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第1部 呪いの館 復讐編
8話
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次はキミの番。
微笑んだ怜が桃を見ながら告げた。
桃が泣き叫びながらドアを開け飛び出す。
すぐに勇輝が追いかけて、桃の腰をつかみ、肩に担いだ。桃が暴れるがビクともしない。
一方、華も怜に腕を掴まれ、逃げれない状態になっていた。
そのまま残りの部屋へ移動する。
中は他の2つと作りはあまり変わらないが、色合いが赤とピンクがメインだった。
ベッドやタンスなどに、優美な飾りが施され、この部屋の持ち主が女性である事が推測された。
「いや!やめて勇くん!どうしてこんな事するの!?」
暴れる桃を意にかいさず、勇輝は桃を担いだまま、ベッドへ向かいそこで止まった。
「な、何?」
急に立ち止まった勇輝の行動に、桃は更にパニックになった。もう顔は涙なのか鼻水なのかわからない状態でボロボロだ。
勇輝がベッドに桃をおろす。
ベッドにはシーツが敷かれ、夏用の薄手のカバーがかけられていた。
すると今まで真っ平だったベッドのカバーが、少しずつ、盛り上がっていく。まるで何もなかった所から、人が這い出て来たかの様にー。
叫びたいのに、恐怖で喉が貼り付いて声は出ない。手足も身体もガタガタ震えて動かない。
何かいるー。
そう思った瞬間、カバーの中から伸びて来た手が桃の腕を掴み。力強く桃を中に引き込んだ。
◇◇◇
「イヤァー!!」
部屋の入り口付近で、怜に腕を掴まれたまま、華は桃がシーツに引き込まれる光景を見ていた。
「桃ちゃん…」
シーツの中から桃の悲鳴が聞こえてくる。
華も涙と鼻水でボロボロだった。
勇輝も怜も桃も幽霊らしき物に捕まって、取り憑かれてしまった。本当の所はわからないが、少なくとも華にはそう見えていた。
「華」
ふいに名前を呼ばれ、側に立つ怜を見上げる。
華を見つめる瞳は切長の黒い瞳。いつもの怜の目だった。
「これから僕達は…おかしい行動をするかもしれない…」
真剣な目が華を見つめる。華の腕を握る手にも力がこもった。
「華を守るつもりだけど…もしに危害を加えそうなったら…僕等から逃げて…」
「怜ちゃん…」
怜の言葉に息を飲む。
苦しそうな表情をしている怜を見つめていると、突如後ろから引っ張っられる。そのまま背後から抱きしめられた。
ここで怜以外で動けるのは、今1人しかいない。様子のおかしい勇輝だ。華の身体が強張る。
「怖い思いをさせてごめんな」
後ろから、勇輝の辛そうな声が聞こえた。
「もしかしたら、もう言えないかもしれないから。今言っておく…」
ギュッと華を抱きしめる腕に力がこもる。
「華の事が…好きだ」
勇輝が小さく呟いた。
「本当はもっと雰囲気の良いとこで言うつもりだったけど…。なんか俺、自分が自分じゃなくなりそうで…身体がおかしいんだ…」
小さく震えた声だった。
思わず勇輝を振り返った。
泣きそうな表情がそこにあった。瞳はいつもの焦茶色に戻っている。
「こんな事に巻き込んで…ごめんな。返事はもし無事に…ココを出れたら…聞かせて…」
そう言って、勇輝は華の頬に手を置いて、おでこにそっとキスした。
「…あぁ…時間切れだ。ヤツが来た…」
勇輝の腕が離れていく。
見上げると、勇輝の目は碧く光っていた。その異様さに華は息を飲む。
側に来た怜の瞳も同様に碧色に発光していた。
微笑んだ怜が桃を見ながら告げた。
桃が泣き叫びながらドアを開け飛び出す。
すぐに勇輝が追いかけて、桃の腰をつかみ、肩に担いだ。桃が暴れるがビクともしない。
一方、華も怜に腕を掴まれ、逃げれない状態になっていた。
そのまま残りの部屋へ移動する。
中は他の2つと作りはあまり変わらないが、色合いが赤とピンクがメインだった。
ベッドやタンスなどに、優美な飾りが施され、この部屋の持ち主が女性である事が推測された。
「いや!やめて勇くん!どうしてこんな事するの!?」
暴れる桃を意にかいさず、勇輝は桃を担いだまま、ベッドへ向かいそこで止まった。
「な、何?」
急に立ち止まった勇輝の行動に、桃は更にパニックになった。もう顔は涙なのか鼻水なのかわからない状態でボロボロだ。
勇輝がベッドに桃をおろす。
ベッドにはシーツが敷かれ、夏用の薄手のカバーがかけられていた。
すると今まで真っ平だったベッドのカバーが、少しずつ、盛り上がっていく。まるで何もなかった所から、人が這い出て来たかの様にー。
叫びたいのに、恐怖で喉が貼り付いて声は出ない。手足も身体もガタガタ震えて動かない。
何かいるー。
そう思った瞬間、カバーの中から伸びて来た手が桃の腕を掴み。力強く桃を中に引き込んだ。
◇◇◇
「イヤァー!!」
部屋の入り口付近で、怜に腕を掴まれたまま、華は桃がシーツに引き込まれる光景を見ていた。
「桃ちゃん…」
シーツの中から桃の悲鳴が聞こえてくる。
華も涙と鼻水でボロボロだった。
勇輝も怜も桃も幽霊らしき物に捕まって、取り憑かれてしまった。本当の所はわからないが、少なくとも華にはそう見えていた。
「華」
ふいに名前を呼ばれ、側に立つ怜を見上げる。
華を見つめる瞳は切長の黒い瞳。いつもの怜の目だった。
「これから僕達は…おかしい行動をするかもしれない…」
真剣な目が華を見つめる。華の腕を握る手にも力がこもった。
「華を守るつもりだけど…もしに危害を加えそうなったら…僕等から逃げて…」
「怜ちゃん…」
怜の言葉に息を飲む。
苦しそうな表情をしている怜を見つめていると、突如後ろから引っ張っられる。そのまま背後から抱きしめられた。
ここで怜以外で動けるのは、今1人しかいない。様子のおかしい勇輝だ。華の身体が強張る。
「怖い思いをさせてごめんな」
後ろから、勇輝の辛そうな声が聞こえた。
「もしかしたら、もう言えないかもしれないから。今言っておく…」
ギュッと華を抱きしめる腕に力がこもる。
「華の事が…好きだ」
勇輝が小さく呟いた。
「本当はもっと雰囲気の良いとこで言うつもりだったけど…。なんか俺、自分が自分じゃなくなりそうで…身体がおかしいんだ…」
小さく震えた声だった。
思わず勇輝を振り返った。
泣きそうな表情がそこにあった。瞳はいつもの焦茶色に戻っている。
「こんな事に巻き込んで…ごめんな。返事はもし無事に…ココを出れたら…聞かせて…」
そう言って、勇輝は華の頬に手を置いて、おでこにそっとキスした。
「…あぁ…時間切れだ。ヤツが来た…」
勇輝の腕が離れていく。
見上げると、勇輝の目は碧く光っていた。その異様さに華は息を飲む。
側に来た怜の瞳も同様に碧色に発光していた。
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