【完結】たっくんとコウちゃん【小・中学生編】

秋空花林

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4 好きな物

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 オレの好物の話をしよう。

 オレは白米が大好きだ!
 ペコペコのお腹に、あつあつの白米を頬張ると、幸せーっ!て思う。

 おかずと白米も最高だけど。のりたまのふりかけがあれば何杯でもいける!その位、大好きだ!

 そして今、その大好きなのりたまのおにぎりが、目の前にあった。

「コウちゃん、これ何で?」
「たっくん、いつも、お腹ペコペコって言ってから」

 お腹空いたでしょ?そう言ってコウちゃんは寒さに頬を赤くしたままニッコリ笑った。

「オレのため?」
「うん」

 嬉しくて、何だか恥ずかしくなった。なんでそう思ったか、よく分からない。

 そこで、ハッとする。ボーとしてる場合じゃなかった。

「ありがとう!お腹空いてたからすぐ食べるよ。コウちゃんも寒いから家に入れよ。おばさんに叱られるぞ」
「2人とも遅いから平気」
「え?」

 聞けば、コウちゃんのお母さんは最近仕事を始めたらしく、いつも遅くまで1人で留守番しているらしい。

 俺が部活を始めてからの話なので知らなかった。

「じゃあさ、これ、コウちゃんの家で食べてもいい?」
「え?いいよ、もちろん!」

 コウちゃんが嬉しそうに家に入れてくれた。



◆◆◆



 ぼくの好きな物の話をしよう。

 ぼくは、たっくんみたいに沢山ご飯を食べれないから、好きな食べ物とか特に無い。

 スポーツもあまり出来ないし、しいて言うなら読書かな?てくらい。

 でも、美味しそうに食べる、たっくんを見るのは大好き!

 今もぼくが作ったおにぎりを美味しそうに食べるたっくんを見て、何だか嬉しくなった。

「美味しかった!」
「ほんと?」
「うん!コウちゃんすごいな!こんな美味しいおにぎり作れるなんて!」

 大袈裟だなって思ったけど。たっくんが、キラキラした目で見てくるから悪い気はしなかった。

「たっくんが、喜んでくれるなら、また作るね」

 へへ、て思わず照れて笑ったぼくを見て、たっくんも、うん!ってとっても喜んでるくれた。気のせいか、たっくんの頬が少し赤らんでいた。

 その日から、ぼくの好きな物に、料理が加わった。
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