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第三章 空を舞う赤、狂いて
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鳥の長(女性)の言葉にルースと2人ポカーンとしてると。
「姉ちゃん。どっちに聞いてんだ!」
「勿論どっちもだよ!緑の者も黒い者も美しいじゃないか!」
そして、立ち上がり身体の埃を払うと、スタスタと長がやって来た。
身長は太陽より大きい。170cm位だ。
「どうだい?人間の男は余ってるんだろ?アタイがあんたの子供産んでやるよ」
「え?あ、こ、子供!?」
ストレートな物言いに思わず太陽が赤面してしまう。かわいーね、と長が笑った。
「緑のもどうだい?エルフはただでさえ生まれる子供も少ないし、一族の数も少ないんだろ?多産種族のアタイがあんたの子供産んで育ててやるよ。悪い話じゃないだろ?」
そう言いながら長は妖艶に笑った。
悪男に似ているけど、持つ雰囲気は別物だった。大人の余裕と、動じない胆力が見て取れる。
一族の数が少ない。それは300年前の対戦のせいだろう。ただエルフは生まれる子供の数が少ないというのを聞いたのは初めてだった。
「悪いけど間に合ってるよ」
ルースが微笑みながら返事した。
「まぁ、緑の者ならそうだろうね。うちの子達を食い物にするんじゃないよ?するならアタイが相手になるからね」
「わかった」
じゃあね、坊や、と太陽に投げキッスをして長は悪男の元に戻る。少し話してから、長は羽根を広げた。
悪男同様の真っ赤な赤い艶やかな羽根。悪男よりも一際大きく見える。
それをバサバサとはためかせると、先に館に戻るよ!と飛び去って行った。
何だか…アクの強い人だった。
「セーヤ大丈夫か?」
空に横抱きにされたまま悪男がやって来た。
「うん。大丈夫だけど、何か凄い人だった…」
「自分好みの男を見つけるとすぐ囲おうとするんだ」
「囲う!?」
「半分病気みたいな物だ。イイ男を見るとすぐ迫るんだ。挨拶みたいな物だと思えばいいよ」
「挨拶…」
やっぱりこの世界は、口説くのも挨拶なんだ。納得だった。
「ところで、何でさっきからショーキは大人しいんだ?」
「あーコイツは姉ちゃんが苦手なんだよ」
「…オサこわい」
悪男が言うには、始めにショーキの人格が出来た頃、まだ完全に闇堕ちしていなかった長に散々ちょっかいを出されたらしい。
ショーキの話を聞かずにどんどん話を進める強引さが苦手らしく。それ以来、長の前では存在を隠す様に静かにしてるそうだ。
あー何かわかる気がする。太陽もどちらかと言えば苦手なタイプだ。
「じゃあオレ達も戻るか?」
空の言葉に太陽は待ったをかけた。
「ちょっと試してみたい事があるんだ」
悪男の傷を魔法で治せるか試したい。そう言って悪男を下ろしてもらった。傷を見るために、ボロボロになった服を脱いでもらう。
背中に僅かだが穴が空いて、そこから血が流れていた。ソッと手の平を傷の上に掲げて、治れ!と祈ってみる。
しーん
治るどころか血さえ止まらない。
おかしいな。ルースさんの時は出来たのに。
あの西の館でルースの手や顔に出来た擦り傷は、いつの間か跡も残さず治っていた。
もしかしたらやり方が違うから?
試しにルースさんの時の様にやってみるしかないか。
「悪男、ちょっと傷の周辺を触るな。痛かったらごめんな」
「ふん。別にこの程度の傷くらい平気だ」
「ホントはイタイの」
「……頑張って治してみるよ」
「……(恥泣)」
ルースにした時は確か。触れて、そしてー。
悪男の背中に手の平をつけ、ソッと傷の横に口づけた。早く良くなりますようにー。そう祈りながら。
悪男の傷をほんのり優しい金の光が包んだ。そして光が収まると傷跡どころか血の汚れも含めて綺麗になっていた。
「出来た!ルースさん、空、俺出来たよ!」
初めて自分の意思で魔法を使えた!
嬉しくて2人を振り向くと。ニマニマと笑う空と複雑そうな表情のルースがこちらを見ていた。
あれ?もしかして俺また何かやらかした?
焦る太陽に、空が自分の口元を指差す。僅かにそこは切れていた。
「さっきワルオを受け止めた時にぶつけたんだ。これも治せるか?」
「やってみるよ」
空の頬を手の平に包んで傷口の横。唇の端辺りに口づける。もちろん傷が早く治ります様にと祈りながら。
空の口元がほんのり金色の柔らかい光に包まれると傷は綺麗に治っていた。
「出来た!」
相変わらず空はニマニマして、ルースは不機嫌そうだ。
「お前…人前で、そんな事すんな!」
何故か悪男は真っ赤になって騒いでる。
「何で?傷を治しただけなのに?」
「治しただけって…わざわざそんな方法で…」
「ワルオ、チューはずかしい」
「チュー…」
言われて自分のした事を振り返って。徐々に太陽の顔も赤くなった。
「だって、だって!普通に治れって言っても出来ないから、前にルースさんにした時みたいにしたんだよ!」
「セーヤ、ルースともチューする?」
「むしろルースさんとしかチューしない!」
言っててもの凄く恥ずかしい…!
でもショーキは全く悪意が無いから怒るに怒れなくて、ただただ恥ずかしい!
そんな太陽を見て、空が大爆笑していた。
「セーヤよ。とりあえず効果があったのはお前が触れたからだ。だから口づけはしなくても大丈夫だ」
「なっ!お前それ知ってて!」
「いつもルースが独り占めしてるからな。たまにはいいだろう」
確かに最近は空の事をほっぽってルースの事ばかりだ。だからか強く言い返せない。
その時、辺りに何かの鳴き声が響いた。
キエエェェー!
空気を揺るがす様な大きな音に耳を抑える。
「姉ちゃんの儀式が始まったんだ!」
「スゴイのくる!」
悪男の声に西の館のある方向を見る。
次の瞬間、幾多もの大きな光の柱が上空から落ちて来た。
悪男の物より格段にデカい雷が地面に突き刺さると、弾ける様に周囲に赤と紫の光の粒が広がった。
次々と落ちてくる光の柱に思わずルースにしがみついたが、光は生き物を避ける様で太陽達を避けて大地へと降り注いだ。
雷と美しい光の連鎖は幾つも起こり、足元から眼前に広がる雄大な地層まで万遍なく赤と紫の光の粒が弾け広がっていく。
東の森で見た空の儀式を思い出す。今この瞬間、西の渓谷の長が瘴気を祓い結界を施しているのだ。
えも言われぬ神秘的な光景に心が震える気がした。
ーーー
次回、第三章の最終話です。
「姉ちゃん。どっちに聞いてんだ!」
「勿論どっちもだよ!緑の者も黒い者も美しいじゃないか!」
そして、立ち上がり身体の埃を払うと、スタスタと長がやって来た。
身長は太陽より大きい。170cm位だ。
「どうだい?人間の男は余ってるんだろ?アタイがあんたの子供産んでやるよ」
「え?あ、こ、子供!?」
ストレートな物言いに思わず太陽が赤面してしまう。かわいーね、と長が笑った。
「緑のもどうだい?エルフはただでさえ生まれる子供も少ないし、一族の数も少ないんだろ?多産種族のアタイがあんたの子供産んで育ててやるよ。悪い話じゃないだろ?」
そう言いながら長は妖艶に笑った。
悪男に似ているけど、持つ雰囲気は別物だった。大人の余裕と、動じない胆力が見て取れる。
一族の数が少ない。それは300年前の対戦のせいだろう。ただエルフは生まれる子供の数が少ないというのを聞いたのは初めてだった。
「悪いけど間に合ってるよ」
ルースが微笑みながら返事した。
「まぁ、緑の者ならそうだろうね。うちの子達を食い物にするんじゃないよ?するならアタイが相手になるからね」
「わかった」
じゃあね、坊や、と太陽に投げキッスをして長は悪男の元に戻る。少し話してから、長は羽根を広げた。
悪男同様の真っ赤な赤い艶やかな羽根。悪男よりも一際大きく見える。
それをバサバサとはためかせると、先に館に戻るよ!と飛び去って行った。
何だか…アクの強い人だった。
「セーヤ大丈夫か?」
空に横抱きにされたまま悪男がやって来た。
「うん。大丈夫だけど、何か凄い人だった…」
「自分好みの男を見つけるとすぐ囲おうとするんだ」
「囲う!?」
「半分病気みたいな物だ。イイ男を見るとすぐ迫るんだ。挨拶みたいな物だと思えばいいよ」
「挨拶…」
やっぱりこの世界は、口説くのも挨拶なんだ。納得だった。
「ところで、何でさっきからショーキは大人しいんだ?」
「あーコイツは姉ちゃんが苦手なんだよ」
「…オサこわい」
悪男が言うには、始めにショーキの人格が出来た頃、まだ完全に闇堕ちしていなかった長に散々ちょっかいを出されたらしい。
ショーキの話を聞かずにどんどん話を進める強引さが苦手らしく。それ以来、長の前では存在を隠す様に静かにしてるそうだ。
あー何かわかる気がする。太陽もどちらかと言えば苦手なタイプだ。
「じゃあオレ達も戻るか?」
空の言葉に太陽は待ったをかけた。
「ちょっと試してみたい事があるんだ」
悪男の傷を魔法で治せるか試したい。そう言って悪男を下ろしてもらった。傷を見るために、ボロボロになった服を脱いでもらう。
背中に僅かだが穴が空いて、そこから血が流れていた。ソッと手の平を傷の上に掲げて、治れ!と祈ってみる。
しーん
治るどころか血さえ止まらない。
おかしいな。ルースさんの時は出来たのに。
あの西の館でルースの手や顔に出来た擦り傷は、いつの間か跡も残さず治っていた。
もしかしたらやり方が違うから?
試しにルースさんの時の様にやってみるしかないか。
「悪男、ちょっと傷の周辺を触るな。痛かったらごめんな」
「ふん。別にこの程度の傷くらい平気だ」
「ホントはイタイの」
「……頑張って治してみるよ」
「……(恥泣)」
ルースにした時は確か。触れて、そしてー。
悪男の背中に手の平をつけ、ソッと傷の横に口づけた。早く良くなりますようにー。そう祈りながら。
悪男の傷をほんのり優しい金の光が包んだ。そして光が収まると傷跡どころか血の汚れも含めて綺麗になっていた。
「出来た!ルースさん、空、俺出来たよ!」
初めて自分の意思で魔法を使えた!
嬉しくて2人を振り向くと。ニマニマと笑う空と複雑そうな表情のルースがこちらを見ていた。
あれ?もしかして俺また何かやらかした?
焦る太陽に、空が自分の口元を指差す。僅かにそこは切れていた。
「さっきワルオを受け止めた時にぶつけたんだ。これも治せるか?」
「やってみるよ」
空の頬を手の平に包んで傷口の横。唇の端辺りに口づける。もちろん傷が早く治ります様にと祈りながら。
空の口元がほんのり金色の柔らかい光に包まれると傷は綺麗に治っていた。
「出来た!」
相変わらず空はニマニマして、ルースは不機嫌そうだ。
「お前…人前で、そんな事すんな!」
何故か悪男は真っ赤になって騒いでる。
「何で?傷を治しただけなのに?」
「治しただけって…わざわざそんな方法で…」
「ワルオ、チューはずかしい」
「チュー…」
言われて自分のした事を振り返って。徐々に太陽の顔も赤くなった。
「だって、だって!普通に治れって言っても出来ないから、前にルースさんにした時みたいにしたんだよ!」
「セーヤ、ルースともチューする?」
「むしろルースさんとしかチューしない!」
言っててもの凄く恥ずかしい…!
でもショーキは全く悪意が無いから怒るに怒れなくて、ただただ恥ずかしい!
そんな太陽を見て、空が大爆笑していた。
「セーヤよ。とりあえず効果があったのはお前が触れたからだ。だから口づけはしなくても大丈夫だ」
「なっ!お前それ知ってて!」
「いつもルースが独り占めしてるからな。たまにはいいだろう」
確かに最近は空の事をほっぽってルースの事ばかりだ。だからか強く言い返せない。
その時、辺りに何かの鳴き声が響いた。
キエエェェー!
空気を揺るがす様な大きな音に耳を抑える。
「姉ちゃんの儀式が始まったんだ!」
「スゴイのくる!」
悪男の声に西の館のある方向を見る。
次の瞬間、幾多もの大きな光の柱が上空から落ちて来た。
悪男の物より格段にデカい雷が地面に突き刺さると、弾ける様に周囲に赤と紫の光の粒が広がった。
次々と落ちてくる光の柱に思わずルースにしがみついたが、光は生き物を避ける様で太陽達を避けて大地へと降り注いだ。
雷と美しい光の連鎖は幾つも起こり、足元から眼前に広がる雄大な地層まで万遍なく赤と紫の光の粒が弾け広がっていく。
東の森で見た空の儀式を思い出す。今この瞬間、西の渓谷の長が瘴気を祓い結界を施しているのだ。
えも言われぬ神秘的な光景に心が震える気がした。
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次回、第三章の最終話です。
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