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外堀は任せなさい(side前デュカス公爵夫妻)
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※前公爵夫妻と言いつつ、ほぼほぼ奥様視点。
うちの跡取り息子は21歳にもなって未だ独身。
浮いた話の一つもない。
デュカス公爵家を次いでもうすぐ一年。
この国でも最有力物件なのに、本人にやる気が無い!
早く孫の顔を見たいのにぃ!
---と、旦那様と憂いていたら、王都のアレクシオから手紙が届いた。
何々?
・・・『渡り人』を保護した?
後見人になった・・・・・・?
綺麗な14歳の男の子?
・・・・・・訳ありっぽくて、今はアチコチ怪我をしていて手負いの猫のようですって?
「---貴方、あのアレクシオがこんなに他人を気遣っているわ」
「ああ、凄いね! いくら渡り人といっても、そこまで関心を持たないだろうに」
「コレはアレなのでは?」
「アレだろうね」
---遅い初恋!!
コレは私達がひと肌脱いで外堀を埋めまくってあげなくては!!
かくして前デュカス公爵夫妻による、シノノメ・レイ捕獲作戦が計画されたのだった。
当然アレクシオには内緒である。
もちろんレイは言わずもがな。
じわりじわりと包囲網を狭めていく所存である。
まずは本人に直接会ってどのような人物か確認をしなくてはならないが、どうやら怪我をしているらしいので落ち着いた頃に訪問する事にする。
その前に公爵家の影を使ってこっそり情報を集めましょう。
それによって外堀を埋める方向性を見定めましょう!
何やら領地の屋敷全体がやや浮かれた感じになった。
前公爵夫妻を筆頭に使用人達も領地の騎士団も一致団結をした。
そして影から受け取った情報は驚く物だった。
渡り人は黒髪に朝焼け色の瞳で小柄な男の子。
現時点では怪我の原因は不明だがどうやら虐待されていたことが分かった。
後にその理由を知り、子供を虐待するなんて信じられない!!と皆して憤慨するのだが。
そしてあのアレクシオが渡り人のこととなるとでろ甘になるということに皆驚愕したものだ。
もはや別人格。
にこにこと話しかけ、彼を気遣う姿に使用人達も顔には出さなかったが驚いていたようだ。
「愛の力ね。これは絶対に囲い込むわよ!」
そして怪我も良くなった頃に王都の屋敷に突撃訪問をする。
驚きながらも私達の『アレクシオを宜しく』発言に曖昧に頷いてくれた。
これで言質はとったわ!
半ば強引に事を進める私達に苦言を呈するアレクシオにビシッと言ってやったわ!
「外堀は埋めといてあげるから貴方は貴方のなすべき事をなさい!」
曖昧に頷いている貴方も、言質はとったわよ!
覚悟なさい。
そうして4年の間にレイの周りを既婚者で囲って周りに目移りしないようにして。
レイの耳には届かないようにしつつ、さり気なくアレクシオの婚約者にしておいて。
性的な事は一切シャットアウト(これはアレクシオ)して完全に童貞処女に!
そして偶然にも成人の儀はレイ一人だったので親代わりの私達前公爵夫妻とアレクシオ、騎士団団長と副団長で神殿に向かい、儀式は恙無く終わった。
この後、騎士団の正式な任命式も行うはずだったのに待てが出来なかった駄犬がさっさと連れて行ってしまったが、想定内。
私達は笑いを堪え、団長達は呆れ顔。
神官長は生温かい目で見送った。
そのひと月後、懐妊したとアレクシオから連絡がきて屋敷中大歓声が湧き起こった。
久し振りに見たレイはちょっと窶れていたが、幸せそうだった。
「---こういう恩返しのはずじゃなかったんだけどなあ・・・・・・」
とぼやいていたけど、いいえ。
これであってるわよ!
