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第六章 運命を壊す者
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温かい…。
穏やかな温もりに誘われる様に、自然と瞼が上がった。ぼんやりと見える視界の先にルースの綺麗な寝顔があった。
何で自分は寝ていたんだろう?と疑問に思う。確かエルフの里でこれから瘴気の事で話をする筈だったのに。
よく分からないが、ルースの寝顔を見ていたらどうでも良くなった。
とても久しぶりに彼に会った気がして、そっとルースの頬に触れてみた。その温かさが、彼が夢じゃなくて現実だと教えてくれて、心があったかくなった。
んん、と軽く声がしてルースの瞼が開いた。綺麗は緑色の瞳がぼんやりと太陽に向けられた。
「ルースさん、おはようございます」
互いにベッドに横になりながら、太陽はルースに声をかけた。まだぼんやりした瞳は太陽から離れない。
「セーヤ?」
「はい、どうしたんですか?」
「王女じゃなくて?」
「王女?」
意味が分からず、セーヤが目を瞬く。その間、ジッとルースが見つめてくる。何だかいたたまれない。
「セーヤ、好きだよ」
不意打ちのルースの告白に、太陽は一瞬言葉に詰まったものの、しっかり自分の気持ちを伝えた。
「俺だってルースさんの事、大大大好きです」
そんな太陽の様子に、ルースの表情が、くしゃりと歪んだ。
今の太陽の態度に、ルースに対しての真っ直ぐな好意があったからだ。ルースを惹きつけてやまなかった情熱を宿したあの瞳が、ルースに向けられていた。
「セーヤ!セーヤだ!良かった」
太陽が戻って来た事に安堵して、ルースは太陽を抱きしめた。
「な、何?ルースさん一体…」
太陽が慌てていると、部屋に飛び込んで来た人影がいた。空と悪男だった。
「セーヤ!目が覚めたのか!」
「良かった!」
「オハヨー」
さすがにベッドの上に人の姿ではデカいと思ったのか、狼と鳥になった2人が太陽にダイビングしてきた!
悪男は可愛く太陽の頭に止まったが、空は太陽にそのまま飛び乗る様にジャンプした!ドスとなかなかの重量が太陽に飛び乗って来た。
「ぐえ!空、くるしい」
「オレ達を心配させたのだから、この程度我慢しろ」
「セーヤだ!セーヤだ!」
「ピィ!」
ぶんぶん尻尾を振って犬みたいに懐いてくる空、いまだ泣きながら太陽を抱きしめて離さないルース、そして嬉しそうに頭の上で歌ってる悪男とショーキ。
何が起きたのか分からないまま、太陽は暫く3人のされるがままになっていた。
◇◇◇
正直、太陽は浦島太郎になった気分だった。
急に記憶が途切れ、次に目を覚ました時、ほぼ全ての事が終わってたからだ。
よく分からないまま、太陽はソファに座って目の前の人物達を見つめた。
ここは北の城。魔王と勇者に出会った場所だ。
だが、今太陽が対峙しているのは同一人物の筈なのに、全く雰囲気が変わっていた。
まず、あの真っ黒な髪と真っ黒な瞳の魔王は、真っ白な髪に水色の瞳の清廉な妖精王になっているし。
光の勇者はただの人間に戻ったらしく、人間達によく見られる茶色の髪と瞳になっている。でも偉そうな態度はそのままだ。
最後に。
太陽の中にいたらしい500年前の王女は、何故か今おとぎ話に出てくる様な小さな妖精姿になっていた。
全体的に半透明で綺麗なドレスに羽がついて、小さなサイズで妖精王の肩に乗っていた。
正直、ものすごく可愛い。
「どうした?」
思わず王女をジッと見つめていた太陽に、妖精王が声をかけた。
「すみません。王女様がものすごく可愛くて」
「やらんぞ」
「あ…はい」
妖精王が太陽の視線から隠す様に、肩にいた王女を自分のローブの胸元に入れた。今度はそこから、ひょこっと王女が顔だけ出している。
