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第五章 果てなき旅路より戻りし者
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「空!ちょっとこれ恥ずかしいんだけど!」
鳥族の長の背中に乗りながら、太陽は空に抗議した。
空に勧められて鳥族の長の背に乗せてもらって集合場所に向かってみれば。予想以上に大人数が集まっていて、注目を浴びてしまった。
銀狼、エルフ、鳥族は分かる。
事前に聞いてたから。
予想外なのは人間達だった。
今まで見た事もない程の人々が、赤い鳥に乗った太陽を見て、大歓声を上げている。手を振ったり、中には泣いてる人までいた。
「まぁ待ち焦がれた金の者の再来だからな」
「空!わかってて長に乗れって言ったな!」
これは絶対確信犯だ!
いつもなら悪男に乗せてもらうのに、何故か今回に限って空が「せっかくだから鳥族の長にみんなで乗せて貰おう」と言い出したのだ。
鳥族の長は一際サイズがデカかった。
その見栄えする赤い鳥の背に、空とベイティとアキエスが太陽を守る様に取り囲んで一緒に乗ってるのだ。
まあ目立つ目立つ。アイドルの登場かよ!
歓声を受けながら太陽は皆と共に、盛り上がった大きな岩の上に降り立った。鳥族の長も人型に戻り側に立つ。
悪男に乗って一緒について来たガソルとアキエスの護衛も同じく岩の上に降り立った。
それまで普通に隊列を組んでいた各種族の精鋭達が、ザッと跪き頭を垂れた。それに倣って人間達も膝をついて頭を下げていく。
ウソ…。これ俺にじゃ無いよね?
平静を装いながらも、目がキョロキョロし出した太陽に空が声をかけた。
「セーヤ。皆お前の声を待ってるぞ」
ウソ!
「ウソでは無い。適当に顔を上げろと言えばいい。その後、アキエスに振ればいい」
ま、マジかよ!
みんな顔を上げる様子が無い、仕方なく太陽は空に言われた通り声をかける事にした。
「皆さん、顔を上げてください」
待ち望んだ相手からの言葉に、皆が一斉に顔を上げた。皆が太陽に注目していた。キラキラした目で見てくる。
お、重い。
なかなかに圧巻な光景だが、太陽は控えめに謙虚に生きていきたいタイプなので、いたたまれず、さっさとアキエスに任せる事にした。
「各地の皆さん協力ありがとうございます。勇者の末裔のアキエスから話があります。お願いします」
「承知致しました」
アキエスが護衛に合図をすると、護衛はそれまで担いでいたグルグル巻きにされた男を、皆から見える場所に降ろした。
男は酷い運ばれ方をされたせいか、目を回している。その横にアキエスが立った。バッと大袈裟に両腕を上げることで皆の視線を上手く集めた。
「この者は元王族である事を笠にきて、何と金の者に自らとの婚姻を無理やり迫った!」
ザワッ
全体が信じられない、という様にざわついた。
「しかも!自分は既に複数の伴侶がいるにも関わらずだ!金の者が断ると、更に自分の子を無理やりあてがおうとした!」
これには、先程より大きなドヨメキが起きた。信じられない!許せない!と怒りの声が多数上がった。
「これにより金の者は心を痛められ!気分を大変害された!こんな恥晒しな元王族を復活させていいものか!?」
復活させるな!恥晒し!と、何故か人間達以外の種族からも元王族に対して非難が相次いだ。
「金の者は種族を超えて守るべき存在!そうだろう!?」
そうだー!みんなの声が一つになる。
「我々は完全に元王族とは決別し、金の者が心から安心し健やかに過ごせる世界を新たに作ろうでは無いか!」
おおー!
アキエスの掛け声により、種族を超えてみんなの心が一つになった。
いや、これ、俺本当に巻き込まれずに生活できるのかな?
みんなの盛り上がりに、1人太陽は不安になったのだった。
鳥族の長の背中に乗りながら、太陽は空に抗議した。
空に勧められて鳥族の長の背に乗せてもらって集合場所に向かってみれば。予想以上に大人数が集まっていて、注目を浴びてしまった。
銀狼、エルフ、鳥族は分かる。
事前に聞いてたから。
予想外なのは人間達だった。
今まで見た事もない程の人々が、赤い鳥に乗った太陽を見て、大歓声を上げている。手を振ったり、中には泣いてる人までいた。
「まぁ待ち焦がれた金の者の再来だからな」
「空!わかってて長に乗れって言ったな!」
これは絶対確信犯だ!
いつもなら悪男に乗せてもらうのに、何故か今回に限って空が「せっかくだから鳥族の長にみんなで乗せて貰おう」と言い出したのだ。
鳥族の長は一際サイズがデカかった。
その見栄えする赤い鳥の背に、空とベイティとアキエスが太陽を守る様に取り囲んで一緒に乗ってるのだ。
まあ目立つ目立つ。アイドルの登場かよ!
歓声を受けながら太陽は皆と共に、盛り上がった大きな岩の上に降り立った。鳥族の長も人型に戻り側に立つ。
悪男に乗って一緒について来たガソルとアキエスの護衛も同じく岩の上に降り立った。
それまで普通に隊列を組んでいた各種族の精鋭達が、ザッと跪き頭を垂れた。それに倣って人間達も膝をついて頭を下げていく。
ウソ…。これ俺にじゃ無いよね?
平静を装いながらも、目がキョロキョロし出した太陽に空が声をかけた。
「セーヤ。皆お前の声を待ってるぞ」
ウソ!
「ウソでは無い。適当に顔を上げろと言えばいい。その後、アキエスに振ればいい」
ま、マジかよ!
みんな顔を上げる様子が無い、仕方なく太陽は空に言われた通り声をかける事にした。
「皆さん、顔を上げてください」
待ち望んだ相手からの言葉に、皆が一斉に顔を上げた。皆が太陽に注目していた。キラキラした目で見てくる。
お、重い。
なかなかに圧巻な光景だが、太陽は控えめに謙虚に生きていきたいタイプなので、いたたまれず、さっさとアキエスに任せる事にした。
「各地の皆さん協力ありがとうございます。勇者の末裔のアキエスから話があります。お願いします」
「承知致しました」
アキエスが護衛に合図をすると、護衛はそれまで担いでいたグルグル巻きにされた男を、皆から見える場所に降ろした。
男は酷い運ばれ方をされたせいか、目を回している。その横にアキエスが立った。バッと大袈裟に両腕を上げることで皆の視線を上手く集めた。
「この者は元王族である事を笠にきて、何と金の者に自らとの婚姻を無理やり迫った!」
ザワッ
全体が信じられない、という様にざわついた。
「しかも!自分は既に複数の伴侶がいるにも関わらずだ!金の者が断ると、更に自分の子を無理やりあてがおうとした!」
これには、先程より大きなドヨメキが起きた。信じられない!許せない!と怒りの声が多数上がった。
「これにより金の者は心を痛められ!気分を大変害された!こんな恥晒しな元王族を復活させていいものか!?」
復活させるな!恥晒し!と、何故か人間達以外の種族からも元王族に対して非難が相次いだ。
「金の者は種族を超えて守るべき存在!そうだろう!?」
そうだー!みんなの声が一つになる。
「我々は完全に元王族とは決別し、金の者が心から安心し健やかに過ごせる世界を新たに作ろうでは無いか!」
おおー!
アキエスの掛け声により、種族を超えてみんなの心が一つになった。
いや、これ、俺本当に巻き込まれずに生活できるのかな?
みんなの盛り上がりに、1人太陽は不安になったのだった。
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