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別人格の旦那様(side公爵家使用人)
しおりを挟むあの日、渡り人であるシノノメ様を見つけてから旦那様は変わりました。
あんなに無表情で無感情で他人に全く関心を持たなかった旦那様が、ことある毎にシノノメ様を構うようになったのです。
シノノメ様を気遣い、ことさら優しげな口調で話す旦那様に、使用人一同、鳥肌が立ったものです。
・・・・・・さすがにもう慣れましたが。
「---全くの別人でしたよねえ」
「あれは他人が成りすましていたと言われたほうが納得出来るくらいの変わりようでしたね」
「本当に・・・・・・」
今頃、別宅では、待ての出来なかったであろう駄犬様がシノノメ様を襲っているのでしょう・・・・・・ご愁傷様です。
旦那様が不在の為か、使用人控え室での口も軽くなります。
休憩中とはいえ、軽すぎますよ、貴方たち。
「本当に変わりすぎよねえ」
突然聞こえてきた声に使用人達はびくっとした。
この声は、前公爵夫人・・・・・・!
何故ここに?!
ここは使用人控え室ですよ!
「大奥様!!!」
「ああ、気にしないで。ごめんなさいね、無理を言って入れて貰ったの。あの子達の話を一緒にしたくって!」
「---一緒に? ですか・・・・・・?」
「そうよ。こちらの屋敷での二人の様子とかは貴方たちのほうが詳しいじゃない。アレクシオがいないウチに色々聞きたくて、ね?」
ね?じゃ無いですが・・・・・・仕方ないですね。
こうして何故か大奥様と盛り上がってたくさん話をしまくり、いつも以上に充実した一日でしたが、大旦那様はお疲れのようでした。
ロッジまで通いの料理人とメイドが夜に戻ってきて、分かる範囲で二人の様子を教えてくれた。
もうラブラブで、特にアレクシオ様が歯止めが効かない感じで凄いらしい。
4年待ちましたもんね。
よくガマン出来ましたね。
この分ならばお孫様のお顔を拝見できる日も近いでしょうね。
案の定、一月後に無事ご懐妊され、ひとまず本邸に戻られました。
・・・・・・レイ様、少々窶れましたか?
旦那様、少しは手加減なさらないと嫌われますぞ。
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