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226 王城内の大掃除
しおりを挟む魔法騎士団の鍛錬場での大騒動の後、アルカンシエルの番いのノアが発情期に入ったとの一報を受け、夜遅くに王宮内の王族の居住区に集まっていた竜王陛下を始めとした親族達。
現在、竜王陛下の息子は宰相の地位に就いていて、実質、次期竜王は孫にあたるローサイト・・・リュカリオンの兄である。
今現在、この場にいるのはクリカラ竜王陛下と宰相で息子のリオライト、その番いで外交官のアデライト。
王太子のローサイトと第二王子のリュカリオン。
竜王陛下の番いであったローズヴェルトは100年ほど前に病で儚くなっている。
しっかりと看取って見送ったので、クリカラは狂竜にはなっていない。
番いとの突然の別れで心の整理がつかなかったり、誰かに害されて喪うと狂竜化に陥りやすいのだ。
その為、古竜が狂竜化したのは仕方がないことだった。
・・・・・・危うく世界が滅ぶかという危機に陥ったが。
あとは別宅で隠居生活という名の冒険者をしているヴァルハラ前大公閣下のレオニードと番いのシェイラ。
竜王陛下の弟である。
それとヴァルハラ大公家のウラノスと番いのアンジェリクにアルジェントとシルヴァラの息子達。
何時もならふらふらと冒険者稼業をしていて捕まらないレオニード達もだいぶ前から連絡を受けていたので来られたようだ。
「・・・さて、ノアちゃんが発情期に入ったとの事で、ちょうど良いのでこの間に城内の大掃除を行おうと思っていての」
クリカラがニヤリと笑って言った。
他の面々も同じようにニヤリ。
「---まず、魔法騎士団の方は先日、アルカンシエル主導のもと、ノアが憂さ晴らしを兼ねて叩きのめしたので今は心をへし折られて再起動中。なのでこちらは様子見で暫く放置」
「うむ。問題ない」
ウラノスがそう言うと賛同するクリカラ。
皆も頷く。
「あとは鍛錬場に来ていた野次馬共の中でリュカリオン殿下の影がピックアップしていた貴族共のリストです」
そういってリストを配る。
「---こんなにいるのか」
「意外と多いんだね」
「あ、アイツもやっぱりそうなんだ」
シルヴァラは心当たりがあったようで、渋い顔をした。
「これは全てを粛清するとなると暫く混乱しそうだな・・・」
「ああ、それならこちらのリストを。頭がダメでも下がまともな家のリストになります。で、こちらは頭がまともで下がバカなヤツ」
ウラノスが面倒になって雑な言い方になったが誰も気にしない。
「---これで、すげ替えれば良いのですよ」
「・・・・・・よく調べたね。リュカリオン殿下の影がやったの?! 優秀なんだねえ!」
「ふふふ。凄いだろう? 鼻が高いよ!」
感心するシルヴァラに誇らしげなリュカリオン。
何となく場が和む。
「じゃあ、明日から早速動こうかの。皆もその様に頼むぞ」
「「はい」」
「「「任せろ」」」
「「「任せて下さい」」」
「「やるぞー!!」」
めいめいに返事をして散っていった。
そうして本当に、ノアの発情期明けまでにきっちりと大掃除を終わらせて、ノア達を迎えた日。
事後の色気ダダ漏れの気怠いノアを見て、威嚇しまくるアークを見て、ツッコみどころで無く速攻捌けた。
アヴィールとルフトは気合いと根性で堪えたが、自分達の比ではない発情期明けに邸中ビビりまくっていた。
ノアの色気はともかく、アークは威圧するのヤメロ!
使用人全員卒倒するわ!!
※一気に人の名前が出て来て自分でも訳分からなくなった。
竜王陛下の名前をクリカラに変更・修正しました。
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