拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

文字の大きさ
67 / 624
連載

133 北の辺境地へ 1

しおりを挟む

ひと月ほど滞在した要塞都市ライズだったが、新しい迷宮ダンジョン【ミドガルズの迷宮】の整備、検証の最終確認としてもう一度アークとノアが迷宮を1階層から入り、一通り階層を経由し、100階層のボス・ミドガルズオルムを倒して踏破をした。

「うん。問題なく、各階層の魔物もそのレベルにあったモノがいるようだ。あぶれる事も無さそうだし、ボスも最初からミドガルズオルムが出たし、迷宮の出入りだけ気を付ければ少しづつでも攻略出来るんじゃないか?」

そう言ったアークにノアも付け足す。

「そうだね。必ず数組のPT組んで、逸れないように協力する事だね。エリアはほいほい変わるから、無理は禁物。死ぬようなモンだから」

結構浅い階層でも色々と素材が良いから、無理する必要は無いだろう。

名声を得ても死んだら意味がない。

「・・・そうか、助かった。ありがとう、本当にありがとう」

そういって頭を下げるギルマスに慌てる。

「上の人はそんなに簡単に頭を下げちゃ駄目です。元々滞在中に何かあれば頼れって言ったのコッチだし」
「そうそう。俺達だって得たモノは多い。結果が良かったんだ、気にするな。それよりコレからの方が大変だろう?」

迷宮の管理やらギルドのやることは多い。
ノアはそっとポーション類をお土産としてサブギルマスに手渡した。

皆、目の下の隈が酷いよ?



それから数日後、ノアとアークは要塞都市ライズをあとにした。

このひと月で知り合いも増えた。
暇を見つけて防寒グッズもたくさん錬成したし、欲しいものもたくさん買いこんだ。

だから迷宮の確認が終わったら出発する旨は皆に話してあった。

見送りは良いよ、と言っておいたんだけど・・・。

「---壁の上」
「ああ」
「たくさん、皆、手を振ってくれてる」
「ノアもいっぱい振ってやれば良い」
「・・・ん。楽しかった。またね!」

そういって手を振りかえした。

今度は涙は見せなかった。
来ようと思えば、また来られる。
ずっとお別れじゃないから。

「---さて、この先は辺境地だ。事前に話したとおり、村や街などはほとんど無いから、道中、魔物を狩ったり野宿して進むぞ。まあ、俺達にはテントがあるから関係ないけどな」
「うん。寒くなってきたら作った防寒グッズが役に立つはず。えへへ、もふもふいっぱい!」
「---あー、うん。楽しみだな」

ちょっと複雑な顔のアークに気付いたヴァンが、アークにだけ呟いた。

『我に抱き着くよりは良かろうが』
「・・・クソ、俺ももふもふが欲しい」

ノアに蕩ける顔で撫でて欲しい・・・。

・・・アークが切実に願っているが、もふもふなんて無くても何時もアークには蕩けているだろうが、と心の中で呆れるヴァンだった。

仔狼サイズのヴァンは相変わらずアークの肩にのっているが、時折消えるので魔物を狩ったりしているのだろう。

従魔契約をしたとは言え、基本的にヴァンは自由に過ごしている。
念話で離れていても会話が出来るし、単体でも十分強いからだ。


テントにはヴァンも登録済みで、テント内をちょっと魔改造した。

アークとイチャイチャするので、そういうのを気にしないで済むように。

さすがにノアは恥ずかしがったし、アークも他のヤツに見せたり聞かせる趣味は無い、と言うか見せたく無い監禁推奨ヤンデレ一歩手前の番い至上主義。

と言うわけで、ライズに滞在中に大幅な錬成魔改造を行っていた。

まず、テントの入口は共通なのだが、アークとノア、ヴァンとでは入口を通った瞬間にテント内の別空間にとぶようにした。

ようはテント内で居住区を別にしたのだ。

アークとノアは何時もの部屋母屋に、ヴァンは新しく作った離れのスペースにまっすぐ入るようにして、何か用があればその離れから母屋に扉一つで出入りできるようにした。

もちろん、出入りの時には双方に鈴の音がチリンとなるようにして相手に確認を取るようにした。
裸でうろうろしてるときにヴァンと出くわしたら気まずいなんてモノじゃないでしょ?

---何で裸でうろうろって・・・・・・察しろ!

後はノア達の寝室は鍵付きにした。
今まではノアだけだったし、アークと番った後もアーク以外いないし入れないし?

だから鍵なんて一つも無かったんだけど、ヴァンがいるからさすがにね?

まあ、ヴァンは勝手にプライベート空間に踏み込むことはしないんだけど、俺達の気持ちがねえ。

なのでノアかアークが中にいてもいなくても自動で鍵をかける仕様。
ノアかアークなら出入り自由で、常にロックがかかってる状態。

まあ便宜上と言うが、テント入口の魔力登録と同じなので、扉が開いてたとしてもノア達の後に続こうとしても弾かれて入れないので安心安全。

そんなわけで、安心して野営テントでヤリ放題・・・・・・言葉にするとなんか、アレだな。


ともかく、厳しい辺境地と言っても、俺達には全く問題なしだったのだ。



強いて言えば、幻獣のヴァンは元々食べ物は嗜好品扱いで、もっぱら自然の魔素を吸収しているそうなのだが、リンデン父さんと旅をしているうちに食の美味しさ、楽しさに目覚めて今では結構グルメなんだとか。

そのせいでライズに滞在中もあちこち食べ歩き、ノアに料理して貰ったりと、アークもかなりの量を食べるのに一匹一人分の食材がかなり増えたので、最後はヴァンが自分の食い扶持を稼ぎに行くようになった。

道中も好き勝手に狩ってきては腕輪に収納しておいて、食べたいときにポイッと出す。

『コレで美味い肉料理を作ってくれ!』
「良いけど、アークも俺も食べるよ? それで良いなら・・・」
『もちろんだ! 足りなければもっと出すぞ!!』
「大丈夫だよ、俺の方にも入ってるし。じゃあ作るね、待ってて」

そんなわけで今日も大量に料理を作るノアだった。

毎日のように料理を作るので、ノアのインベントリにはひと月は何も作らなくても食べられるだけの料理が入っているのだが、こうやって後から後からどんどん作っているので、ノアも量を把握できていないのだった。





※ストックが切れるので、更新が遅れる可能性があります。どうぞ気長にお待ちください。

ちょっとこの先の展開を構想中です。

この後、数話はノアとアークの出番が少ないと思います。(本人は出ないと思います)
その後は本筋に戻るはず・・・。







しおりを挟む
感想 1,551

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

植物チートを持つ俺は王子に捨てられたけど、実は食いしん坊な氷の公爵様に拾われ、胃袋を掴んでとことん溺愛されています

水凪しおん
BL
日本の社畜だった俺、ミナトは過労死した末に異世界の貧乏男爵家の三男に転生した。しかも、なぜか傲慢な第二王子エリアスの婚約者にされてしまう。 「地味で男のくせに可愛らしいだけの役立たず」 王子からそう蔑まれ、冷遇される日々にうんざりした俺は、前世の知識とチート能力【植物育成】を使い、実家の領地を豊かにすることだけを生きがいにしていた。 そんなある日、王宮の夜会で王子から公衆の面前で婚約破棄を叩きつけられる。 絶望する俺の前に現れたのは、この国で最も恐れられる『氷の公爵』アレクシス・フォン・ヴァインベルク。 「王子がご不要というのなら、その方を私が貰い受けよう」 冷たく、しかし力強い声。気づけば俺は、彼の腕の中にいた。 連れてこられた公爵邸での生活は、噂とは大違いの甘すぎる日々の始まりだった。 俺の作る料理を「世界一美味い」と幸せそうに食べ、俺の能力を「素晴らしい」と褒めてくれ、「可愛い、愛らしい」と頭を撫でてくれる公爵様。 彼の不器用だけど真っ直ぐな愛情に、俺の心は次第に絆されていく。 これは、婚約破棄から始まった、不遇な俺が世界一の幸せを手に入れるまでの物語。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

婚約破棄で追放された悪役令息の俺、実はオメガだと隠していたら辺境で出会った無骨な傭兵が隣国の皇太子で運命の番でした

水凪しおん
BL
「今この時をもって、貴様との婚約を破棄する!」 公爵令息レオンは、王子アルベルトとその寵愛する聖女リリアによって、身に覚えのない罪で断罪され、全てを奪われた。 婚約、地位、家族からの愛――そして、痩せ衰えた最果ての辺境地へと追放される。 しかし、それは新たな人生の始まりだった。 前世の知識というチート能力を秘めたレオンは、絶望の地を希望の楽園へと変えていく。 そんな彼の前に現れたのは、ミステリアスな傭兵カイ。 共に困難を乗り越えるうち、二人の間には強い絆が芽生え始める。 だがレオンには、誰にも言えない秘密があった。 彼は、この世界で蔑まれる存在――「オメガ」なのだ。 一方、レオンを追放した王国は、彼の不在によって崩壊の一途を辿っていた。 これは、どん底から這い上がる悪役令息が、運命の番と出会い、真実の愛と幸福を手に入れるまでの物語。 痛快な逆転劇と、とろけるほど甘い溺愛が織りなす、異世界やり直しロマンス!

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。