけだ」
「・・・うん」
かなりの重傷で意識は無い。
ダメもとだ。
---まあ、ノアのポーションなら普通のでも十分イケるとは思うが、新薬の実験にはちょうど良いだろう。
アレだ、カモがネギを背負ってやって来るってヤツ。
コイツだってこれで命が助かれば儲けモンだろう。
もちろん高額な治療費なんか請求しないからな、ノアは。
こんな命のやり取りなんざ、この世界では日常茶飯事だ。
力あるものだからと言って、全員なんて救えないし救う気も無い。
俺の一番はノアだし、ノアだって俺が一番だ。
そういうのはやりたいヤツがやれば良い。
「ノア、どうだ?」
「・・・うん。ちょっと垂らしただけで・・・・・・ほら」
逆戻りしたみたいに一瞬で傷が癒えて消えた。
驚くべき効能だな。
「意識が無いから飲ませられないけど、気が付いたら飲んで貰って、感想を聞いてみたい」
「そうだな。それまで暫く寝かせておくか。その間、ノアはどうする?」
「うーん、薬草意外にも果物とか木の実とかとってきたから、お菓子でも作ってる」
「じゃあ、俺はノアの側で昼寝でもしていよう。何かあれば起こせよ?」
「分かった。・・・ヴァンは・・・」
「・・・・・・遠くでワフワフ駆けてるから放っておけ」
「・・・ふふっ、お腹空いたら来るよね。了解」
こうして長閑に過ごすことになった。
傍らでぐっすり眠るクレインの鳥獣人は、暫くのあと目覚めたときの衝撃を一生忘れないだろう・・・。
※鶴はアネハヅルを参考にしてます。
もの凄く高いところを飛べるそうです。
遅くなりました。
サブタイトルは某アニメ映画の『親方ー!! 空から女の子が!!』という感じでどうぞ。
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