81 / 181
第三章 空を舞う赤、狂いて
17
しおりを挟む
太陽は次に目を覚ました時。床に座ったルースに、膝枕をされた状態だった。
いつの間にか互いに服を着ていた。
「身体は大丈夫?痛いところはない?」
先程まで太陽を激しく抱き続けていたルースが、心配そうに顔を覗き込んでいた。
あんなに執拗に太陽の裸に絡みついていた蔦は跡形もなく消えていて、残念な気持ちになる。
「…さっきの蔦みたいなの消しちゃったんですか?俺嬉しかったのに」
「…君は…何でそんなに僕を煽るの?」
先程まで情欲に塗れていた筈のルースは、ほんのり赤くなった。これまで溜まっていた気持ちや欲を太陽にぶつけて、いつもの彼に戻ってしまったらしい。
それがちょっと残念。もう少し俺に縛られていて欲しかったのに。
「でもルースさんに愛されてる証拠みたいで嬉しかったから」
「タイヨウ…」
はふ、と欠伸が出た。ルースの想いを受け止めきったものの、身体は疲れた気がする。
「少し眠るといいよ」
ルースが太陽を寝かせたまま、愛おしそうにおでこに口づけてきた。
このまま甘えて眠りたい。でも今回はそれじゃダメ。ルースの為に時間を使うと決めたから。
「逆でしょ、はいルースさん横になって」
え?え?とルースが目を白黒させてる間に、太陽はルースを寝かせて側に寄り添って抱きしめた。
これは、あの日のやり直し。
長い長い呪いが解け、悪夢から解放された夜。きっとルースは幸せな朝を迎える筈だった。太陽が攫われなければ。
そのせいで、彼は別の恐怖に囚わらてしまった。自分が休んでる間に太陽を失うかもしれない、という恐怖に。
その恐怖を拭うのはきっと太陽にしか出来ない。
「この中なら他の奴は入れないんですよね?だから大丈夫。ルースさんが休んでも俺はもういなくならないです。だから休んで」
太陽の言葉に、ルースの瞳が揺れた。その仕草から彼の心の傷の深さが窺い知れる。
「なら、2人が離れない様に俺とルースさん縛ってください。そしたら俺も安心できます」
太陽の言葉に、ルースの手の平から緑色の美しい緑の光が溢れる。
そこからシュルシュルと細いロープの様な細い茎が現れ、結びつける様に2人の周囲にゆったりと巻き付いた。最後に茎の端が太陽の手首に。もう片方がルースの手首に輪の様に巻きついた。
「嬉しい。これならもう大丈夫ですね」
「タイヨウ」
「大丈夫。ココには2人しかいないし、誰も俺を傷つける事は出来ないです。緑で繋いだから攫われる事もないし。だから休んでも大丈夫、ね?」
安心させる様にルースの背中を撫でる。太陽の言葉に少しずつルースの身体の強張りが解れていく様だった。
その内、ルースが眠そうに微睡んでいく。おやすみなさい、と太陽がルースの目元を手で覆った。
暫くすると、静かな寝息が聞こえて来た。やっとルースが眠りに落ちたのだ。
おやすみなさい。ルースさん。
今度こそ心穏やかな朝が迎えられます様にー。
◇◇◇
深く落ちていた意識が浮上して、自然と目が覚めた。
目を開けると、同じ様に横になっているルースの姿が目に入った。すうすう、と穏やかに寝ている。
良かった。ちゃんと休めてる。
穏やかな寝顔を見て太陽は安堵の息を吐いた。
ルースの不安や苦しさを太陽が受け止めた事で、ルースはやっと安心出来た様だ。
もう二度とこの人を苦しませたくない。
ルースは例え太陽が元の世界に戻りたいといっても、もう手離せないと言ったが、太陽の心も決まっていた。
朝ご飯の用意でもしようかな、と起き上がって、指輪に意識を集中した。
この収納指輪は不思議なもので、意識を集中すると中見を確認したり、出し入れが出来る優れ物だった。しかもルースの瞳と同じ色。
指輪の色で、昨日のルースの瞳を思い出してニヤニヤしてしまう。自分で言うのもなんだが、相当ルースにハマってる自覚があった。
指輪には肉や木の実、果実などが入っていた。西は火が使えないと言っていたので、自然と木の実や果実になる。皿代わりの大きな葉に、それらを並べた。
「これも便利だな」
太陽の左手についた緑の腕輪を見る。細めの茎が伸びて2人に巻きついてるが、自由に伸び縮みして太陽の動きを邪魔しない優れ物だ。
「これ…外したくないな」
そしたらずっと繋がっていれるのに。
「…何が?」
後ろからルースの声がした。
振り返ると、横になったまま、少しぼんやりしてるルースが太陽を見ていた。
「ルースさん、おはよう」
「タイヨウ、おはよう」
まだ少しぼんやりしてるルースの頬にキスを落とした。
よく寝れた?という問いかけに、ルースはぼんやり頷いた。その無防備さに胸がキュンとした。
はぁ。もう俺この人から離れられる気がしない。
もそもそ起きだしたルースの前に、食べ物と、木のコップに準備した水を用意した。
ありがとう、と受け止ったコップを一気に飲み干す姿さえカッコ良く見えた。いや、実際ルースはイケメンなんだけれども。
おかわりいる?と太陽が差し出したコップを受け取る。ジーっと、ひたすら視線を向ける太陽が気になったのか、どうしたの?と聞かれた。
「俺の恋人が世界一カッコいいなと思って」
ルースが水を咳き込んだ。大変だ。俺の恋人が苦しんでる。慌てて背中をさすった。
「タイヨウ、どうしたの?急に」
「急にじゃないです。ずっとルースさんは綺麗でカッコいいし、素敵だって思ってました」
「そう…ありがとう」
太陽の言葉か、咳き込んだせいか、ルースの頬が染まる。それさえも愛しい。はぁ。
「んんっ、話は変わるけど。タイヨウはこの後はどうしたいの?」
「この後?」
「僕やソラが合流したでしょ?だからこの後どう行動するか方針を決めた方がいいと思って」
スッとお花畑だった頭が冷えた。
そうだ。ここは西の鳥族の館。ココでやるべき事をして、北に向かわないといけないんだ。
ルースとやっと仲直りが出来て。愛される事が幸せすぎて。現実を避けてしまってたみたいだ。
いつまでもココにはいられない。わかっていても、少し気持ちが沈んだ。
「…すみません。ルースさん。ちょっと俺…浮かれてたみたいです。今後の方針なら、空と悪男のとこで話しませんか?」
「…わかった。そうしよう」
パチン。ルースの指音一つで、部屋を覆っていた緑の檻も、太陽とルースを繋いでいた茎のロープも、全て消えてしまった。
広がるのは、ほんのり赤い色彩の建物の壁。
「……」
自分の両手首には、腕輪も蔦の跡さえ無かった。まるで昨日の事が夢だったみたいに。
「行こうか」
ルースが太陽の手を引いて歩き出す。繋いだ左手がほんのり熱を感じた。何だろう、と視線をやると、繋いだ太陽とルースの手首にあの緑の腕輪がついていた。細い茎はついてない。
手を繋いだ相手に視線を向けると、照れた様な困った様な微笑みを浮かべていた。
「こんなのでもよければ、一緒につけておこうか」
「ーはい!」
「今回の旅が落ち着いたら、一緒に暮らそう」
「…はい!」
「その時は、僕の伴侶になってくれる? 僕と一緒に生きて欲しい」
「…っ。…はい」
嬉しすぎて、言葉に詰まってうまく話せない。そんな太陽の手をルースが優しく引いて歩きだした。
この世界でこの人と生きる。
その為にこの世界の瘴気を必ずどうにかする。
覚悟が出来た瞬間だった。
いつの間にか互いに服を着ていた。
「身体は大丈夫?痛いところはない?」
先程まで太陽を激しく抱き続けていたルースが、心配そうに顔を覗き込んでいた。
あんなに執拗に太陽の裸に絡みついていた蔦は跡形もなく消えていて、残念な気持ちになる。
「…さっきの蔦みたいなの消しちゃったんですか?俺嬉しかったのに」
「…君は…何でそんなに僕を煽るの?」
先程まで情欲に塗れていた筈のルースは、ほんのり赤くなった。これまで溜まっていた気持ちや欲を太陽にぶつけて、いつもの彼に戻ってしまったらしい。
それがちょっと残念。もう少し俺に縛られていて欲しかったのに。
「でもルースさんに愛されてる証拠みたいで嬉しかったから」
「タイヨウ…」
はふ、と欠伸が出た。ルースの想いを受け止めきったものの、身体は疲れた気がする。
「少し眠るといいよ」
ルースが太陽を寝かせたまま、愛おしそうにおでこに口づけてきた。
このまま甘えて眠りたい。でも今回はそれじゃダメ。ルースの為に時間を使うと決めたから。
「逆でしょ、はいルースさん横になって」
え?え?とルースが目を白黒させてる間に、太陽はルースを寝かせて側に寄り添って抱きしめた。
これは、あの日のやり直し。
長い長い呪いが解け、悪夢から解放された夜。きっとルースは幸せな朝を迎える筈だった。太陽が攫われなければ。
そのせいで、彼は別の恐怖に囚わらてしまった。自分が休んでる間に太陽を失うかもしれない、という恐怖に。
その恐怖を拭うのはきっと太陽にしか出来ない。
「この中なら他の奴は入れないんですよね?だから大丈夫。ルースさんが休んでも俺はもういなくならないです。だから休んで」
太陽の言葉に、ルースの瞳が揺れた。その仕草から彼の心の傷の深さが窺い知れる。
「なら、2人が離れない様に俺とルースさん縛ってください。そしたら俺も安心できます」
太陽の言葉に、ルースの手の平から緑色の美しい緑の光が溢れる。
そこからシュルシュルと細いロープの様な細い茎が現れ、結びつける様に2人の周囲にゆったりと巻き付いた。最後に茎の端が太陽の手首に。もう片方がルースの手首に輪の様に巻きついた。
「嬉しい。これならもう大丈夫ですね」
「タイヨウ」
「大丈夫。ココには2人しかいないし、誰も俺を傷つける事は出来ないです。緑で繋いだから攫われる事もないし。だから休んでも大丈夫、ね?」
安心させる様にルースの背中を撫でる。太陽の言葉に少しずつルースの身体の強張りが解れていく様だった。
その内、ルースが眠そうに微睡んでいく。おやすみなさい、と太陽がルースの目元を手で覆った。
暫くすると、静かな寝息が聞こえて来た。やっとルースが眠りに落ちたのだ。
おやすみなさい。ルースさん。
今度こそ心穏やかな朝が迎えられます様にー。
◇◇◇
深く落ちていた意識が浮上して、自然と目が覚めた。
目を開けると、同じ様に横になっているルースの姿が目に入った。すうすう、と穏やかに寝ている。
良かった。ちゃんと休めてる。
穏やかな寝顔を見て太陽は安堵の息を吐いた。
ルースの不安や苦しさを太陽が受け止めた事で、ルースはやっと安心出来た様だ。
もう二度とこの人を苦しませたくない。
ルースは例え太陽が元の世界に戻りたいといっても、もう手離せないと言ったが、太陽の心も決まっていた。
朝ご飯の用意でもしようかな、と起き上がって、指輪に意識を集中した。
この収納指輪は不思議なもので、意識を集中すると中見を確認したり、出し入れが出来る優れ物だった。しかもルースの瞳と同じ色。
指輪の色で、昨日のルースの瞳を思い出してニヤニヤしてしまう。自分で言うのもなんだが、相当ルースにハマってる自覚があった。
指輪には肉や木の実、果実などが入っていた。西は火が使えないと言っていたので、自然と木の実や果実になる。皿代わりの大きな葉に、それらを並べた。
「これも便利だな」
太陽の左手についた緑の腕輪を見る。細めの茎が伸びて2人に巻きついてるが、自由に伸び縮みして太陽の動きを邪魔しない優れ物だ。
「これ…外したくないな」
そしたらずっと繋がっていれるのに。
「…何が?」
後ろからルースの声がした。
振り返ると、横になったまま、少しぼんやりしてるルースが太陽を見ていた。
「ルースさん、おはよう」
「タイヨウ、おはよう」
まだ少しぼんやりしてるルースの頬にキスを落とした。
よく寝れた?という問いかけに、ルースはぼんやり頷いた。その無防備さに胸がキュンとした。
はぁ。もう俺この人から離れられる気がしない。
もそもそ起きだしたルースの前に、食べ物と、木のコップに準備した水を用意した。
ありがとう、と受け止ったコップを一気に飲み干す姿さえカッコ良く見えた。いや、実際ルースはイケメンなんだけれども。
おかわりいる?と太陽が差し出したコップを受け取る。ジーっと、ひたすら視線を向ける太陽が気になったのか、どうしたの?と聞かれた。
「俺の恋人が世界一カッコいいなと思って」
ルースが水を咳き込んだ。大変だ。俺の恋人が苦しんでる。慌てて背中をさすった。
「タイヨウ、どうしたの?急に」
「急にじゃないです。ずっとルースさんは綺麗でカッコいいし、素敵だって思ってました」