レイ、ちょっと強引だったけど、両片思いが相思相愛になったんですもの。
幸せになってね。
---アレクシオの愛が少ーし重いかもしれないけど・・・・・・。
頑張って。
うちの跡取り息子は21歳にもなって未だ独身。
浮いた話の一つもない。
デュカス公爵家を次いでもうすぐ一年。
この国でも最有力物件なのに、本人にやる気が無い!
早く孫の顔を見たいのにぃ!
---と、旦那様と憂いていたら、王都のアレクシオから手紙が届いた。
何々?
・・・『渡り人』を保護した?
後見人になった・・・・・・?
綺麗な14歳の男の子?
・・・・・・訳ありっぽくて、今はアチコチ怪我をしていて手負いの猫のようですって?
「---貴方、あのアレクシオがこんなに他人を気遣っているわ」
「ああ、凄いね! いくら渡り人といっても、そこまで関心を持たないだろうに」
「コレはアレなのでは?」
「アレだろうね」
---遅い初恋!!
コレは私達がひと肌脱いで外堀を埋めまくってあげなくては!!
かくして前デュカス公爵夫妻による、シノノメ・レイ捕獲作戦が計画されたのだった。
当然アレクシオには内緒である。
もちろんレイは言わずもがな。
じわりじわりと包囲網を狭めていく所存である。
まずは本人に直接会ってどのような人物か確認をしなくてはならないが、どうやら怪我をしているらしいので落ち着いた頃に訪問する事にする。
その前に公爵家の影を使ってこっそり情報を集めましょう。
それによって外堀を埋める方向性を見定めましょう!
何やら領地の屋敷全体がやや浮かれた感じになった。
前公爵夫妻を筆頭に使用人達も領地の騎士団も一致団結をした。
そして影から受け取った情報は驚く物だった。
渡り人は黒髪に朝焼け色の瞳で小柄な男の子。
現時点では怪我の原因は不明だがどうやら虐待されていたことが分かった。
後にその理由を知り、子供を虐待するなんて信じられない!!と皆して憤慨するのだが。
そしてあのアレクシオが渡り人のこととなるとでろ甘になるということに皆驚愕したものだ。
もはや別人格。
にこにこと話しかけ、彼を気遣う姿に使用人達も顔には出さなかったが驚いていたようだ。
「愛の力ね。これは絶対に囲い込むわよ!」
そして怪我も良くなった頃に王都の屋敷に突撃訪問をする。
驚きながらも私達の『アレクシオを宜しく』発言に曖昧に頷いてくれた。
これで言質はとったわ!
半ば強引に事を進める私達に苦言を呈するアレクシオにビシッと言ってやったわ!
「外堀は埋めといてあげるから貴方は貴方のなすべき事をなさい!」
曖昧に頷いている貴方も、言質はとったわよ!
覚悟なさい。
そうして4年の間にレイの周りを既婚者で囲って周りに目移りしないようにして。
レイの耳には届かないようにしつつ、さり気なくアレクシオの婚約者にしておいて。
性的な事は一切シャットアウト(これはアレクシオ)して完全に童貞処女に!
そして偶然にも成人の儀はレイ一人だったので親代わりの私達前公爵夫妻とアレクシオ、騎士団団長と副団長で神殿に向かい、儀式は恙無く終わった。
この後、騎士団の正式な任命式も行うはずだったのに待てが出来なかった駄犬がさっさと連れて行ってしまったが、想定内。
私達は笑いを堪え、団長達は呆れ顔。
神官長は生温かい目で見送った。
そのひと月後、懐妊したとアレクシオから連絡がきて屋敷中大歓声が湧き起こった。
久し振りに見たレイはちょっと窶れていたが、幸せそうだった。
「---こういう恩返しのはずじゃなかったんだけどなあ・・・・・・」
とぼやいていたけど、いいえ。
これであってるわよ!
レイ、ちょっと強引だったけど、両片思いが相思相愛になったんですもの。
幸せになってね。
---アレクシオの愛が少ーし重いかもしれないけど・・・・・・。
頑張って。
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