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364 Let’s 探索! 1
しおりを挟む暫くギルファームでのんびりと過ごしたノア達は、グラウクスが探している浮島の探索をしてみるかと思い立ち、ギギルル達にその旨を伝えた。
「そうか、じゃあ暫くココから離れるのか?」
「寂しくなるなあ」
「そうだな。コレといった用事も今のところ無いし、ノアに浮島を見せてやりたいと思ってな」
「ああ、そういや知らないって言ってたもんな」
「うん、だから楽しみで」
そう言ってノアは本当に楽しそうに笑った。
「ゾア達にもさっき挨拶したんだ。クルール達をよろしくって」
「また何かあれば来るし、通信魔導具で連絡取れるしな」
「ああ、そうだな。アレ、助かるよ」
「じゃあ気を付けてね」
「うん、ありがとう。御世話になりました」
こうしてギルファームをあとにした二人と一頭は魔人国を出たあと、ココから一番近いとされる浮島を探して翔ぶことにした。
「ヴァンはフードに潜っててな。ノア、ひとまず竜王国くらいの高度まで翔ぶぞ。良いか?」
「うん、大丈夫。ああ、翔ぶの久々だ。翔べるって分かってから、たまに翔ばないと何かムズムズするんだよね」
「・・・ああ、翔び方を覚えたばかりの子供によくあるヤツな」
「---っどうせ子供っぽいよ。良いんだ別に」
「ははっ悪い。そうじゃなくて、可愛いなって事だ」
ちょっとノアを揶揄ったら拗ねられてしまった。
「ほら、早くしないと浮島を一つも見つけられないぞ」
「そうだった。早く翔ぼう! とりあえず一個は探して降り立ってみたい!」
ハッとしたノアが機嫌を直してアークを急かす。
それにアークは笑ってヴァンは呆れ顔だった。
『我は何もせんから、精々頑張ることだな』
「うん、寝てても良いよ」
『じゃあお言葉に甘えて・・・ぐう・・・』
「早っ・・・まあ良いか」
そう言って苦笑しながら翼を顕現してふわりと翔び上がった。
ゆっくり上がって、ある程度の高さになったらぐんっと速度を上げる。
十数分もしたらかなりの高さにまで上がった。
「さあて、周りを見渡して・・・・・・ノア、何処かにそれらしいのは見えるか?」
「うーん、この辺りは見えないな。移動した方が良いんじゃない?」
「そうだな・・・じゃあコッチ、東の方へ翔んでみよう」
「オッケー」
そうして数十分移動してみると、目の端に何かが見えた。
「---アーク、アレ・・・」
「・・・ああ、もしかしたら浮島かもな。近くに行ってみよう」
「うん、楽しみだな」
そのまま目指す方向へ進んでいくと・・・。
それは平坦な草原が続く、アークの実家の公爵家のある敷地がが丸々入るくらいの広さの浮島だった。
まあ、思ったよりは狭かった。
「---降りてもいい?」
「・・・ああ、危険は無さそうだ。大丈夫だろう」
「やった!」
そう言ってふわりと降り立つ。
ノアは見なくても分かるくらい感激している。
「---初、浮島上陸---!!」
いや、正確には竜王国も浮島なんで初ではないのだが・・・。
まあ、無人島はって事で。
ノアの声で気付いたヴァンが目を覚まして、アークのフードから飛び降りた。
『おお! コレが竜王国以外の浮島か』
ヴァンはぐるりと見渡すとワクワクしたように言った。
『ちょっと端っこまで駆けてくるぞ!』
「・・・・・・気を付けてな」
「いってらっしゃい!」
新しい遊び場を見つけて喜ぶイッヌだな・・・。
二人は同じ事を思った。
「さて、さほど広くない島の探索はあとにして、ひと休みしようぜ」
「うん、翔びっぱなしだったもんね。そろそろお昼だし」
「ヴァンも気が済んだら帰ってくるだろう」
そう言ってテーブルや椅子、料理を並べて昼食の準備を始めた。
ちなみに周りに魔物とか危険がないことは確認済みである。
おそらく、空を翔んでいる鳥型魔獣辺りが寄ってくるくらいなのだろう。
それくらい何もない平原だった。
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