「そう…ありがとう」
太陽の言葉か、咳き込んだせいか、ルースの頬が染まる。それさえも愛しい。はぁ。
「んんっ、話は変わるけど。タイヨウはこの後はどうしたいの?」
「この後?」
「僕やソラが合流したでしょ?だからこの後どう行動するか方針を決めた方がいいと思って」
スッとお花畑だった頭が冷えた。
そうだ。ここは西の鳥族の館。ココでやるべき事をして、北に向かわないといけないんだ。
ルースとやっと仲直りが出来て。愛される事が幸せすぎて。現実を避けてしまってたみたいだ。
いつまでもココにはいられない。わかっていても、少し気持ちが沈んだ。
「…すみません。ルースさん。ちょっと俺…浮かれてたみたいです。今後の方針なら、空と悪男のとこで話しませんか?」
「…わかった。そうしよう」
パチン。ルースの指音一つで、部屋を覆っていた緑の檻も、太陽とルースを繋いでいた茎のロープも、全て消えてしまった。
広がるのは、ほんのり赤い色彩の建物の壁。
「……」
自分の両手首には、腕輪も蔦の跡さえ無かった。まるで昨日の事が夢だったみたいに。
「行こうか」
ルースが太陽の手を引いて歩き出す。繋いだ左手がほんのり熱を感じた。何だろう、と視線をやると、繋いだ太陽とルースの手首にあの緑の腕輪がついていた。細い茎はついてない。
手を繋いだ相手に視線を向けると、照れた様な困った様な微笑みを浮かべていた。
「こんなのでもよければ、一緒につけておこうか」
「ーはい!」
「今回の旅が落ち着いたら、一緒に暮らそう」
「…はい!」
「その時は、僕の伴侶になってくれる? 僕と一緒に生きて欲しい」
「…っ。…はい」
嬉しすぎて、言葉に詰まってうまく話せない。そんな太陽の手をルースが優しく引いて歩きだした。
この世界でこの人と生きる。
その為にこの世界の瘴気を必ずどうにかする。
覚悟が出来た瞬間だった。
24
お気に入りに追加
147
あなたにおすすめの小説
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったため、異世界でふわふわパンを焼こうと思います!
伊桜らな
ファンタジー
家業パン屋さんで働くメルは、パンが大好き。
いきなり聖女召喚の儀やらで異世界に呼ばれちゃったのに「いらない」と言われて追い出されてしまう。どうすればいいか分からなかったとき、公爵家当主に拾われ公爵家にお世話になる。
衣食住は確保できたって思ったのに、パンが美味しくないしめちゃくちゃ硬い!!
パン好きなメルは、厨房を使いふわふわパン作りを始める。
*表紙画は月兎なつめ様に描いて頂きました。*
ー(*)のマークはRシーンがあります。ー
少しだけ展開を変えました。申し訳ありません。
ホットランキング 1位(2021.10.17)
ファンタジーランキング1位(2021.10.17)
小説ランキング 1位(2021.10.17)
ありがとうございます。読んでくださる皆様に感謝です。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
楠ノ木雫
恋愛
病院に入院中だった私、奥村菖は知らず知らずに異世界へ続く穴に落っこちていたらしく、目が覚めたら知らない屋敷のベッドにいた。倒れていた菖を保護してくれたのはこの国の公爵家。彼女達からは、地球には帰れないと言われてしまった。
病気を患っている私はこのままでは死んでしまうのではないだろうかと悟ってしまったその時、いきなり目の前に〝妖精〟が現れた。その妖精達が持っていたものは幻の薬草と呼ばれるもので、自分の病気が治る事が発覚。治療を始めてどんどん元気になった。
元気になり、この国の公爵家にも歓迎されて。だから、恩返しの為に現代の知識をフル活用して頑張って元気に生きたいと思います!
でも、あれ? この世界には私の知る食材はないはずなのに、どうして食事にこの四角くて白い〝コレ〟が出てきたの……!?
※他の投稿サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる