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第一章 銀狼は青に還りて
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翌朝。目が覚めると、藁の上に太陽は1人横になっていた。
相変わらず洞穴だから薄暗い。
所々に埋め込まれた鉱石が相変わらず美しかった。
広場へ続く道から、銀髪の男が歩いて来た。両手に大きな葉を持っている。
「起きたか。身体は大丈夫か?」
「あぁ。大丈夫だけど…」
「そうか。昨日は無理をさせて悪かったな。朝飯だ」
渡された大きな葉の上にいくつかの果物と、木の実が載っていた。
そういえば、昨日の朝から何も食べてない。太陽のお腹がグーッと鳴った。
「ありがとう。いただきます」
手を合わせて手掴みで、口に運ぶ。新鮮な果物は乾いた喉を潤して大変美味しかった。
「それは何だ?」
「ん?それ?」
男が手を合わせた。
またか。前にルースにしたのと同じ様な説明をした。
やっぱりこの世界で合掌は目を引く様だ。でも癖みたいな物だからやらないと太陽も気がすまない。
「生命を無駄にしない」
男は呟いて何か考え込んでいた。
とりあえず男を放置して太陽は出された物を全て平らげた。
そんなに量は多く無かったがお腹は満足した。
不思議な事にココに来てから食べる量が減ってる気がする。元の世界だったら1日3食はしっかり食べてたのに。
「食べたら儀式をするから一緒に表に来て欲しい。お前がオレの前に現れた意味を見せよう」
「あ、うん」
男に手を取られて一緒に広場に向かって歩き出す。
さっきから男との会話に妙に違和感がある。昨日と受ける印象が全く違う。
「あ!わかった。お前、話し方が何か昨日と違うな」
「昨日お前の体液を摂取してから完全に体内から瘴気を除去出来た。これが本来のオレだ。お陰で力も完全に取り戻せた。感謝する」
何と。
これが本来の彼ならば、最初に森で会った時は相当狂っていたのかもしれない。
男の個室の洞穴から出ると広場に出た。いくつにも別れた穴の向こうから、微かに外の明かりが入ってくるので、昨日よりは若干明るかった。
それでも洞内の光る鉱石が無いと随分と暗いだろう。何でこんな薄暗いんだろうか。
「なぁ、ココこんなに暗いと不便じゃない?元々は仲間とかが集う場所なんだろ?」
「光の聖女と光の勇者がいた頃に出来た場所だからだ。その頃にはまだ空に雲は無く太陽の光が届いて明るかった。それを計算して作った場所だからだ」
「それを計算して…」
確か光の聖女と勇者は何百年現れていないって。
「ちょっと待て!お前いったい幾つなんだよ」
「長すぎて忘れた。聖女と勇者が存在したのは約500年前だ。だから大体その位だな」
「……」
見た目で勝手に10~15歳差かと思ってたが、まさかの500年。
元の世界なら歴史上の人物。
今さらながら、これまでの太陽の態度は目上の人に対するそれではない。だって完全に動物だと思ってのだから。
相変わらず洞穴だから薄暗い。
所々に埋め込まれた鉱石が相変わらず美しかった。
広場へ続く道から、銀髪の男が歩いて来た。両手に大きな葉を持っている。
「起きたか。身体は大丈夫か?」
「あぁ。大丈夫だけど…」
「そうか。昨日は無理をさせて悪かったな。朝飯だ」
渡された大きな葉の上にいくつかの果物と、木の実が載っていた。
そういえば、昨日の朝から何も食べてない。太陽のお腹がグーッと鳴った。
「ありがとう。いただきます」
手を合わせて手掴みで、口に運ぶ。新鮮な果物は乾いた喉を潤して大変美味しかった。
「それは何だ?」
「ん?それ?」
男が手を合わせた。
またか。前にルースにしたのと同じ様な説明をした。
やっぱりこの世界で合掌は目を引く様だ。でも癖みたいな物だからやらないと太陽も気がすまない。
「生命を無駄にしない」
男は呟いて何か考え込んでいた。
とりあえず男を放置して太陽は出された物を全て平らげた。
そんなに量は多く無かったがお腹は満足した。
不思議な事にココに来てから食べる量が減ってる気がする。元の世界だったら1日3食はしっかり食べてたのに。
「食べたら儀式をするから一緒に表に来て欲しい。お前がオレの前に現れた意味を見せよう」
「あ、うん」
男に手を取られて一緒に広場に向かって歩き出す。
さっきから男との会話に妙に違和感がある。昨日と受ける印象が全く違う。
「あ!わかった。お前、話し方が何か昨日と違うな」
「昨日お前の体液を摂取してから完全に体内から瘴気を除去出来た。これが本来のオレだ。お陰で力も完全に取り戻せた。感謝する」
何と。
これが本来の彼ならば、最初に森で会った時は相当狂っていたのかもしれない。
男の個室の洞穴から出ると広場に出た。いくつにも別れた穴の向こうから、微かに外の明かりが入ってくるので、昨日よりは若干明るかった。
それでも洞内の光る鉱石が無いと随分と暗いだろう。何でこんな薄暗いんだろうか。
「なぁ、ココこんなに暗いと不便じゃない?元々は仲間とかが集う場所なんだろ?」
「光の聖女と光の勇者がいた頃に出来た場所だからだ。その頃にはまだ空に雲は無く太陽の光が届いて明るかった。それを計算して作った場所だからだ」
「それを計算して…」
確か光の聖女と勇者は何百年現れていないって。
「ちょっと待て!お前いったい幾つなんだよ」
「長すぎて忘れた。聖女と勇者が存在したのは約500年前だ。だから大体その位だな」
「……」
見た目で勝手に10~15歳差かと思ってたが、まさかの500年。
元の世界なら歴史上の人物。
今さらながら、これまでの太陽の態度は目上の人に対するそれではない。だって完全に動物だと思ってのだから。
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