【完結】壊された女神の箱庭ー姫と呼ばれていきなり異世界に連れ去られましたー

秋空花林

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第六章 運命を壊す者

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 空と悪男が外で騒いでいる間、緑の部屋の中では案の定、太陽がルースに迫られていた。もちろん性的な意味で。

 既に押し倒され、ルースの手が服の中に入ってきている。

「ルースさん、ここ外ですよ!」
「緑で守ってるから誰も入って来れないし危険は無いよ」
「そうですけど!」

 身の危険というより、羞恥心の問題だ。ちゃんとした建物の中ならまだしも、緑を挟んだ向こうは山の中だ。それが何だか恥ずかしい。

「セーヤは…嫌?」
「違います!そうじゃなくて出来れば建物の中がいいんです」
「…そう。ごめん」

 シュンと落ち込んでルースが太陽の上から離れた。寂しそうな表情に胸が痛くなる。たまらず太陽の方から抱きついた。

「ルースさん、どうしたんですか?俺が目が覚めてから、何だかずっと焦ってるみたいです」
「焦ってる…そうかもしれない」

 落ち込んだルースから聞いたのは王女の驚きの発言だった。太陽を抱いた事を覚えてないのだろうと指摘されたのが、相当ショックだったらしい。

 そのショックが拗れて、ここ最近の過度なスキンシップになっていた様だ。

「セーヤは前の僕も、今の僕も好きだって言うけど、やっぱり不安なんだ。前の僕に負けてるみたいで」
「ルースさん」

 太陽の中では、前のルースも今のルースも同一人物なのに、彼の中では違うらしい。もしかして、元彼に嫉妬する今彼みたいなものかもしれない。

「ルースさん、俺は今目の前にいる貴方が好きなんです」
「セーヤ」
「勿論前のルースさんも大事です。でも俺がこれから一緒に生きて行きたいのも、共に旅したいのも目の前のルースさんなんです」
「セーヤ…ありがとう」

 嬉しそうに笑うルースに胸がキュンとなった。

 愛しい人が目の前にいて、周囲から見えない様に隔離されて、防音もされてるなら。もうどうでもいい気がしてきた!

 抱きついたまま前のめりに、チュッとルースに口づけする。ふいをつかれたルースは驚いて太陽を抱き止めたまま仰向けに倒れた。

「セーヤ?」
「もう…ルースさんのせいですよ」
「え?」
「俺をその気にさせた責任とってくださいね」

 ルースに抱きついたまま、ギュッと相手の服を掴んで、太陽は見上げる様にルースを睨んだ。

 きっと今の自分は、そういう顔をしてるだろう。目の前の彼が好きすぎて、彼に抱かれたくてたまらない。きっとそんな顔。

 太陽の表情を見たルースも、驚いた顔を見せた後、そっと太陽の頬に手の平を当てた。少し切なそうな表情を浮かべて。

「いいの?止められないよ?」
「俺ももう我慢できません」

 頬に添えられたルースの手を取り口付ける。

「あの時の続き…して下さい」



ーーー


 大変お待たせ致しました(?)

 久しぶりのR18です。

 次話、閲覧注意です。
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