迷い子の月下美人

エウラ

文字の大きさ
上 下
213 / 538

209 *閑話 竜王国冒険者ギルドの先輩後輩

しおりを挟む

※急にぶっ込みました。スミマセン。挟むタイミングがなくて。思いつき、実は需要があるかもしれないので書いておきました(あるか?)。

*後ろの方にR18。背後注意*





俺は15歳から竜王国冒険者ギルドに勤めている、勤続10年の黒狼族だ。

こう言ってはなんだが、俺は黒狼族の族長の息子で(といっても7男だが)こんなギルドの職員なんてやるガラじゃ無かったんだが、ちいと悪さをしてここのギルマスのカロンに捕まってから、半ば強制的に職員見習いにさせられて、その後、立派な職員に成り上がったわけ。

ここのギルマスも純血の竜人だから、怒ると怖えのなんのって。
捕まったときは本能から来る恐怖で尻尾が縮こまったね。

で、族長である親父に連絡が行き、コッチで鍛え直してくれって丸投げされたらしい。

「そう言うわけだから、ここの職員寮に住め。で、お前、しばらく雑用な。あと、空いた時間は訓練場の隅とかなら使って良いから体鍛えてろ」
「・・・はあ」
「分からんことは職員にガンガン聞けよ。知らないと恥をかくのは自分だからな」
「---了解です、ボス」
「・・・ボス・・・いい響きだ。お前、今から俺のことボスで良いぜ! もちろんお前だけな!」

そういって笑っていた。
なんか、ココにいて良いんだって思わされて嬉しかった。
里じゃあ、7番目なんて大して偉くもないし、親の気を引こうとして結局裏目に出て、今があるから・・・。

それから仕事を熟して体も鍛えて、いっぱしの冒険者達のトラブルの対処も出来るようになった頃、本採用で晴れてギルド職員になった。

その頃にはクールなイメージがついてしまって、煩いヤツにチラッと視線を送るとビビって目を逸らされて。

「アレだよ、お前の瞳がさ、きれーな血の赤じゃん。ソレで三白眼で見られると睨まれてるみたいな?」
「・・・ああ、なるほど?」

ちょっと長い黒髪から覗く赤い目が怖いと?
・・・目つきは生まれつきじゃ!

まあ、静かで良いけども。

やがて俺も中堅かという頃、新人が入ってきた。

後輩ってヤツだな。
灰色のミディアムヘアに薄い蒼の瞳。
ちょっと垂れ目の可愛い感じの顔立ち。

皆が挨拶を交わす中、最後になった俺と目を合わせて、はっきりと言った。

「よろしくお願いします、先輩」

にっこり笑って。
大抵のヤツは怖がって目も合わせないのに。
だから思わず笑ってしまった。

「ああ、よろしく、後輩」

周りがどよめいたが気にしないったら気にしない。

後輩は真面目だった。
仕事を懸命に覚えて、分からないことはすぐに聞く。
何度か間違えてもいつの間にかちゃんとやってる。
普通に凄いヤツだと思った。

・・・もう少し砕けてくれるといいのにな、なんて思うくらいには気に入っていた。


ソレから数年、何やら冒険者ギルド内の、主に職員主体の『ノアとアークを見守り隊』なる物が発足し、誓約魔法付きで入隊を募っているとか。
面白そうと、軽い気持ちで入隊したが、内容は全っ然軽くなかった。

入ってくる情報、後から後から規模がデカくなってるんだが?!
もうじきウチに来そうって直前の情報更新に卒倒する者、狂喜乱舞する者多数・・・。

そんな中でも割とおとなしめな反応だった後輩が・・・。

実は猫被ってた。

アルカンシエル様達が来てからのあの心の声ダダ漏れ事件。

やられた!
何年も騙されてた俺!
くっそ笑ったわ!!

もう、オモロ!!
お前、サイコー過ぎ!!

決めた。
お前を俺のものにする。


かくして、その夜、酔ってご機嫌な後輩を言葉巧みに自分の部屋に連れ込み(当然、防音結界の魔法発動済み)美味しく頂くことにした。


「---あん、パイセン・・・な、んでぇ?!」
「はっ、そんなの・・・ヤリたいからに、決まってる、だろ!」
「あっあっ、だから、何でッおれなのかって、言ってるの!」
「お前が、気に入ったからに、決まってんだろーが!! もう良いよな? 話す余裕なんてないくらい、抱き潰してやんよ!!」
「---うっそ?! 何でもっとデカく・・・?! ちょっと・・・パイセン・・・!!」

更に膨張したモノを抽挿されて苦しそうに喘ぐ後輩・・・いや・・・。

「リオン、俺のことはパイセンじゃなくリオンって呼べ。俺もお前のこと、サリナスって呼ぶから。・・・サリー」
「---ぅあっ、りおん、リオン!! だめ、そこイッちゃう! あっあっ---!」

そこからは抜かずの何発だったか忘れた。

次の日、休暇で良かったと思うくらいにはヤリまくっていた。

後輩、もといサリナスには散々文句を言われたが、構うもんか。



※ちなみに後輩は灰狼族である。
狼族の色序列的には一番下。
金、銀、黒、白、灰という感じ。


しおりを挟む
感想 1,191

あなたにおすすめの小説

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

誰よりも愛してるあなたのために

R(アール)
BL
公爵家の3男であるフィルは体にある痣のせいで生まれたときから家族に疎まれていた…。  ある日突然そんなフィルに騎士副団長ギルとの結婚話が舞い込む。 前に一度だけ会ったことがあり、彼だけが自分に優しくしてくれた。そのためフィルは嬉しく思っていた。 だが、彼との結婚生活初日に言われてしまったのだ。 「君と結婚したのは断れなかったからだ。好きにしていろ。俺には構うな」   それでも彼から愛される日を夢見ていたが、最後には殺害されてしまう。しかし、起きたら時間が巻き戻っていた!  すれ違いBLです。 初めて話を書くので、至らない点もあるとは思いますがよろしくお願いします。 (誤字脱字や話にズレがあってもまあ初心者だからなと温かい目で見ていただけると助かります)

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

公爵家の五男坊はあきらめない

三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。 生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。 冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。 負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。 「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」 都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。 知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。 生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。 あきらめたら待つのは死のみ。

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

将軍の宝玉

なか
BL
国内外に怖れられる将軍が、いよいよ結婚するらしい。 強面の不器用将軍と箱入り息子の結婚生活のはじまり。 一部修正再アップになります

処理中です...