迷い子の月下美人

エウラ

文字の大きさ
上 下
165 / 534

161 ギギ&ルル兄弟はレベルアップした

しおりを挟む

早速、出来上がった腕輪を二人に渡す・・・が、一応言っておくと、二人が婚姻してるなんて誤解が生じないように、魔石は瞳の色に合わせてペリドットを使ったが意匠はがらりと変えてある。

ギギのはシンプルでワンポイントにアイビーを刻んだ幅広のバングル、逆にルルのは細身で細かいアイビーの透かし模様を入れた。

「---アレ、結局二人の腕輪も夫夫みたいになっちゃった?」

サイズ感が違うだけで、結局お揃いだった。

「ま、いっか。どうせ隠蔽と認識阻害を付けてるし」
「「・・・・・・」」
「ははっ! まあ、双子だし? 別にお揃いでも良いんじゃないか? ・・・・・・ふっ!」

アークは堪える気がない感じで笑ってるし、ノアも細かい事は気にしないような話しっぷりでギギ達は無言で受け取るとそれぞれ好きな方の腕に嵌めた。

二人の魔力に反応してサイズも変わり、ピッタリと嵌まった。

「・・・うん。大丈夫そうだね。これで自分以外には外せないから安心だよ。地図と位置はこうやって思い浮かべて・・・」

ノアの説明に真剣に頷く二人。

---大丈夫そうだな。
ノアの規格外にかなり引いていたが、それだけだ。
態度が変わる様子は無い。

アークは内心ホッとした。

人の心なんて何かの拍子に簡単に変わる。
アークだけは、好一対だけは何があろうとノアの味方だが、信頼できる味方は一人でも多い方が良い。

わいわいがやがやと賑やかな三人を見ながら外の様子を窺う。

かなり降り出したようで、新しい雪が早速積もり始めたようだ。
コレでは今日は、ここで足止めだな。

そう話せば、ノアも一も二もなくこのテントに二人を泊めることに決めた。

「部屋は空いてるし、魔改造すれば良いんだから、気にしないで」

そう言ってさっさと部屋を錬成していた。

---さすが、仕事が早いな。

ノアを目で追っていたアークにギギ達が声をかける。

「アーク、本当にありがとう。ノアは俺達もしっかり護ると誓う」
「うん。あんなぽやぽやした子、幾ら強くても中身は子兎だもん。ノアが心を痛める姿は見たくないよ」

二人とも真剣な表情でそう言った。

「・・・ああ、ありがとう。出来る範囲で良いから、そうしてくれると頼もしい。それに二人がいると楽しそうだ。初めての良き友人として接してやってくれ」
「「・・・初めて・・・・・・」」

そりゃあ、今までの生活環境からそんなヤツとは皆無だとは思ったが・・・。

「「そっか、初めての、友人・・・良いな!」」

噛みしめて、理解して・・・顔を紅潮させていく双子の兄弟。

何となく、親戚の甥っ子を見守るおじさんって感覚でいたが、友人か・・・!

なんか、より距離が近くなった気がして悪い気はしない二人だった。

「ノア、俺達、友人としてお前を助けるからな!」
「寧ろ、助けて貰ってばかりな気がするけど、これからも友人としてよろしく!」
「えへへ。嬉しい・・・・・・俺の方こそ・・・よろしくお願いします」

ほわほわした空気が流れた。

アークも、空気に徹していたヴァンもほんわかとした。



4人+αの旅は順調な滑り出しのようだった。





しおりを挟む
感想 1,184

あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

フェンリルさんちの末っ子は人間でした ~神獣に転生した少年の雪原を駆ける狼スローライフ~

空色蜻蛉
ファンタジー
真白山脈に棲むフェンリル三兄弟、末っ子ゼフィリアは元人間である。 どうでもいいことで山が消し飛ぶ大喧嘩を始める兄二匹を「兄たん大好き!」幼児メロメロ作戦で仲裁したり、たまに襲撃してくる神獣ハンターは、人間時代につちかった得意の剣舞で撃退したり。 そう、最強は末っ子ゼフィなのであった。知らないのは本狼ばかりなり。 ブラコンの兄に溺愛され、自由気ままに雪原を駆ける日々を過ごす中、ゼフィは人間時代に負った心の傷を少しずつ癒していく。 スノードームを覗きこむような輝く氷雪の物語をお届けします。 ※今回はバトル成分やシリアスは少なめ。ほのぼの明るい話で、主人公がひたすら可愛いです!

【書籍化確定、完結】私だけが知らない

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ 目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」 授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。 途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。 ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。 駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。 しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。 毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。 翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。 使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった! 一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。 その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。 この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。 次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。 悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。 ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった! <第一部:疫病編> 一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24 二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29 三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31 四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4 五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8 六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11 七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...