30 / 75
第二部 乙女ゲーム?中等部編
8
しおりを挟む
月日が経つのは、あっという間だ。
とうとうオレは15歳を迎えた。
お父様やライバンが盛大に祝おうと言ってくれたけど。オレは丁重に断った。
貴族学校に入学して3年。いまや、すっかり学校内でも浮いた存在だ。スペッサやトンガリ君、ジェードとも距離が空いてる。
だから、呼べる友人もいない。寂しいけどね。
そして、更に月日は経ち、もうすぐ卒業パーティーを迎える。そこで婚約破棄をしてもらって。
オレはそのまま行方をくらますんだ。
その為の準備も沢山してきた。お金も貯めて、冒険者として生きる術も磨いた。
だから。少しでも未練は残したくないんだ。
◇◇◇
孤児院の扉を開けると、よう、とラナが手を上げて迎えてくれた。
今では、オレの居場所はココくらいしか無い。本当の自分でいられる、第二の家みたいだ。
「出発に必要な物はあらかた用意できたぜ」
「良かった。オレの方も予定通り、来週には出発出来るよ」
「あぁ、楽しみだな」
最近のラナとの話題は、2人で計画してる旅についてだ。ラナは17歳。オレは15歳。そろそろ、遠くへ旅をしてもおかしくない年だからな。
コンコンとノック音がして、孤児院に入って来た奴らがいた。
オレと同じ年頃の少年が3人と、数人の護衛騎士だった。
「リッチ…?」
ここ1、2年、この場所に姿を見せなかったリッチだった。
今ではすっかり逞しくなって、身長も170cm近い。顔立ちも凛々しさが備わってきていた。
「久しぶりリア。元気だった?」
泣きそうな、でも嬉しそうな笑顔で、リッチは近づいて来た。
リッチの。ジェードの笑顔を正面から見たのは本当に久しぶりで。オレは何だか胸がいっぱいで、言葉に詰まってしまった。
「おいおいリッチ、私達は紹介してくれないのか?」
聞き覚えのある声に、帽子越しに目線を向けると。茶髪に茶色目の意地悪そうな顔立ちのイケメン少年と、黒目黒髪のメガネの少年がいた。
ピカリと光るメガネがあまりにも特徴的なせいで、すぐに気づいた。メガネ君だって。なら側にいるのはネフリティス様だ。
オレは自然と身体が強張る。彼への苦手意識はいまだに拭えて無かった。
「悪かったよ。リア、ラナ。僕の友達を紹介するね。ネフとメガネだよ」
メガネ、に危うく吹き出しそうだった。多分偽名にしたかったんだろうけど。
「メガネ?そのまんまだな」
ラナの言葉に、また吹き出しそうになる。でもお陰で、緊張は解れた。
大丈夫。ココでは令嬢のヴィラトリアじゃない。普通のいつものオレでいいんだから。
「リアだ。よろしく」
「俺はラナだ。こっちのリアとパーティ仲間だ」
オレ達の名前を聞いてから、ネフとメガネもよろしくと言って来た。
「リッチ今日はどうしたの?」
「あ、ああ。オレの大事な…パーティ仲間を紹介したくて」
ほんのりリッチの頬が赤い。数年ぶりだからかパーティ仲間って言うのが恥ずかしいのかも。
「今日はこれから冒険に行くのか!?私はギルドも見たい!」
「ネフ落ち着け!」