その仕草に可愛さが倍増して、太陽は悶えそうなのを何とか堪えた。
穏やかな温もりに誘われる様に、自然と瞼が上がった。ぼんやりと見える視界の先にルースの綺麗な寝顔があった。
何で自分は寝ていたんだろう?と疑問に思う。確かエルフの里でこれから瘴気の事で話をする筈だったのに。
よく分からないが、ルースの寝顔を見ていたらどうでも良くなった。
とても久しぶりに彼に会った気がして、そっとルースの頬に触れてみた。その温かさが、彼が夢じゃなくて現実だと教えてくれて、心があったかくなった。
んん、と軽く声がしてルースの瞼が開いた。綺麗は緑色の瞳がぼんやりと太陽に向けられた。
「ルースさん、おはようございます」
互いにベッドに横になりながら、太陽はルースに声をかけた。まだぼんやりした瞳は太陽から離れない。
「セーヤ?」
「はい、どうしたんですか?」
「王女じゃなくて?」
「王女?」
意味が分からず、セーヤが目を瞬く。その間、ジッとルースが見つめてくる。何だかいたたまれない。
「セーヤ、好きだよ」
不意打ちのルースの告白に、太陽は一瞬言葉に詰まったものの、しっかり自分の気持ちを伝えた。
「俺だってルースさんの事、大大大好きです」
そんな太陽の様子に、ルースの表情が、くしゃりと歪んだ。
今の太陽の態度に、ルースに対しての真っ直ぐな好意があったからだ。ルースを惹きつけてやまなかった情熱を宿したあの瞳が、ルースに向けられていた。
「セーヤ!セーヤだ!良かった」
太陽が戻って来た事に安堵して、ルースは太陽を抱きしめた。
「な、何?ルースさん一体…」
太陽が慌てていると、部屋に飛び込んで来た人影がいた。空と悪男だった。
「セーヤ!目が覚めたのか!」
「良かった!」
「オハヨー」
さすがにベッドの上に人の姿ではデカいと思ったのか、狼と鳥になった2人が太陽にダイビングしてきた!
悪男は可愛く太陽の頭に止まったが、空は太陽にそのまま飛び乗る様にジャンプした!ドスとなかなかの重量が太陽に飛び乗って来た。
「ぐえ!空、くるしい」
「オレ達を心配させたのだから、この程度我慢しろ」
「セーヤだ!セーヤだ!」
「ピィ!」
ぶんぶん尻尾を振って犬みたいに懐いてくる空、いまだ泣きながら太陽を抱きしめて離さないルース、そして嬉しそうに頭の上で歌ってる悪男とショーキ。
何が起きたのか分からないまま、太陽は暫く3人のされるがままになっていた。
◇◇◇
正直、太陽は浦島太郎になった気分だった。
急に記憶が途切れ、次に目を覚ました時、ほぼ全ての事が終わってたからだ。
よく分からないまま、太陽はソファに座って目の前の人物達を見つめた。
ここは北の城。魔王と勇者に出会った場所だ。
だが、今太陽が対峙しているのは同一人物の筈なのに、全く雰囲気が変わっていた。
まず、あの真っ黒な髪と真っ黒な瞳の魔王は、真っ白な髪に水色の瞳の清廉な妖精王になっているし。
光の勇者はただの人間に戻ったらしく、人間達によく見られる茶色の髪と瞳になっている。でも偉そうな態度はそのままだ。
最後に。
太陽の中にいたらしい500年前の王女は、何故か今おとぎ話に出てくる様な小さな妖精姿になっていた。
全体的に半透明で綺麗なドレスに羽がついて、小さなサイズで妖精王の肩に乗っていた。
正直、ものすごく可愛い。
「どうした?」
思わず王女をジッと見つめていた太陽に、妖精王が声をかけた。
「すみません。王女様がものすごく可愛くて」
「やらんぞ」
「あ…はい」
妖精王が太陽の視線から隠す様に、肩にいた王女を自分のローブの胸元に入れた。今度はそこから、ひょこっと王女が顔だけ出している。
その仕草に可愛さが倍増して、太陽は悶えそうなのを何とか堪えた。
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