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11 最終話
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あの絵は昔付き合っていた恋人の描いた物だと告白した。
瑛一郎が家の事情で結婚する事になり、お互いの為を思って別れたが、恋人の方は精神を蝕み最後に自分で生命をたってしまった事。
その時、最後の作品として自分宛にあの絵が届いた事を話した。
「そうだったんですね」
黄山からの言葉はそれだけだった。
そして、少し悩む様子を見せた後、実は…と申し訳なさそうに頭を下げた。
「すみません。実はさっき、紫藤様に聞きました」
「遼馬君に?」
「はい。瑛一郎さんが倒れて、どうしていいかわからない時に、紫藤様から連絡があって、それで…」
「そう」
瑛一郎はホッと息を吐いた。
むしろ、あんな状況だったら知っている人と連絡を取れたのは良かった。
「怒ってませんか?」
「何故?むしろ電話でも黄山君が1人じゃなくて良かったと思うよ」
そう言って笑ったつもりだった。
起きたばかりのせいか、あまりうまく笑えなかった。
思ったより、さっきの事が響いてるみたいだ。
気づけば黄山が側に立っていた。
そのまま瑛一郎の頭を抱きしめる。
「無理に笑わないでください」
「黄山君?」
「そんな辛い事があって。あんな事があって。苦しいのは当たり前です」
「…君は引かないの?私は恋人を捨てて殺したんだよ?」
「瑛一郎さんを見てればわかります。絵を描く時、いつもその人の事を想ってるじゃないですか。自分の為じゃなくて、相手の為に…別れたんじゃないんですか?」
「……」
凍らせていた氷が溶けていく。
まるで陽だまりの様に優しい温かさで。
止めていた時間が動き出す。
「…金月の未来を潰すと言われたんだ」
感情が動き出して涙が溢れた。
「私が、私が胡桃沢を継がないと…画家としての彼の未来を…」
そう言ったのは瑛一郎の両親。
「2人で世界中をスケッチしようって約束していたのに…」
瑛一郎も本当は画家になりたかった。当時は金月だけでなく、瑛一郎自身も画家として将来を有望視された若者だった。
でもそれは叶わなかった。
相談できる相手はいなかった。
頼れる者もいなかった。
追い詰められた瑛一郎は、大切な人を守る為に、夢をあきらめて結婚して家を継いだ。
なのに。
彼は死んでしまった。
瑛一郎を恨みながら。
「わからない…わからないんだ…私はどうしたら良かったのか…私は」
「…瑛一郎さん」
嗚咽する様に泣き出した瑛一郎を黄山はただ静かに抱きしめ続けた。
瑛一郎に呼応する様に涙を流しながら。
これまで心の奥底に閉じ込めていた感情を流し切った頃。少し落ち着いた瑛一郎が顔を上げた。
抱きついていた黄山の顔を見てギョッとする。
黄山の瞼がありえない位に腫れていた。
目が開いてるかどうかも微妙だ。
むしろ寝てると言われた方が納得する。立ったまま?器用な。
「黄山君…寝てるの?」
「起きてます」
分厚い瞼がほんの少し上下した事で起きているのは分かったが目は見えなかった。
「…ぶふっ!」
たまらず瑛一郎が吹き出した。
何をどうしたら、こんな状態に?
「も、もしかして、私を元気づけようとして?」
「…違います。一緒に泣いたら何故かこうなりました」
「ハハッ!もうダメだ!」
黄山の情けなさそうな一言に、瑛一郎は爆笑した。
無言なのに、むー、とむくれてるのがわかって、また笑った。
「いや、もう本当に黄山君は最高だよ」
「…どうも」
「黄山君」
立ったままの黄山の身体に、甘える様に抱きついた。
「こんな情けない私だけど、これからも側にいてくれるかい?」
「もちろんです」
黄山が瑛一郎の頭を撫でてくれた。その手が心地よくて、また泣きそうになる。
「さっきの瑛一郎さんが言ってた言葉なんですけど」
さっきの?
どれを指してるかがわからず、そのまま黄山の言葉に耳を傾ける。
「瑛一郎さんがどうすれば良かったのか、ずっと考えてたんですけど。どうすればいいか、わかりませんでした」
瑛一郎がうわ言の様に泣きながら言った言葉を、ずっと黄山は考えてくれていた様だ。
やっぱり黄山君は一生懸命で不器用。それに要領も悪いなと、黄山に対してかなり失礼な事を考えた。
だって、もう過ぎてしまった事はやり直せ無いから。こんな質問は無意味だ。
本当は瑛一郎自身もわかっている。あの時の選択は、その時にしか出来ない。人生にifは無いのだ。
黄山の言葉はまだ続く。
「だから、こう考えました。これからどうしたらいいかなって」
「…これから?」
「瑛一郎さんはどうしたいですか?今は僕の事は気にしなくていいですから、金月さんに対して、してあげたい事はありますか?」
「金月に対して…」
ずっとしたくても出来ない事はあった。
「墓参りに行きたい」
「一緒に行きましょう。他には?」
「あの絵は想い出が強いけど、最期に私の為に描いた物だから飾りたい」
「飾りましょう。他には?」
黄山が瑛一郎の心を解して、一つずつ整理していく。
「黄山君を大事にしようと思って、本当は金月への気持ちを整理しようと思ったんだ。でも…無理そうだ。こんな私を軽蔑するかい?」
「いいえ。金月さんを大事に想う部分も瑛一郎さんの一部分です。だから、その気持ちを大事にしてください」
「黄山君は…それでいいの?」
その時の黄山の顔を、言葉を、きっと瑛一郎は生涯忘れないだろう。
「はい。そうやって瑛一郎さんをベタベタに甘やかして、僕なしじゃいられなくさせますから」
「ぷはっ!」
あぁ。参った。
本当にいつも彼は予想外な発言をする。
きっと既にもう自分は彼なしじゃいられない。
彼に今すぐに伝えたい言葉がある。
でも今はまだやる事があるから。
その言葉を贈るのはまた今度にしよう。
◆◆◆ KARE SIDE
あれから。
黄山はすぐに瑛一郎の家に引っ越した。一緒にいたいのと、やっぱり彼の様子が心配だったから。
瑛一郎は、あの日気持ちを吐き出してから、絵を描いていても危うい雰囲気に呑まれる事は無くなった。
時々、金月を思い出している様だが、苦しいというより、純粋に懐かしんでる様だ。
そして、絵は瑛一郎の趣味部屋に飾った。辛い思い出もあるけど、純粋に創作意欲を沸き立ててくれるそうだ。
そして、黄山の休みの日に一緒に墓参りに行った。
瑛一郎はやはり辛そうで。少し涙ぐんでいた。
そして、黄山は手を合わせながら、僕があなたの分まで瑛一郎さんを幸せにします、と勝手に誓った。
金月の件であちこち行ったり、黄山の仕事で海外に行ったりで慌ただしい時が過ぎ、やっと落ち着いて来た頃。
2人は久しぶりに、家でソファに座って映画を鑑賞していた。
一緒にソファに座った恋人が、あ、そういえば、と呟く。
言うタイミング逃してたんだけど、とコソッとハスキーな声が耳打ちをしてきた。
「今さらだけど。私と遼馬君の関係気にならないかい?」
「それは…」
嫉妬しない。妬みもしない。
だけど、正直気になるといえば気になる。
「ハハッ。黄山君は正直だね」
何も言ってないのに、相変わらず黄山の考えを読み取るのが上手い。
「今、遼馬君は胡桃沢グループで息子の下で働いてるんだ」
「そうなんですね。大学時代も親友でずっと一緒だったのに、仕事でも一緒なんですね」
すごい縁だ。もしかしたら紫藤様の能力を買って、胡桃沢さんがヘッドハンティングしたのかもしれない。さすが紫藤様!
「ぶふっ」
何故か瑛一郎が吹き出す。
何か笑う所があっただろうか?
「そうだね、ちなみに…」
その後に耳打ちされた話は黄山のキャパを超えていて、正直すぐには頭には入らなかった。
ポカーンとしている黄山の表情を見て、また瑛一郎が吹き出す。
悪戯が成功した子供の様に笑った。そして再び黄山の耳元で囁いた。
きっとその言葉は、黄山は一生忘れないだろう。
「だから黄山君も私と家族にならないかい?」
「…それって」
「私と結婚してパートナーにならないかい?」
「……はい!」
見つめ合い、お互いに笑い合って口づけた。
この人と生きていく。
彼とおじさまの恋事情
完
ーーー
ここまでお読み頂きありがとうございました。
元々は前作『胡桃沢くんの恋事情』の脇役だった2人の物語でしたが、いかがでしたでしょうか?
前作は瑛一郎の息子、瑛太郎がメイン主人公のお話です。もし興味が湧いた!という方がいらっしゃれば、作者のリンクから辿ってお読み頂けたら嬉しいです。
向こうには、番外編として書いた当作(5話まで)が載っていて、『胡桃沢くんの恋事情』メンバーの後日談を多めに記載してるので、また違った雰囲気でお読み頂けるかな?と思います。
ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました。
瑛一郎が家の事情で結婚する事になり、お互いの為を思って別れたが、恋人の方は精神を蝕み最後に自分で生命をたってしまった事。
その時、最後の作品として自分宛にあの絵が届いた事を話した。
「そうだったんですね」
黄山からの言葉はそれだけだった。
そして、少し悩む様子を見せた後、実は…と申し訳なさそうに頭を下げた。
「すみません。実はさっき、紫藤様に聞きました」
「遼馬君に?」
「はい。瑛一郎さんが倒れて、どうしていいかわからない時に、紫藤様から連絡があって、それで…」
「そう」
瑛一郎はホッと息を吐いた。
むしろ、あんな状況だったら知っている人と連絡を取れたのは良かった。
「怒ってませんか?」
「何故?むしろ電話でも黄山君が1人じゃなくて良かったと思うよ」
そう言って笑ったつもりだった。
起きたばかりのせいか、あまりうまく笑えなかった。
思ったより、さっきの事が響いてるみたいだ。
気づけば黄山が側に立っていた。
そのまま瑛一郎の頭を抱きしめる。
「無理に笑わないでください」
「黄山君?」
「そんな辛い事があって。あんな事があって。苦しいのは当たり前です」
「…君は引かないの?私は恋人を捨てて殺したんだよ?」
「瑛一郎さんを見てればわかります。絵を描く時、いつもその人の事を想ってるじゃないですか。自分の為じゃなくて、相手の為に…別れたんじゃないんですか?」
「……」
凍らせていた氷が溶けていく。
まるで陽だまりの様に優しい温かさで。
止めていた時間が動き出す。
「…金月の未来を潰すと言われたんだ」
感情が動き出して涙が溢れた。
「私が、私が胡桃沢を継がないと…画家としての彼の未来を…」
そう言ったのは瑛一郎の両親。
「2人で世界中をスケッチしようって約束していたのに…」
瑛一郎も本当は画家になりたかった。当時は金月だけでなく、瑛一郎自身も画家として将来を有望視された若者だった。
でもそれは叶わなかった。
相談できる相手はいなかった。
頼れる者もいなかった。
追い詰められた瑛一郎は、大切な人を守る為に、夢をあきらめて結婚して家を継いだ。
なのに。
彼は死んでしまった。
瑛一郎を恨みながら。
「わからない…わからないんだ…私はどうしたら良かったのか…私は」
「…瑛一郎さん」
嗚咽する様に泣き出した瑛一郎を黄山はただ静かに抱きしめ続けた。
瑛一郎に呼応する様に涙を流しながら。
これまで心の奥底に閉じ込めていた感情を流し切った頃。少し落ち着いた瑛一郎が顔を上げた。
抱きついていた黄山の顔を見てギョッとする。
黄山の瞼がありえない位に腫れていた。
目が開いてるかどうかも微妙だ。
むしろ寝てると言われた方が納得する。立ったまま?器用な。
「黄山君…寝てるの?」
「起きてます」
分厚い瞼がほんの少し上下した事で起きているのは分かったが目は見えなかった。
「…ぶふっ!」
たまらず瑛一郎が吹き出した。
何をどうしたら、こんな状態に?
「も、もしかして、私を元気づけようとして?」
「…違います。一緒に泣いたら何故かこうなりました」
「ハハッ!もうダメだ!」
黄山の情けなさそうな一言に、瑛一郎は爆笑した。
無言なのに、むー、とむくれてるのがわかって、また笑った。
「いや、もう本当に黄山君は最高だよ」
「…どうも」
「黄山君」
立ったままの黄山の身体に、甘える様に抱きついた。
「こんな情けない私だけど、これからも側にいてくれるかい?」
「もちろんです」
黄山が瑛一郎の頭を撫でてくれた。その手が心地よくて、また泣きそうになる。
「さっきの瑛一郎さんが言ってた言葉なんですけど」
さっきの?
どれを指してるかがわからず、そのまま黄山の言葉に耳を傾ける。
「瑛一郎さんがどうすれば良かったのか、ずっと考えてたんですけど。どうすればいいか、わかりませんでした」
瑛一郎がうわ言の様に泣きながら言った言葉を、ずっと黄山は考えてくれていた様だ。
やっぱり黄山君は一生懸命で不器用。それに要領も悪いなと、黄山に対してかなり失礼な事を考えた。
だって、もう過ぎてしまった事はやり直せ無いから。こんな質問は無意味だ。
本当は瑛一郎自身もわかっている。あの時の選択は、その時にしか出来ない。人生にifは無いのだ。
黄山の言葉はまだ続く。
「だから、こう考えました。これからどうしたらいいかなって」
「…これから?」
「瑛一郎さんはどうしたいですか?今は僕の事は気にしなくていいですから、金月さんに対して、してあげたい事はありますか?」
「金月に対して…」
ずっとしたくても出来ない事はあった。
「墓参りに行きたい」
「一緒に行きましょう。他には?」
「あの絵は想い出が強いけど、最期に私の為に描いた物だから飾りたい」
「飾りましょう。他には?」
黄山が瑛一郎の心を解して、一つずつ整理していく。
「黄山君を大事にしようと思って、本当は金月への気持ちを整理しようと思ったんだ。でも…無理そうだ。こんな私を軽蔑するかい?」
「いいえ。金月さんを大事に想う部分も瑛一郎さんの一部分です。だから、その気持ちを大事にしてください」
「黄山君は…それでいいの?」
その時の黄山の顔を、言葉を、きっと瑛一郎は生涯忘れないだろう。
「はい。そうやって瑛一郎さんをベタベタに甘やかして、僕なしじゃいられなくさせますから」
「ぷはっ!」
あぁ。参った。
本当にいつも彼は予想外な発言をする。
きっと既にもう自分は彼なしじゃいられない。
彼に今すぐに伝えたい言葉がある。
でも今はまだやる事があるから。
その言葉を贈るのはまた今度にしよう。
◆◆◆ KARE SIDE
あれから。
黄山はすぐに瑛一郎の家に引っ越した。一緒にいたいのと、やっぱり彼の様子が心配だったから。
瑛一郎は、あの日気持ちを吐き出してから、絵を描いていても危うい雰囲気に呑まれる事は無くなった。
時々、金月を思い出している様だが、苦しいというより、純粋に懐かしんでる様だ。
そして、絵は瑛一郎の趣味部屋に飾った。辛い思い出もあるけど、純粋に創作意欲を沸き立ててくれるそうだ。
そして、黄山の休みの日に一緒に墓参りに行った。
瑛一郎はやはり辛そうで。少し涙ぐんでいた。
そして、黄山は手を合わせながら、僕があなたの分まで瑛一郎さんを幸せにします、と勝手に誓った。
金月の件であちこち行ったり、黄山の仕事で海外に行ったりで慌ただしい時が過ぎ、やっと落ち着いて来た頃。
2人は久しぶりに、家でソファに座って映画を鑑賞していた。
一緒にソファに座った恋人が、あ、そういえば、と呟く。
言うタイミング逃してたんだけど、とコソッとハスキーな声が耳打ちをしてきた。
「今さらだけど。私と遼馬君の関係気にならないかい?」
「それは…」
嫉妬しない。妬みもしない。
だけど、正直気になるといえば気になる。
「ハハッ。黄山君は正直だね」
何も言ってないのに、相変わらず黄山の考えを読み取るのが上手い。
「今、遼馬君は胡桃沢グループで息子の下で働いてるんだ」
「そうなんですね。大学時代も親友でずっと一緒だったのに、仕事でも一緒なんですね」
すごい縁だ。もしかしたら紫藤様の能力を買って、胡桃沢さんがヘッドハンティングしたのかもしれない。さすが紫藤様!
「ぶふっ」
何故か瑛一郎が吹き出す。
何か笑う所があっただろうか?
「そうだね、ちなみに…」
その後に耳打ちされた話は黄山のキャパを超えていて、正直すぐには頭には入らなかった。
ポカーンとしている黄山の表情を見て、また瑛一郎が吹き出す。
悪戯が成功した子供の様に笑った。そして再び黄山の耳元で囁いた。
きっとその言葉は、黄山は一生忘れないだろう。
「だから黄山君も私と家族にならないかい?」
「…それって」
「私と結婚してパートナーにならないかい?」
「……はい!」
見つめ合い、お互いに笑い合って口づけた。
この人と生きていく。
彼とおじさまの恋事情
完
ーーー
ここまでお読み頂きありがとうございました。
元々は前作『胡桃沢くんの恋事情』の脇役だった2人の物語でしたが、いかがでしたでしょうか?
前作は瑛一郎の息子、瑛太郎がメイン主人公のお話です。もし興味が湧いた!という方がいらっしゃれば、作者のリンクから辿ってお読み頂けたら嬉しいです。
向こうには、番外編として書いた当作(5話まで)が載っていて、『胡桃沢くんの恋事情』メンバーの後日談を多めに記載してるので、また違った雰囲気でお読み頂けるかな?と思います。
ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました。
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