興奮気味のネフを、メガネが抑えてる。多分、ギルドなんか行く機会が無いから興奮してるんだろう。
「いや、今日はー」
「これから向かうよ。な、ラナ」
オレは慌ててラナの言葉に被せた。本当は今日は買い物や打ち合わせに時間をあてるつもりだった。でも。オレが旅に出る事は、何となくリッチには内緒にしておきたかった。
止められたら、迷ってしまいそうだったから。
そんなオレの気持ちを察してくれたのか、ラナはじゃあ行くか、と腰を上げた。
そして、みすぼらしい少年のオレら2人と、立派な身なりの少年3人と、立派な護衛騎士というアベコベな組み合わせで、ゾロゾロとギルドに向かったのだった。
◇◇◇
「はっはっは!そら行け!」
ネフから放たれた凄まじい炎の渦たちが、熊を丸こげにした。そこに、太い土槍が襲ブッ刺さって、熊は倒れた。
森に入るなり、護衛達の言う事も聞かず、ネフが魔法をぶっ放す。ぶっ放す。お前もやれと言われ、メガネ君も土魔法の中魔法をぶっ放してた。
「…これ俺らいらないだろう」
ラナが呆れてる。それもその筈。
貴族でも位の高い奴らなら、魔法の性能も魔力量も桁違いだ。魔法の使えないラナや、ショボイ魔法しか使えないオレなんかお呼びじゃ無い。
「ごめんね。あの2人も普段からウップンが溜まっててさ」
リッチが申し訳なさそうに謝ってきた。
その言葉に、オレはちょっとの違和感を感じる。
「見てる分にはネフはそんな気疲れしそうにないけど。メガネは何かこき使われてそうだね」
「ははっ、確かに」
リッチが思い当たる節があったみたいで、楽しそうに笑った。
「確かにメガネはこき使われてるかもね。でもネフも色々さ、僕の為とか、周りの為とか、意外に気遣いしてくれるんだ」
「ふーん」
正直、ネフやメガネの事は興味が無かった。オレから…ヴィラトリアから、親しかった人を奪って孤立させた人間。そんな風に見えてたから。
隣を歩くリッチが、でも、と話を続けてきた。
「それも、もうすぐ落ち着きそうなんだ。僕もやっと役割から解放される」
「役割?」
「うん。ずっと嫌で嫌で仕方なかったんだけどね。来週にはカタが付きそうなんだ」
ドキリとした。
来週、カタが付く。きっと婚約破棄の事だ。
『嫌で嫌で仕方なかった』
リッチの言葉が頭で反芻する。
そんなに嫌だった? 少なくともオレは、相手がお前で良かったと思ってた。
婚約解消の話をしたあの日から、勝手に同じ目的を持った戦友みたいな気持ちでいたし。目的の為とはいえ、学校内で距離ができた事に淋しさを感じてた。
でも、お前はそうじゃなかったんだな。
気持ちが暗く沈む。
「ねぇ来週、大事な話があるんだけどー」
リッチがまだ何か言ってたけど、頭には入って来なかった。
「王子!逃げて下さい!」
「それは魔物です!」
突然、護衛達が叫んだ。控えていた護衛騎士達が、ネフリティスを守る様に前に躍り出る。
正面には、土槍が刺さった状態にも関わらず、立った状態のウルフがいた。
いや、頭に歪な形で角が生えているから、正確には悪しきエネルギーから生まれた魔物だ。普通のウルフとは全然強さが違う!
