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第二章 闇に囚われし緑よ、いずれ
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悪戯はマリィが指揮を取る事になった。
結局良い案は浮かばず、目の前でお茶でもかけて自分達の気持ちをスッとさせよう。
その程度の案だった。
プレンナに言えば反対されるに決まってるので、こっそり4人だけでルースの家に行った。
ルースが出たら、想い人を紹介して欲しいとか、適当に理由をつけて家の中に入れてもらおう。
もうすぐ長の全体集会が始まる。あえてこの時間に悪戯を計画したのは、叱られるまでの時間を先延ばしにしたかっただけだ。
3人には離れて待機してもらってマリィはルースの家の玄関をノックした。
なかなか返事が無い。
まだ就寝するには早い時間だ。
外出中なのかしら?と疑問に思いながら再びノックすると、扉が開いた。
開けたのは、黒目黒髪の綺麗な男だった。エルフ族は美形が多い。だから他の種族に見惚れる事は通常無い。
だが、目の前の男は内側から美しさを放っていた。見る者を惹きつける何かがあった。
後ろで待機している3人からも息を飲む気配がした。
この男だ。一目見てすぐわかった。
男は服が乱れていた。少し開いた胸元が色気を漂わせルースと何をしていたか物語っていた。
男はセーヤと名乗った。
気を抜いたらこの男の魅力に引きこまれそうになる。
とっとと悪戯して逃げてやる。
決意してマリィは家に入れてくれと頼んだが邪魔が現れた。
喋る銀色の獣だった。
美しい青い目をした獣だった。
それが青と銀の光に包まれたかと思うと背の高い美しい男になった。思わず見惚れる。
「エルフの娘よ。オレの主に害をなす事は許さん。失せろ」
男の放った言葉にカッとなった。
思わず目の前のセーヤを突き飛ばして部屋の仕掛けを作動させた。
「ルース様に近づかないで!」
何よ、何よ、何よ!エルフ以外の下等な生き物が何様よ!
転送の仕掛けが作動する直前に、マリィ自身は足元の移動の魔法陣から自分の家へ逃げた。
ざまあみろ。
これであの黒髪の男は南の街へ転送された。きっと1人では戻れない。
どうせすぐルース様が迎えに行くだろう。せいぜいそれまで少しでも不安になればいいんだ。
マリィが部屋で息を整えていると、両親が部屋へやって来た。
そろそろ集会に行く時間だと言われた。
長やルースに会うのが怖くて体調が悪くて行きたくない、と我儘を言ってみたけど無理だった。
「マリィ。今日は全員強制参加の厳命が下された集会だ。拒否はできない」
「厳命…」
それが下されるのは今後のエルフ族全体に関わる重大な話がある時のみ。現在の長では初めての事だった。
今さらプレンナの言っていた大事な召集という意味を悟る。
もしかして、エルフ族の将来にあの黒髪の男と銀髪の男が関わっている?
ちょっとした悪戯のつもりが、自分が取り返しのつかない事をしでかした様でマリィは顔面が蒼白になった。
結局良い案は浮かばず、目の前でお茶でもかけて自分達の気持ちをスッとさせよう。
その程度の案だった。
プレンナに言えば反対されるに決まってるので、こっそり4人だけでルースの家に行った。
ルースが出たら、想い人を紹介して欲しいとか、適当に理由をつけて家の中に入れてもらおう。
もうすぐ長の全体集会が始まる。あえてこの時間に悪戯を計画したのは、叱られるまでの時間を先延ばしにしたかっただけだ。
3人には離れて待機してもらってマリィはルースの家の玄関をノックした。
なかなか返事が無い。
まだ就寝するには早い時間だ。
外出中なのかしら?と疑問に思いながら再びノックすると、扉が開いた。
開けたのは、黒目黒髪の綺麗な男だった。エルフ族は美形が多い。だから他の種族に見惚れる事は通常無い。
だが、目の前の男は内側から美しさを放っていた。見る者を惹きつける何かがあった。
後ろで待機している3人からも息を飲む気配がした。
この男だ。一目見てすぐわかった。
男は服が乱れていた。少し開いた胸元が色気を漂わせルースと何をしていたか物語っていた。
男はセーヤと名乗った。
気を抜いたらこの男の魅力に引きこまれそうになる。
とっとと悪戯して逃げてやる。
決意してマリィは家に入れてくれと頼んだが邪魔が現れた。
喋る銀色の獣だった。
美しい青い目をした獣だった。
それが青と銀の光に包まれたかと思うと背の高い美しい男になった。思わず見惚れる。
「エルフの娘よ。オレの主に害をなす事は許さん。失せろ」
男の放った言葉にカッとなった。
思わず目の前のセーヤを突き飛ばして部屋の仕掛けを作動させた。
「ルース様に近づかないで!」
何よ、何よ、何よ!エルフ以外の下等な生き物が何様よ!
転送の仕掛けが作動する直前に、マリィ自身は足元の移動の魔法陣から自分の家へ逃げた。
ざまあみろ。
これであの黒髪の男は南の街へ転送された。きっと1人では戻れない。
どうせすぐルース様が迎えに行くだろう。せいぜいそれまで少しでも不安になればいいんだ。
マリィが部屋で息を整えていると、両親が部屋へやって来た。
そろそろ集会に行く時間だと言われた。
長やルースに会うのが怖くて体調が悪くて行きたくない、と我儘を言ってみたけど無理だった。
「マリィ。今日は全員強制参加の厳命が下された集会だ。拒否はできない」
「厳命…」
それが下されるのは今後のエルフ族全体に関わる重大な話がある時のみ。現在の長では初めての事だった。
今さらプレンナの言っていた大事な召集という意味を悟る。
もしかして、エルフ族の将来にあの黒髪の男と銀髪の男が関わっている?
ちょっとした悪戯のつもりが、自分が取り返しのつかない事をしでかした様でマリィは顔面が蒼白になった。
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