【完結】壊された女神の箱庭ー姫と呼ばれていきなり異世界に連れ去られましたー

秋空花林

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第一章 銀狼は青に還りて

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ーーー


 薄暗い部屋に聞こるのは、ルースからのリップ音と、太陽自身の少し乱れた息づかいだけで。

 何だか2人だけが、世界から切り離されたみたいだった。

「ここは、感じる?」

 ルースの指が、太陽の胸の粒を優しく摘んだ。

「よく、わかりません。変な感じがします」

 ベッドに足を伸ばして座るルースの上に、太陽は向かい合わせで座っていた。先ほどからルースに胸を弄られながら、顔中に優しくキスされている。

 その行為が嬉しくて、恥ずかしくて、まともに彼の顔が見れない。

「こっちを見てセーヤ」

 羞恥に耐えて、恐る恐る目線を上げれば。彼の美しい黄緑の瞳と視線がぶつかった。そのまま顎を捉えられ、深くキスされる。

「ん、ふぁ」
「ん、可愛いよ。セーヤ、もっと僕に近づいて」

 ぐっと、腰を引き寄せられた。太陽の立ち上がりかけたソレに、ズボンの上からルースのモノが当たった。

 ルースのソコはズボンの上からでも分かる程、しっかりと芯を持っていた。

「あ、ルース、さん」
「分かる?君に興奮してる」

 微かにルースが腰を揺らす。その刺激が太陽にも伝わって、太陽のソコもつられる様に硬さを増した。

「触ってもいい?」
「…はい」

 自分の顔はもう真っ赤に違いない。ルースの顔がまともに見れなくて目をキュッと閉じながら太陽は頷いた。

 ゆっくりと、優しく、ルースの手がズボンの中に入って来た。ルースの手と共に、ねっとりとした感触の物が、太陽の大事なモノにまとわりついた。

「これ、オイル?」
「花から作った物だから身体に害はないよ」

 そう言ってルースは、優しく太陽のモノを手で包み動かして来た。

「あ、あ、待って、ルースさん」
「痛い?」
「じゃなくて、気持ち良すぎて」

 一瞬手を止めたルースは、太陽の言葉に微かに笑った。ゆらめく灯りに照らされるその表情がとてもセクシーで。

「今、硬くなった?」
「い、言わないでくださいっ」
「はは、ごめん。セーヤが可愛すぎて」

 ルースは口付けると、再び手を動かし始めた。快感が腰から這い上がってくる。

 『好きな人に触られる』という初めての体験に。少しの羞恥と、大きな幸福感に包まれながら。太陽はルースの愛撫に翻弄され続けた。



◇◇◇



 翌朝。

 珍しく小鳥の鳴き声で目が覚めた。

 窓の向こうには相変わらず厚い雲が広がっているが、外はだいぶ明るくなっていた。

 太陽が身を起こすと、腰回りに腕が回っているのが見えた。腕の主を見ると、太陽の隣で裸のルースが寝ていた。

 ルースと出会って4日目。

 彼の寝顔を見たのは初めてだった。

 すやすやと無防備に寝るその姿は、普段のお兄さんぽい彼より少し幼く見える。可愛い。そのギャップに胸がキュンとした。

 昨日は、約束してくれた通りルースは最後迄はしなかった。代わりにお互いに触り合ったり、向かい合って互いのを…。

 昨日の情事を思い出して、太陽は恥ずかしくなって顔を抑えて悶えた。

 ダメだ、経験が少ない自分では思い出す度に悶えてしまいそうだ。

 一旦ルースの腕をソッと外して太陽はベッドを降りた。脱ぎ捨てた服を着直す。

 昨日汚したアレコレは綺麗になっていた。多分ルースが浄化してくれたんだろうと思う。

 予定では明日ここから出発する。

 ルースはこの後も出かける筈だから、簡単に朝食を用意して起きるのを待とう思った。

 朝食の準備が出来た頃にルースが目を覚ました。ちょっと寝ぼけて目を擦っている仕草さえ愛しい。

「ありがとう。ご飯準備してくれたんだね。誰かに用意してもらうなんて、なかなか無いから嬉しいよ」

 その言葉に、そういえばルースはずっと旅をしていると聞いたけど、故郷に待ってる人はいないのかな?と気になった。

 そもそも自分はルースの事を何も知らない。

「セーヤ?どうかした?」
「あ、いえ。何でもないです。明日出発ですよね?何か準備しておく事はありますか?」
「そうだな。僕とセーヤの髪と目は目立つからね、明日出発前に魔法で一般的な茶色に変化させよう」
「すごい!魔法で見た目も変えられるんですね!これぞ魔法って感じですね」

 太陽の言葉にルースが、フハッと笑った。そんな事言う人に初めて会ったよ、と可笑しそうに笑っている。

 魔法の無い世界の人間からしたら、本当にこれぞ魔法って感じなんです!そう反論したかったが。

 楽しそうに笑うルースに胸がキュンとしたのと、何となく他の世界から来たとやはり言いづらくて。太陽は無言でむくれた。またそれがルースの笑いを誘った。

「もう!笑い過ぎですって。今日も俺は弓の練習をしていたらいいですか?」
「そうだね。ただその前に昨日の動物の肉を処理をしないとね。やり方を教えるから手伝ってくれる?」
「は、はい!」

 一昨日、獣からもらった肉は太陽が寝てる間にさばいて、すぐ食べれる様に加工してくれていたらしい。

 昨日ルースが帰って来たのが遅かったから今回の下処理は今からだ。

 ルースと一緒に小屋の裏へ回った。
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