「アイツ王子だったのかよ!」
ラナが呆れながら大剣を構えた。護衛のほとんどが王子とメガネの方を囲んだので、オレらはリッチを守る様に臨戦体制をとる。
騎士が魔物の相手をしている間に、ネフとメガネがこっち側へやって来た。見た事も無い魔物に、珍しく慌てふためいている。
「何で魔物がいるんだ!?この場所は安全じゃ無かったのか!?」
「本来はいませんでしたよ。多分、悪しきエネルギーが強まってるんです」
オレの言葉に、ネフは頭を抱える。
「まさか、本当に悪しきエネルギーが!?」
ネフの顔色は悪い。
逆にその言葉が不思議だった。一年の時に、シレネが聖属性を開花させた。それから彼女は『遣わされし聖なる乙女』の再来だと噂されていた筈だ。
「ネフ、とりあえず城に戻って報告しよう」
「あぁ。一度この場所を偵察させないと」
メガネ君と2人、頷きあってる。もう姿を偽る余裕も無いみたいだ。その時、騎士達が相手にしていた魔物が咆哮を上げた。
ビリビリ、と空気を振るわせる衝撃が走った。これは…この魔物特有のスキルで、咆哮を聞いた者の動きを止める技だ。
マズい、と思った時には遅かった。
魔物にはある特徴がある。
絶命する前に、 1番ヘイトを稼いだ奴を狙う、と言われている。
そして、この魔物も例外ではなかった。
護衛騎士達が奴を討ち取る寸前。魔物は頭を振りかぶって、角を飛ばして来た。
そしてそれは真っ直ぐ、ネフを狙って飛んだ。
オレは正直言うとネフリティスが嫌いだ。
権力を振りかざしてオレを脅して来たし。
大切な人達をオレから奪った。
だけど。
この国唯一の王子で。
ジェードにとって大事な従兄弟で。
そして、オレは闇属性で耐性があって。
多分この中で唯一動けるのがオレだけだったんだ。
「ゔっ、が…」
「リア!」
遠のく意識に悲痛なリッチの叫び声が聞こえた。背中が熱い。ごふっ、と口から何かが溢れ出た。
「其方…何故」
目の前には、信じられないとでも言う様に、愕然とした表情のネフがいた。
そう。オレは魔物の角がネフに届く前に、ネフの前に飛び出した。そして背中から突き刺さった角が、多分腹辺りを貫通してるだろう。
でも痛いというより、熱くて、意識が朦朧として眼前が暗くなってくる。
「おい!死ぬな、おい!」
「誰か、回復薬を!」
「リア!リア!」
馬鹿やろう。王族がこんな所にノコノコ来るんじゃない…みんなが、気を使うだろう…。
言いたい事を言う暇もなく。
オレは意識を手放した。
とうとうオレは15歳を迎えた。
お父様やライバンが盛大に祝おうと言ってくれたけど。オレは丁重に断った。
貴族学校に入学して3年。いまや、すっかり学校内でも浮いた存在だ。スペッサやトンガリ君、ジェードとも距離が空いてる。
だから、呼べる友人もいない。寂しいけどね。
そして、更に月日は経ち、もうすぐ卒業パーティーを迎える。そこで婚約破棄をしてもらって。
オレはそのまま行方をくらますんだ。
その為の準備も沢山してきた。お金も貯めて、冒険者として生きる術も磨いた。
だから。少しでも未練は残したくないんだ。
◇◇◇
孤児院の扉を開けると、よう、とラナが手を上げて迎えてくれた。
今では、オレの居場所はココくらいしか無い。本当の自分でいられる、第二の家みたいだ。
「出発に必要な物はあらかた用意できたぜ」
「良かった。オレの方も予定通り、来週には出発出来るよ」
「あぁ、楽しみだな」
最近のラナとの話題は、2人で計画してる旅についてだ。ラナは17歳。オレは15歳。そろそろ、遠くへ旅をしてもおかしくない年だからな。
コンコンとノック音がして、孤児院に入って来た奴らがいた。
オレと同じ年頃の少年が3人と、数人の護衛騎士だった。
「リッチ…?」
ここ1、2年、この場所に姿を見せなかったリッチだった。
今ではすっかり逞しくなって、身長も170cm近い。顔立ちも凛々しさが備わってきていた。
「久しぶりリア。元気だった?」
泣きそうな、でも嬉しそうな笑顔で、リッチは近づいて来た。
リッチの。ジェードの笑顔を正面から見たのは本当に久しぶりで。オレは何だか胸がいっぱいで、言葉に詰まってしまった。
「おいおいリッチ、私達は紹介してくれないのか?」
聞き覚えのある声に、帽子越しに目線を向けると。茶髪に茶色目の意地悪そうな顔立ちのイケメン少年と、黒目黒髪のメガネの少年がいた。
ピカリと光るメガネがあまりにも特徴的なせいで、すぐに気づいた。メガネ君だって。なら側にいるのはネフリティス様だ。
オレは自然と身体が強張る。彼への苦手意識はいまだに拭えて無かった。
「悪かったよ。リア、ラナ。僕の友達を紹介するね。ネフとメガネだよ」
メガネ、に危うく吹き出しそうだった。多分偽名にしたかったんだろうけど。
「メガネ?そのまんまだな」
ラナの言葉に、また吹き出しそうになる。でもお陰で、緊張は解れた。
大丈夫。ココでは令嬢のヴィラトリアじゃない。普通のいつものオレでいいんだから。
「リアだ。よろしく」
「俺はラナだ。こっちのリアとパーティ仲間だ」
オレ達の名前を聞いてから、ネフとメガネもよろしくと言って来た。
「リッチ今日はどうしたの?」
「あ、ああ。オレの大事な…パーティ仲間を紹介したくて」
ほんのりリッチの頬が赤い。数年ぶりだからかパーティ仲間って言うのが恥ずかしいのかも。
「今日はこれから冒険に行くのか!?私はギルドも見たい!」
「ネフ落ち着け!」
興奮気味のネフを、メガネが抑えてる。多分、ギルドなんか行く機会が無いから興奮してるんだろう。
「いや、今日はー」
「これから向かうよ。な、ラナ」
オレは慌ててラナの言葉に被せた。本当は今日は買い物や打ち合わせに時間をあてるつもりだった。でも。オレが旅に出る事は、何となくリッチには内緒にしておきたかった。
止められたら、迷ってしまいそうだったから。
そんなオレの気持ちを察してくれたのか、ラナはじゃあ行くか、と腰を上げた。
そして、みすぼらしい少年のオレら2人と、立派な身なりの少年3人と、立派な護衛騎士というアベコベな組み合わせで、ゾロゾロとギルドに向かったのだった。
◇◇◇
「はっはっは!そら行け!」
ネフから放たれた凄まじい炎の渦たちが、熊を丸こげにした。そこに、太い土槍が襲ブッ刺さって、熊は倒れた。
森に入るなり、護衛達の言う事も聞かず、ネフが魔法をぶっ放す。ぶっ放す。お前もやれと言われ、メガネ君も土魔法の中魔法をぶっ放してた。
「…これ俺らいらないだろう」
ラナが呆れてる。それもその筈。
貴族でも位の高い奴らなら、魔法の性能も魔力量も桁違いだ。魔法の使えないラナや、ショボイ魔法しか使えないオレなんかお呼びじゃ無い。
「ごめんね。あの2人も普段からウップンが溜まっててさ」
リッチが申し訳なさそうに謝ってきた。
その言葉に、オレはちょっとの違和感を感じる。
「見てる分にはネフはそんな気疲れしそうにないけど。メガネは何かこき使われてそうだね」
「ははっ、確かに」
リッチが思い当たる節があったみたいで、楽しそうに笑った。
「確かにメガネはこき使われてるかもね。でもネフも色々さ、僕の為とか、周りの為とか、意外に気遣いしてくれるんだ」
「ふーん」
正直、ネフやメガネの事は興味が無かった。オレから…ヴィラトリアから、親しかった人を奪って孤立させた人間。そんな風に見えてたから。
隣を歩くリッチが、でも、と話を続けてきた。
「それも、もうすぐ落ち着きそうなんだ。僕もやっと役割から解放される」
「役割?」
「うん。ずっと嫌で嫌で仕方なかったんだけどね。来週にはカタが付きそうなんだ」
ドキリとした。
来週、カタが付く。きっと婚約破棄の事だ。
『嫌で嫌で仕方なかった』
リッチの言葉が頭で反芻する。
そんなに嫌だった? 少なくともオレは、相手がお前で良かったと思ってた。
婚約解消の話をしたあの日から、勝手に同じ目的を持った戦友みたいな気持ちでいたし。目的の為とはいえ、学校内で距離ができた事に淋しさを感じてた。
でも、お前はそうじゃなかったんだな。
気持ちが暗く沈む。
「ねぇ来週、大事な話があるんだけどー」
リッチがまだ何か言ってたけど、頭には入って来なかった。
「王子!逃げて下さい!」
「それは魔物です!」
突然、護衛達が叫んだ。控えていた護衛騎士達が、ネフリティスを守る様に前に躍り出る。
正面には、土槍が刺さった状態にも関わらず、立った状態のウルフがいた。
いや、頭に歪な形で角が生えているから、正確には悪しきエネルギーから生まれた魔物だ。普通のウルフとは全然強さが違う!
「アイツ王子だったのかよ!」
ラナが呆れながら大剣を構えた。護衛のほとんどが王子とメガネの方を囲んだので、オレらはリッチを守る様に臨戦体制をとる。
騎士が魔物の相手をしている間に、ネフとメガネがこっち側へやって来た。見た事も無い魔物に、珍しく慌てふためいている。
「何で魔物がいるんだ!?この場所は安全じゃ無かったのか!?」
「本来はいませんでしたよ。多分、悪しきエネルギーが強まってるんです」
オレの言葉に、ネフは頭を抱える。
「まさか、本当に悪しきエネルギーが!?」
ネフの顔色は悪い。
逆にその言葉が不思議だった。一年の時に、シレネが聖属性を開花させた。それから彼女は『遣わされし聖なる乙女』の再来だと噂されていた筈だ。
「ネフ、とりあえず城に戻って報告しよう」
「あぁ。一度この場所を偵察させないと」
メガネ君と2人、頷きあってる。もう姿を偽る余裕も無いみたいだ。その時、騎士達が相手にしていた魔物が咆哮を上げた。
ビリビリ、と空気を振るわせる衝撃が走った。これは…この魔物特有のスキルで、咆哮を聞いた者の動きを止める技だ。
マズい、と思った時には遅かった。
魔物にはある特徴がある。
絶命する前に、 1番ヘイトを稼いだ奴を狙う、と言われている。
そして、この魔物も例外ではなかった。
護衛騎士達が奴を討ち取る寸前。魔物は頭を振りかぶって、角を飛ばして来た。
そしてそれは真っ直ぐ、ネフを狙って飛んだ。
オレは正直言うとネフリティスが嫌いだ。
権力を振りかざしてオレを脅して来たし。
大切な人達をオレから奪った。
だけど。
この国唯一の王子で。
ジェードにとって大事な従兄弟で。
そして、オレは闇属性で耐性があって。
多分この中で唯一動けるのがオレだけだったんだ。
「ゔっ、が…」
「リア!」
遠のく意識に悲痛なリッチの叫び声が聞こえた。背中が熱い。ごふっ、と口から何かが溢れ出た。
「其方…何故」
目の前には、信じられないとでも言う様に、愕然とした表情のネフがいた。
そう。オレは魔物の角がネフに届く前に、ネフの前に飛び出した。そして背中から突き刺さった角が、多分腹辺りを貫通してるだろう。
でも痛いというより、熱くて、意識が朦朧として眼前が暗くなってくる。
「おい!死ぬな、おい!」
「誰か、回復薬を!」
「リア!リア!」
馬鹿やろう。王族がこんな所にノコノコ来るんじゃない…みんなが、気を使うだろう…。
言いたい事を言う暇もなく。
オレは意識を手放した。
848
お気に入りに追加
1,651
あなたにおすすめの小説
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
【完結】僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。
⭐︎表紙イラストは針山糸様に描いていただきました
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。

不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。

婚約者の恋
うりぼう
BL
親が決めた婚約者に突然婚約を破棄したいと言われた。
そんな時、俺は「前世」の記憶を取り戻した!
婚約破棄?
どうぞどうぞ
それよりも魔法と剣の世界を楽しみたい!
……のになんで王子はしつこく追いかけてくるんですかね?
そんな主人公のお話。
※異世界転生
※エセファンタジー
※なんちゃって王室
※なんちゃって魔法
※婚約破棄
※婚約解消を解消
※みんなちょろい
※普通に日本食出てきます
※とんでも展開
※細かいツッコミはなしでお願いします
※勇者の料理番とほんの少しだけリンクしてます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる