351 / 538
347 実はコッチが本題? 1
しおりを挟む「---で? 結局、今日は何の用で来たんだよ?」
ぐずぐず泣き腫らしても美中年は美中年だな・・・なんてノアがぼーっと思っていると、ゾアがグラウクスに声をかけた。
「---何だよ、用事が無いと来ちゃいけないのかよ!」
「いけなくはないけどよ、ちょいちょい朝早く来られるとコッチも忙しいんだよ。お前の相手もしてる暇ねえんだわ」
そう言って目をやる先には、これから野菜の収穫に向かう従業員と7人のクルール達の姿が。
「・・・・・・なあアレ、あのめっさ可愛いちみっこ達、なんでアイツらにくっ付いてくの?」
従業員に引っ付いて外に出ていったのを不思議そうに見ているグラウクスにノアが教えてあげた。
「あの子達は俺の錬成したゴーレム達で、農園の手伝いをする補助要員なんだよ」
「---えっ、ゴーレム?! マジ?!」
「マジマジ。凄え働いてくれて、従業員もだいぶ楽になったと評判が良いんだぜ」
「役に立って嬉しい」
ゾアに褒められて心なしかルンルンな空気を醸すノア。
「いやいや、サラッと凄いこと言ってるな、お前ら!! 錬金術で造ったゴーレムっていったってそんなに器用なわけ無いだろうが?!」
有り得ねえー、と頭を抱えるグラウクス。
その普通の反応に何故か安心するギギとルル。
「親父はもう考えることを止めたからな。これがノアの普通」
「考えるな。諦めろ」
「・・・・・・ええー・・・まあ、今はいいや。後で考える」
ギギルルにそう言われてガックリするグラウクスだった。
「で? 用件は?」
ゾアが再び聞いてきて、やれやれという感じのグラウクス。
「---あー、はいはい。いや昨日、久しぶりに冒険者ギルドに顔を出したらさあ、カフカにこの間の迷宮の当事者達が魔人国に来てるって聞いて、ギギ達なら居場所とか知ってるかなと思ってさ・・・」
「まあ、確かに一緒に来て一緒に行動してるからな。でも何で?」
ギギが納得顔で頷いた後、聞いた。
「そりゃあ、色んな話を聞きたいからだよ! だって『箱庭の迷宮』の問題を解決したんだよ? ソレに精霊王も現れたって言うじゃないか! 興奮するだろ?!」
急に鼻息荒く、グイグイ迫ってきて熱く語り出すグラウクスにドン引きするノアとアーク。
ヴァンはすでにクルール達と農園に行ってしまっているので反応は無い。
「ヤメロ、グラウクス!」
「離れろ、近い近い!!」
「だからお前は変態って言われるんだ!!」
「親父、変態じゃ無い。変人!!」
ゾアが止めに入ったが、言ってることがおかしい。
思わずギギがツッコむ。
「どっちでも良いわ!!」
「良くねえよ!!」
ソレにゾアが返すと、グラウクスも叫んだ。
「---もうコレ、如何すんの?」
「・・・・・・収拾がつかない」
「カオス」
ノアが困り顔でアークに聞くと、アークも困ったように呟く。
トドメにルルがぽそっと呟いた。
そこにいた他の従業員もうんうん頷いた。
結局、脱線しまくってグラウクスが何をしたかったのかよく分からないまま、時間だけが過ぎていったのだった。
※なかなか進まず。次話はもう少し本題に入れるはず・・・。
232
お気に入りに追加
7,354
あなたにおすすめの小説
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

誰よりも愛してるあなたのために
R(アール)
BL
公爵家の3男であるフィルは体にある痣のせいで生まれたときから家族に疎まれていた…。
ある日突然そんなフィルに騎士副団長ギルとの結婚話が舞い込む。
前に一度だけ会ったことがあり、彼だけが自分に優しくしてくれた。そのためフィルは嬉しく思っていた。
だが、彼との結婚生活初日に言われてしまったのだ。
「君と結婚したのは断れなかったからだ。好きにしていろ。俺には構うな」
それでも彼から愛される日を夢見ていたが、最後には殺害されてしまう。しかし、起きたら時間が巻き戻っていた!
すれ違いBLです。
初めて話を書くので、至らない点もあるとは思いますがよろしくお願いします。
(誤字脱字や話にズレがあってもまあ初心者だからなと温かい目で見ていただけると助かります)

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

公爵家の五男坊はあきらめない
三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。
生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。
冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。
負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。
「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」
都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。
知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。
生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。
あきらめたら待つのは死のみ。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる