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連載
250 箱庭の迷宮 1
しおりを挟む翌日、冒険者ギルドに赴いたアーク達は、昨日の情報から導き出した行方不明の条件の仮説を元に、ギルマス達と話し合いをした。
「---そうですか。そういえば今回行方不明の第4王子も確か銀色の瞳でしたか。ノア殿よりも暗い感じですが。それに顔は良いと思いますよ。私の好みではありませんが」
カフカがラミエルに確認するように視線を向けると小さく頷いた。
それにしても一国の王子に対する態度ではないが・・・。
ノアとアークの疑問を感じとったカフカが渋面で言った。
「---かの王子は末っ子で甘やかされていましてね。冒険者も、暇潰しや娯楽感覚でやっていまして・・・。つい先日、本来の『箱庭の迷宮』に潜れるランクBに昇級したのでそれで許可を取りに来たようです。・・・危険なため封鎖中と知ってるはずなんですけどね・・・」
「俺達はその王子が小さい頃に一度会っているが、その時はやんちゃな王子くらいの認識だった。同じ末っ子でもアークとはだいぶ違うな」
「・・・・・・俺を比較対象に引き出さないでくれ」
カフカの言葉にレオン達がうんうん頷いて、アークはイヤそうな顔をした。
アークの子供の頃って格好良かったのかな、可愛かったのかな?
ノアは気になったが今はそれどころじゃ無いと気を引き締めた。
「・・・・・・で、今回俺達が潜るわけだが、この仮説が正しいとすると一番危ないのがノアでな。だが置いていくわけにも行かないのでこのままのメンバーで潜ることにした」
「・・・そうですね。それが本当に条件を満たすモノならば、危険ですが・・・ノア殿、よろしいのですか?」
カフカが心配そうに確認をしてきたが、ノアは当然のように頷く。
「行くよ。何かあっても、皆がいてくれるし。やれることはやってみる」
「---ありがとうございます。よろしくお願いします」
カフカとラミエルが深く頭を下げる。
「では、準備を整えて、明日の朝、朝食後にギルドに窺う。それから『箱庭の迷宮』に潜ろう。良いな?」
「「はい」」
「じゃあコレから準備だな。・・・まあ、そんなにやることはないがね」
「大概のモノはノアが用意してくれてるし」
「何かあれば何時でも何でも言ってね」
「頼もしいな!」
そんな事を言いながらギルマスの執務室をあとにしたのだった。
アーク達が去ったあと、カフカは深い溜息を吐いた。
「・・・まだ本番はコレからですよ」
「・・・・・・分かっている。コレで解決してくれると良いんだが・・・」
アーク達が提示してきた行方不明者の共通点。
『銀色の瞳』
イヤな胸騒ぎを覚える。
銀色の瞳なんてそんなに珍しいモノじゃ無い。
なのに蓋を開けてみればそれが唯一の理由に思えてならない。
一体、何を考えているのだ、迷宮は・・・。
いや、迷宮を隠れ蓑にした何かは・・・。
「彼等に頼るしか出来ないこの身が恨めしい」
「貴方が動くのは許可できませんよ?」
「・・・分かっている。分かっているが・・・クソ」
らしからぬ悪態をつくカフカを感情の読めない顔で見つめるラミエル。
---私の護るべき主は貴方ただ一人。
たとえ貴方が誰よりも強かろうと、一筋でも傷付くような危険がある場所になど行かせない。
私を救ってくれた貴方を一人にはしない。
その決意を込めて貴方の眷属になったのだから。
「---痛い思いをしようが、どうせ死なないのだから、一度くらいどうってこと・・・」
「---カフカ?」
それ以上は許さないですよ?
「・・・・・・すまない。軽率だった。・・・・・・お前がどれ程の覚悟で私と同じ体になったのか、知ってるのに・・・」
「・・・分かれば良いんです。だから、二度と自分を軽んじる言動は避けて下さいね?」
にっこりと笑って言うと、やや顔を引き攣らせるカフカ。
失礼な。
私はね、貴方が幸せでいてくれたらそれだけで良いんですよ?
本当ですよ?
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