18 / 55
第一部 ここって乙女ゲームの世界らしい
16
しおりを挟む
「ヴィラトリアですの。よろしくお願いします。ジェード様」
「こちらこそ、よろしくね」
心臓バクバクで挨拶したものの。リッチ…いや、ジェードはまるでよそ行き顔の爽やかスマイルで、返事して来た。
もしかして…バレてない?
顔はモロ同じだけど、黒髪黒目と銀髪紫目では受ける印象が違うからだろうか?しかも名乗ってる性別も違うし。
「ヴィラ、せっかくだからジェード様にお庭をお見せなさいな」
「はいですの」
この家の実質家長ベルデラの命により、オレはジェードを本宅の庭へ案内した。
といっても、オレ自身、ほとんど来たことないけどね。
「綺麗な庭だね」
「はいですの。ベルデラ様が大事にされてるんですの」
「そう」
ジェードは花を見ながらも、チラチラオレを見て来る。何か言いたげだ。
もしかして、リアだってバレた?
ドキドキしながら散策をしていると、庭園にあるベンチの側まで来た。ちょっと休憩しようと勧められて互いに腰掛ける。
ジェードは2人だけで話したいから、と護衛を少し離れた所へ待機させた。
「ヴィラトリア嬢は、その。この婚約の事をどう考えている?」
「と、言いますと?」
「君は納得してるんだろうか?」
してる訳ないだろ!オレ男なんだから!
心の中で叫びつつ、顔では笑顔を作る。嘘でも肯定しないと、ベルデラにバレたら怖いからな!
「小さい時にお父様に勝手に決められましたの。肯定も否定も出来る訳ないですの」
おっと、つい本音が出ちゃったよ。
「ヴィラトリア嬢もそう思う?実は僕もそう思ってたんだ」
「まぁ、そうですの?」
「だから、その、もしお互いに好きな相手が出来てしまったら。その時は尊重し合わないか?」
「……どういう意味ですの?」
つまり?
「僕か君。どちらかに好きな相手が出来たら、円満に婚約を解消してほしいんだ」
「…っ!喜んで!」
「いいのかい?ありがとう!」
オレとジェードは手を取り合って意気投合した。
やった!これは婚約破棄できる日も近い!
「僕が10歳になったら、互いに親交を深めさせる為、定期的に交流しないといけないと思うんだ」
「そうなんですの?面倒ですの」
「君もそう思う?だけどうまくいってると見せかける為、それはこなした方がいいと思うんだ」
「わかりましたの」
それからオレ達は、いざという日の為に、表面上は仲良くしていこうと話し合った。
建設的な話し合いに満足して本宅に戻ると、お祝いに来てくれた客達に囲まれた。口々にオレやジェードがお似合いだとか、可愛いとか褒めてくる。
絶世のチビ美女と爽やかイケメンちびっ子だからね。そりゃお似合いだろう。どっちも男だけど。
大人達からの賛辞に辟易していると、その間を割って近づいて来たちびっ子がいた。
スペッサだ!
「ヴィラ~!改めてお誕生日おめでとう~」
ぎゅう~とオレに抱きついてくる。ふわふわ髪で可愛いスペッサはオレの癒しだ。オレもお礼を言いながらスペッサを、ぎゅう~と抱きしめ返した。
周囲の大人が、可愛すぎるとほっこりしている。スペッサの可愛さにみんなメロメロだ。
「…ヴィラ嬢から離れろ」
怒った声が聞こえたと思ったら、今度はトンガリ君がやって来た。
「なぁにトンガリ君、嫉妬してるの~?」
オレに抱きついたまま、スペッサがコテンと首を傾げた。その仕草もあざといけど、可愛いから許す。
「誰がトンガリ君だ!俺の名はロードだ!それより、いい加減、令嬢から離れろ。ふしだらだ!」
トンガリ君はまだ10歳なのに随分古風だ。まだ10歳同士の抱擁なんて、子供のスキンシップだろう。
「トンガリ君、ワタクシは気にしませんの」
「ヴィラ嬢が良くても…俺が…周りが気にする」
「何でヴィラのトンガリ君呼びは許すの~?」
「うるさい!お前はダメだ!」
スペッサとトンガリ君が、いがみ合っている。この2人はどうも犬猿の仲みたいだ。
「ヴィラトリア嬢。彼らは君の友達?」
空気と化していたジェードが声をかけて来た。やばい。放置してたのをベルデラにバレたら怒られる。
「はい。ワタクシの友達のスペッサと、お兄様の友達のトンガリ君です」
「ヴィラの友達のスペッサ・ガーネットだよ!よろしくね~」
「ライバンとヴィラ嬢の友人のロード・コーラルだ。お前は?」
スペッサは笑顔で、トンガリ君は不機嫌そうにジェードを見つめる。気のせいか空気が不穏?
「僕はヴィラトリア嬢の婚約者のジェード・ネフライト。よろしくね」
「なっ!婚約者だと!?」
「うそ!ヴィラ、婚約してたの~!?ボクという者がありながら~!」
トンガリ君とスペッサに詰め寄られた。
何で?どうして!?
「はは、ヴィラトリア嬢はモテるね」
これは婚約解消する日も近いかな?とニコニコするジェードの背後から。
ラスボス、ベルデラが現れた!
「ヴィラ?これは一体どういう事かしら?」
「ワ、ワタクシにも何のことか」
右腕にトンガリ君。左腕にスペッサが抱きついている。婚約者のジェードは放置状態。これ、絶対まずい!
そこに、兄のライバンが現れた!
「お母様!ヴィラは悪くありません!」
「お兄様…」
ライバンの擁護に感動で涙が出そうだ。
「ヴィラが悪いんじゃない。ヴィラの可愛さが罪なんです!」
「へ?」
「ヴィラ。お前はお兄様が守ってやるからな」
そう言って、ライバンは背後からオレを優しく抱擁した。
バカバカバカ!そんな事したら…。
オレの正面に影がさす。見なくても分かる!この憤怒のオーラ。ベルデラだ!
「ヴィラ。奥に来なさい…」
「ワタクシは無実ですの~ベルデラ様~」
半泣き状態のオレはベルデラに引きずられる様に奥の部屋に連れ込まれ。案の定、淑女としての自覚を延々と説教されたのだった。
ちなみに。
自分の誕生日パーティーに婚約者以外の男の子達に言い寄られ、正妻に連行された愛人の子、という醜態を晒したオレは。
集まっていた噂好きの貴族共に、小さな銀髪の小悪魔、というあだ名がつけられ。
順調に悪役令嬢への道をスタートさせたのだった(?)
「こちらこそ、よろしくね」
心臓バクバクで挨拶したものの。リッチ…いや、ジェードはまるでよそ行き顔の爽やかスマイルで、返事して来た。
もしかして…バレてない?
顔はモロ同じだけど、黒髪黒目と銀髪紫目では受ける印象が違うからだろうか?しかも名乗ってる性別も違うし。
「ヴィラ、せっかくだからジェード様にお庭をお見せなさいな」
「はいですの」
この家の実質家長ベルデラの命により、オレはジェードを本宅の庭へ案内した。
といっても、オレ自身、ほとんど来たことないけどね。
「綺麗な庭だね」
「はいですの。ベルデラ様が大事にされてるんですの」
「そう」
ジェードは花を見ながらも、チラチラオレを見て来る。何か言いたげだ。
もしかして、リアだってバレた?
ドキドキしながら散策をしていると、庭園にあるベンチの側まで来た。ちょっと休憩しようと勧められて互いに腰掛ける。
ジェードは2人だけで話したいから、と護衛を少し離れた所へ待機させた。
「ヴィラトリア嬢は、その。この婚約の事をどう考えている?」
「と、言いますと?」
「君は納得してるんだろうか?」
してる訳ないだろ!オレ男なんだから!
