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第2話-①:暗い劣情に身を震わせる莉緒奈(改稿)

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ー莉緒奈…

 莉緒奈は、誰かが自分を呼ぶ声を聞いた。  

 ぼんやりとしか見えないけど、とても愛おしくて、ずっと会いたかった存在。

 莉緒奈は手を伸ばし、つぶやいた。

 「お母、さま…」


 ****

 
 「はっ!」

 まだ空が空けきっていない早朝。
 君原莉緒奈は、亡き両親から受け継いだ広大な屋敷の一室で目覚めた。

 パジャマは汗でぐっしょりと濡れており、息も荒い。
 体にも火照りを感じ、莉緒奈は思わず身震いする。

 「夢を見た気がするのですが、思い出せません。なんだったのでしょうか…」

 じっくり考えたい所だったが、あいにく、今の莉緒奈には時間がなかった。
 30分後には執事を務める初老の男性、赤井が起こしに来る。

 そこから帰宅するまでプライバシーはない。

 「…着替え、ないと」

 言葉とは裏腹に、莉緒奈は着替えようとしなかった。
   
 (だめです…また、体が…)

 衣ずれが乳房に擦れるだけで、切ない感情が押し寄せるのを莉緒奈は自覚した。
 秘部にもじぃんっ…と痺れるような甘い感覚。

 完全に、体ができてしまっている。

 誰かに腕を触れられただけで、艶かしい声をあげてしまいそうだ。

 「…少しだけ、ですから。莉緒奈は…淫乱じゃありません」

 美しい黒髪の美少女はパジャマのボタンを1つあつゆっくりと外し、ブラとショーツだけの下着姿となる。ブラのホックも外し、はちきれんばかりのたわわな両胸を静かに出す。

 ぷるん…

 汗に濡れた乳房は扇情的な光を放っており、莉緒奈本人ですら魅力的と感じてしまうほどだ。
 
 「…んぐっ♡」

 その乳房を、莉緒奈は慰めていった。

 最初は恐る恐る外周を触っていき、徐々に乳首周辺へと迫っていく。手つきも徐々に乱暴となり、莉緒奈は息を荒くしていった。

 (こんなこと…しちゃ、いけないのにっ)

 なんとか抗おうとするも、愛撫の手は止まらない。
 それどころか性欲がさらに高まっていきー、

 「切ないの止まらない…ふぐっ…♡」

 手だけでは我慢できず、右の陥没乳首を自らの口に含んだ。莉緒奈の胸は非常に豊満で、少し押し上げただけで唇に到達した。

 キュウキュウと音がしそうなほど強く含み、わずかに突き出た乳頭を舌でコリコリと愛撫する。

 「うっ…くぅぅぅうううううううっ♡」

 たちまち全身を貫くような快感に両脚がピン…!と伸び、ベッドのシーツ歪ませた。
 滝のような汗がさらに吹き出し、部屋全体に淫靡な香りが満ちていく。

 (だめっ…乳首、気持ち良すぎ…ます♡こんな妄想したら、ダメなのに♡)
 
 自慰を止められないほど莉緒奈が激しく妄想しているのはーー、







 はじめて発情液を嗅がされた日の夜。

 退魔剣姫リオナに変身して、ゴブリン数匹を相手にしていたときの出来事だ。

 ーこれで最後…むぐぅうう!?

 いつものようにゴブリンを倒し、最後の1匹にとどめを刺そうとした瞬間、生き残りの放った発情液をまともに受けてしまった。

 ーなにこれ…かはっ…体が…熱い…!

 はじめて体験する強烈な快感にリオナは足の力が抜け、地面に膝をついてしまう。

 その瞬間を逃すゴブリンではなかった。

 ーブヒヒヒヒヒヒヒヒィイイ!!!

 リオナを思い切り押し倒し、闇雲に殴りつけた。

 ーかはっ…くっ…うぐっ…!ぐぁ…!

 なんとか両腕でガードするリオナだったが、反撃の術がなく、徐々に弱っていく。ドレスは避け、体は傷だらけになり、ブルージュエルが赤く染まりはじめる。

 ーもう…ブルージュエルがっ…!あがっ…はぐぅぅぅぅぅうっ!!!

 最後に腹部に致命的な一撃を喰らい、リオナは戦意を喪失してしまう。全身から力が失せると同時に、ドレスが破れていった。

 ーあ…りおな、負け、ちゃった…

 最後にはほとんど力を失い、無防備な莉緒奈だけが残される。

 ーブヒィィィィイイッ!

 ーもう、やめ…あひぃんんんんんんんん♡胸は、だめっ…壊れちゃいますぅぅぅ…っ♡

 泣いて命乞いするもゴブリンは意に介さず、ドレスの上から莉緒奈の乳房をぐりぐりと愛撫しはじめる。

 本来なら激痛が走るはずなのに、莉緒奈は恍惚の表情を浮かべるしかない。発情液のもたらす強烈な快感で口からをよだれを流し、秘部から愛液が地面へと落ちていった。

 ーあ…く…

 やがて瞳から光が消え、なんとかゴブリンを押さえつけようとしていた腕も力なく落ちる。
 
 ーブヒヒヒヒヒヒヒヒ…

 ー警察だ!

 ーブヒイィイイ!?

 そのまま凌辱される寸前、たまたま警察が通りがかったため、ゴブリンは逃走。
 莉緒奈はどさくさに紛れて姿を消し、全裸のまま何度か屋敷に逃げ帰った。

 でも、もし警察が通りがかってなかったら…

 ーや、やめてください。初めてなんです…だからー、

 ーブヒヒヒヒヒヒヒヒィイイ!!!

 ーいやぁああああああああっ!






 「莉緒奈のはじめて、奪っちゃいや…ひぁ…~~~~~~~~♡♡♡」

 薄暗い妄想によがりながら、莉緒奈は妄想の中の自分と感覚を同調させ、屈辱と快楽にまみれた絶頂を遂げた。

 思考の片隅がチカチカと明滅し、下半身が波打って痙攣する。

 莉緒奈は、自らの性欲に屈した。

 「あふぁ…♡ひゃあ…♡」

 とろとろとした愛液を流しながらベッドに力なく横たわる莉緒奈を目撃した者がいれば、誰もが背徳感と被虐心を感じただろう。

 そのまま凌辱されても、歓喜の叫び声をあげたかもしれない。

 「はぁっ♡はぁ、はぁ、はぁ…私、どうして、こんな妄想をっ…体、抑えられないっ…」
 


 それは、全て発情液の副作用。

 怪人への従属を望むようになる催淫効果なのだが、今の莉緒奈が気づくことはできない。



 「それでもっ…!」

 悔しさに唇を噛みつつ、莉緒奈は精神に抗う。
 退魔剣姫としての気高さはまだ失われていない。

 「…莉緒奈は…屈し…ま、せん…!どれだけ辱められても、痛めつけられても…必ず、怪人を…」





 今は、まだ。
 
 
 ****


 キーンコーンカーンコーン。

 数時間後。
 莉緒奈は姫宮高校に登校し、いつも通り2年4組の授業を受けた。

 正直、うわの空である。

 昼休憩の時間に入っているが、食欲もでない。

 (はぁ…怪人と戦っているはいえ、なかなか授業に身が入らないのは良くありませんね)

 元々、変身していない時の莉緒奈は、自分でも驚くほど消極的である。友達もおらず、孤独な学生生活を送っていた。

 とりあえず教室から離れるため立ち上がろうとした時ー、

 「莉緒奈さん!何してるの~?」

 「えっ…?」

 誰かに話しかけられた。

 「もうお昼だよ。ご飯食べに行かないの?

 ぴょこんと生き物のように動くツインテール。
 見るもの全てを和らげる小動物のような笑顔。
 莉緒奈より10センチほど小さく、街中で小学生と見間違うほど幼い体。
 
 同じクラスの和田恵理わだえりである。面識はあるが、話しかけられたことはない。

 「あ、はい。食べに行こうかな、と」

 「よかったぁ!じゃあ、恵理と一緒に食べにいかない?」

 「え?い、いいですけど…」

 「じゃあ、決まりだね!」

 「あっ、ちょっと!?」

 強引に引っ張られるような形で、莉緒奈は教室から連れ出される。

 (ど、どうしましょう…こういう時どうすれば良いのか…ぜんっぜんわかりません!)

 ある意味、怪人よりも恵理の方が手強いのではと感じる莉緒奈であった。

 
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