心の中で叫びつつ、顔では笑顔を作る。嘘でも肯定しないと、ベルデラにバレたら怖いからな!
「小さい時にお父様に勝手に決められましたの。肯定も否定も出来る訳ないですの」
おっと、つい本音が出ちゃったよ。
「ヴィラトリア嬢もそう思う?実は僕もそう思ってたんだ」
「まぁ、そうですの?」
「だから、その、もしお互いに好きな相手が出来てしまったら。その時は尊重し合わないか?」
「……どういう意味ですの?」
つまり?
「僕か君。どちらかに好きな相手が出来たら、円満に婚約を解消してほしいんだ」
「…っ!喜んで!」
「いいのかい?ありがとう!」
オレとジェードは手を取り合って意気投合した。
やった!これは婚約破棄できる日も近い!
「僕が10歳になったら、互いに親交を深めさせる為、定期的に交流しないといけないと思うんだ」
「そうなんですの?面倒ですの」
「君もそう思う?だけどうまくいってると見せかける為、それはこなした方がいいと思うんだ」
「わかりましたの」
それからオレ達は、いざという日の為に、表面上は仲良くしていこうと話し合った。
建設的な話し合いに満足して本宅に戻ると、お祝いに来てくれた客達に囲まれた。口々にオレやジェードがお似合いだとか、可愛いとか褒めてくる。
絶世のチビ美女と爽やかイケメンちびっ子だからね。そりゃお似合いだろう。どっちも男だけど。
大人達からの賛辞に辟易していると、その間を割って近づいて来たちびっ子がいた。
スペッサだ!
「ヴィラ~!改めてお誕生日おめでとう~」
ぎゅう~とオレに抱きついてくる。ふわふわ髪で可愛いスペッサはオレの癒しだ。オレもお礼を言いながらスペッサを、ぎゅう~と抱きしめ返した。
周囲の大人が、可愛すぎるとほっこりしている。スペッサの可愛さにみんなメロメロだ。
「…ヴィラ嬢から離れろ」
怒った声が聞こえたと思ったら、今度はトンガリ君がやって来た。
「なぁにトンガリ君、嫉妬してるの~?」
オレに抱きついたまま、スペッサがコテンと首を傾げた。その仕草もあざといけど、可愛いから許す。
「誰がトンガリ君だ!俺の名はロードだ!それより、いい加減、令嬢から離れろ。ふしだらだ!」
トンガリ君はまだ10歳なのに随分古風だ。まだ10歳同士の抱擁なんて、子供のスキンシップだろう。
「トンガリ君、ワタクシは気にしませんの」
「ヴィラ嬢が良くても…俺が…周りが気にする」
「何でヴィラのトンガリ君呼びは許すの~?」
「うるさい!お前はダメだ!」
スペッサとトンガリ君が、いがみ合っている。この2人はどうも犬猿の仲みたいだ。
「ヴィラトリア嬢。彼らは君の友達?」
空気と化していたジェードが声をかけて来た。やばい。放置してたのをベルデラにバレたら怒られる。
「はい。ワタクシの友達のスペッサと、お兄様の友達のトンガリ君です」
「ヴィラの友達のスペッサ・ガーネットだよ!よろしくね~」
「ライバンとヴィラ嬢の友人のロード・コーラルだ。お前は?」
スペッサは笑顔で、トンガリ君は不機嫌そうにジェードを見つめる。気のせいか空気が不穏?
「僕はヴィラトリア嬢の婚約者のジェード・ネフライト。よろしくね」
「なっ!婚約者だと!?」
「うそ!ヴィラ、婚約してたの~!?ボクという者がありながら~!」
トンガリ君とスペッサに詰め寄られた。
何で?どうして!?
「はは、ヴィラトリア嬢はモテるね」
これは婚約解消する日も近いかな?とニコニコするジェードの背後から。
ラスボス、ベルデラが現れた!
「ヴィラ?これは一体どういう事かしら?」
「ワ、ワタクシにも何のことか」
右腕にトンガリ君。左腕にスペッサが抱きついている。婚約者のジェードは放置状態。これ、絶対まずい!
そこに、兄のライバンが現れた!
「お母様!ヴィラは悪くありません!」
「お兄様…」
ライバンの擁護に感動で涙が出そうだ。
「ヴィラが悪いんじゃない。ヴィラの可愛さが罪なんです!」
「へ?」
「ヴィラ。お前はお兄様が守ってやるからな」
そう言って、ライバンは背後からオレを優しく抱擁した。
バカバカバカ!そんな事したら…。
オレの正面に影がさす。見なくても分かる!この憤怒のオーラ。ベルデラだ!
「ヴィラ。奥に来なさい…」
「ワタクシは無実ですの~ベルデラ様~」
半泣き状態のオレはベルデラに引きずられる様に奥の部屋に連れ込まれ。案の定、淑女としての自覚を延々と説教されたのだった。
ちなみに。
自分の誕生日パーティーに婚約者以外の男の子達に言い寄られ、正妻に連行された愛人の子、という醜態を晒したオレは。
集まっていた噂好きの貴族共に、小さな銀髪の小悪魔、というあだ名がつけられ。
順調に悪役令嬢への道をスタートさせたのだった(?)
545
お気に入りに追加
976
あなたにおすすめの小説
主人公は俺狙い?!
suzu
BL
生まれた時から前世の記憶が朧げにある公爵令息、アイオライト=オブシディアン。
容姿は美麗、頭脳も完璧、気遣いもできる、ただ人への態度が冷たい冷血なイメージだったため彼は「細雪な貴公子」そう呼ばれた。氷のように硬いイメージはないが水のように優しいイメージもない。
だが、アイオライトはそんなイメージとは反対に単純で鈍かったり焦ってきつい言葉を言ってしまう。
朧げであるがために時間が経つと記憶はほとんど無くなっていた。
15歳になると学園に通うのがこの世界の義務。
学園で「インカローズ」を見た時、主人公(?!)と直感で感じた。
彼は、白銀の髪に淡いピンク色の瞳を持つ愛らしい容姿をしており、BLゲームとかの主人公みたいだと、そう考える他なかった。
そして自分も攻略対象や悪役なのではないかと考えた。地位も高いし、色々凄いところがあるし、見た目も黒髪と青紫の瞳を持っていて整っているし、
面倒事、それもBL(多分)とか無理!!
そう考え近づかないようにしていた。
そんなアイオライトだったがインカローズや絶対攻略対象だろっ、という人と嫌でも鉢合わせしてしまう。
ハプニングだらけの学園生活!
BL作品中の可愛い主人公×ハチャメチャ悪役令息
※文章うるさいです
※背後注意
謎の死を遂げる予定の我儘悪役令息ですが、義兄が離してくれません
柴傘
BL
ミーシャ・ルリアン、4歳。
父が連れてきた僕の義兄になる人を見た瞬間、突然前世の記憶を思い出した。
あれ、僕ってばBL小説の悪役令息じゃない?
前世での愛読書だったBL小説の悪役令息であるミーシャは、義兄である主人公を出会った頃から蛇蝎のように嫌いイジメを繰り返し最終的には謎の死を遂げる。
そんなの絶対に嫌だ!そう思ったけれど、なぜか僕は理性が非常によわよわで直ぐにキレてしまう困った体質だった。
「おまえもクビ!おまえもだ!あしたから顔をみせるなー!」
今日も今日とて理不尽な理由で使用人を解雇しまくり。けれどそんな僕を見ても、主人公はずっとニコニコしている。
「おはようミーシャ、今日も元気だね」
あまつさえ僕を抱き上げ頬擦りして、可愛い可愛いと連呼する。あれれ?お兄様、全然キャラ違くない?
義弟が色々な意味で可愛くて仕方ない溺愛執着攻め×怒りの沸点ド底辺理性よわよわショタ受け
9/2以降不定期更新
身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!
冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。
「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」
前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて……
演技チャラ男攻め×美人人間不信受け
※最終的にはハッピーエンドです
※何かしら地雷のある方にはお勧めしません
※ムーンライトノベルズにも投稿しています
婚約者の恋
うりぼう
BL
親が決めた婚約者に突然婚約を破棄したいと言われた。
そんな時、俺は「前世」の記憶を取り戻した!
婚約破棄?
どうぞどうぞ
それよりも魔法と剣の世界を楽しみたい!
……のになんで王子はしつこく追いかけてくるんですかね?
そんな主人公のお話。
※異世界転生
※エセファンタジー
※なんちゃって王室
※なんちゃって魔法
※婚約破棄
※婚約解消を解消
※みんなちょろい
※普通に日本食出てきます
※とんでも展開
※細かいツッコミはなしでお願いします
※勇者の料理番とほんの少しだけリンクしてます
姫を拐ったはずが勇者を拐ってしまった魔王
ミクリ21
BL
姫が拐われた!
……と思って慌てた皆は、姫が無事なのをみて安心する。
しかし、魔王は確かに誰かを拐っていった。
誰が拐われたのかを調べる皆。
一方魔王は?
「姫じゃなくて勇者なんだが」
「え?」
姫を拐ったはずが、勇者を拐ったのだった!?
悪役令息の死ぬ前に
ゆるり
BL
「あんたら全員最高の馬鹿だ」
ある日、高貴な血筋に生まれた公爵令息であるラインハルト・ニーチェ・デ・サヴォイアが突如として婚約者によって破棄されるという衝撃的な出来事が起こった。
彼が愛し、心から信じていた相手の裏切りに、しかもその新たな相手が自分の義弟だということに彼の心は深く傷ついた。
さらに冤罪をかけられたラインハルトは公爵家の自室に幽閉され、数日後、シーツで作った縄で首を吊っているのを発見された。
青年たちは、ラインハルトの遺体を抱きしめる男からその話を聞いた。その青年たちこそ、マークの元婚約者と義弟とその友人である。
「真実も分からないクセに分かった風になっているガキがいたからラインは死んだんだ」
男によって過去に戻された青年たちは「真実」を見つけられるのか。
なぜか第三王子と結婚することになりました
鳳来 悠
BL
第三王子が婚約破棄したらしい。そしておれに急に婚約話がやってきた。……そこまではいい。しかし何でその相手が王子なの!?会ったことなんて数えるほどしか───って、え、おれもよく知ってるやつ?身分偽ってたぁ!?
こうして結婚せざるを得ない状況になりました…………。
金髪碧眼王子様×黒髪無自覚美人です
ハッピーエンドにするつもり
長編とありますが、あまり長くはならないようにする予定です
人生二度目の悪役令息は、ヤンデレ義弟に執着されて逃げられない
佐倉海斗
BL
王国を敵に回し、悪役と罵られ、恥を知れと煽られても気にしなかった。死に際は貴族らしく散ってやるつもりだった。――それなのに、最後に義弟の泣き顔を見たのがいけなかったんだろう。まだ、生きてみたいと思ってしまった。
一度、死んだはずだった。
それなのに、四年前に戻っていた。
どうやら、やり直しの機会を与えられたらしい。しかも、二度目の人生を与えられたのは俺だけではないようだ。
※悪役令息(主人公)が受けになります。
※ヤンデレ執着義弟×元悪役義兄(主人公)です。
※主人公に好意を抱く登場人物は複数いますが、固定CPです。それ以外のCPは本編完結後のIFストーリーとして書くかもしれませんが、約束はできません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる