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35話
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本当は最後のホームルームで、若ちんからわたしと忍くんは隠れてる様にと言われたけど。その場で断った。
クラスのみんなが帰る為に頑張ってるのに、今ここで頑張らないなんてありえない。だって、わたしもクラスの一員だから!
そう言ったら、何故か江川さんや数名のクラスメイトが泣いた。
あと、大河や若ちんも、泣きそうになっていた。
大河や若ちんはわかるけど。もしかしたら他のクラスメイトも知ってるのかもしれない。
わたしが中学の頃、クラスのイジメが原因で引きこもりになってしまった事を。
家族や大河に助けられて、支えられて。
高校でやっと少しずつまた普通に学校へ行ける様になった。
今のクラスのみんなは、わたしを変わってると距離を置いたり、大河の幼馴染だからって変に嫉妬とかしてこない。若ちん筆頭に、みんな仲がいい。
そんなクラスのみんなが大好きだ。
だから、今、自分に出来る事を頑張る!
「あかりちゃん、どうやって若ちんのとこまで行こうか」
「んー。空を飛ぶか、何か道具を出して突っ切るとか」
「じゃあモモンガは?」
「んー行きはいいけど帰りが厳しそう」
筒を持って外に向かって歩きながら、忍くんとわたしが次に妄想召喚の相談をする。
忍くんは、既にわたしの性格や思考を把握したみたいで、私が設定をイメージしやすい様にこうやってつきあってくれている。
「じゃあ、ノートに描いてたあれは?」
「あれ?」
忍くんがわたしの耳元に顔を寄せる。その仕草に何だかドキッとする。
忍くんは、何だかいつも距離が近くて。不意にわたしをドキドキさせる天才だ。
「あの、…の側に描いてた…」
忍くんの囁く声がちょっとくすぐったい。忍くんの声は心地よい。
「うん。出せると思うけど、早く動けるかな?」
「いっそ動かなくて良いくらいにデカくしちゃうとか」
忍くんのアドバイスで、わたしの中のイメージがどんどん膨らんでいく。
「…それなら楽かも。でも外のみんなが潰れちゃう」
「ふふ、それは大変だ。ちょっと待ってて」
忍くんが楽しそうに笑った。声を上げて笑う忍くんを初めて見た。忍くんの笑顔が好きだな、ふいにそう思った。
「放送室。今からあかりちゃんがデカいの呼び出すから。外の主力メンバー以外、城壁内に避難させて」
その後すぐにピンポーンと耳元で音が鳴り、城壁内に避難するようアナウンスが聞こえてきた。
忍くんが筒を持っていない方の手で、優しくわたしの手を繋いでくれた。
もうすぐ外だ。
「あかりちゃんなら大丈夫だよ」
「…うん、やってみる!」
そして、外に出た瞬間。わたしは彼らを召喚したー。
「お嬢!」
わたしの呼びかけに応じてカラフルレンジャーがどこからか現れた。
わたしの考えたギャグ漫画の最弱キャラ達。でも彼らには必殺技がある。多分わたしの持てる妄想の中で最強だ。
「若ちん達のとこまで行きたいの!」
「がってんだ!じゃあお嬢、掛け声頼むぜい!」
えええ~!あのキメ台詞言うの?
わたしと忍くんが姿を現した事で、この世界の人達が動揺してる。死んだと思ってたからね!
城壁の外から戻って来た戦闘組や近くにいた非戦闘組などのクラスメイト達は何が始まるのかと、楽しそうだ!
もうこうなったら仕方ない!
わたしはバッと右手の人差し指を前に掲げて、叫んだ。
「お前達、行け~!」
瞬間。カラフルレンジャーが消えて。
城門の外に、金色の派手で超巨大な超合金ロボットが登場した。
クラスのみんなが帰る為に頑張ってるのに、今ここで頑張らないなんてありえない。だって、わたしもクラスの一員だから!
そう言ったら、何故か江川さんや数名のクラスメイトが泣いた。
あと、大河や若ちんも、泣きそうになっていた。
大河や若ちんはわかるけど。もしかしたら他のクラスメイトも知ってるのかもしれない。
わたしが中学の頃、クラスのイジメが原因で引きこもりになってしまった事を。
家族や大河に助けられて、支えられて。
高校でやっと少しずつまた普通に学校へ行ける様になった。
今のクラスのみんなは、わたしを変わってると距離を置いたり、大河の幼馴染だからって変に嫉妬とかしてこない。若ちん筆頭に、みんな仲がいい。
そんなクラスのみんなが大好きだ。
だから、今、自分に出来る事を頑張る!
「あかりちゃん、どうやって若ちんのとこまで行こうか」
「んー。空を飛ぶか、何か道具を出して突っ切るとか」
「じゃあモモンガは?」
「んー行きはいいけど帰りが厳しそう」
筒を持って外に向かって歩きながら、忍くんとわたしが次に妄想召喚の相談をする。
忍くんは、既にわたしの性格や思考を把握したみたいで、私が設定をイメージしやすい様にこうやってつきあってくれている。
「じゃあ、ノートに描いてたあれは?」
「あれ?」
忍くんがわたしの耳元に顔を寄せる。その仕草に何だかドキッとする。
忍くんは、何だかいつも距離が近くて。不意にわたしをドキドキさせる天才だ。
「あの、…の側に描いてた…」
忍くんの囁く声がちょっとくすぐったい。忍くんの声は心地よい。
「うん。出せると思うけど、早く動けるかな?」
「いっそ動かなくて良いくらいにデカくしちゃうとか」
忍くんのアドバイスで、わたしの中のイメージがどんどん膨らんでいく。
「…それなら楽かも。でも外のみんなが潰れちゃう」
「ふふ、それは大変だ。ちょっと待ってて」
忍くんが楽しそうに笑った。声を上げて笑う忍くんを初めて見た。忍くんの笑顔が好きだな、ふいにそう思った。
「放送室。今からあかりちゃんがデカいの呼び出すから。外の主力メンバー以外、城壁内に避難させて」
その後すぐにピンポーンと耳元で音が鳴り、城壁内に避難するようアナウンスが聞こえてきた。
忍くんが筒を持っていない方の手で、優しくわたしの手を繋いでくれた。
もうすぐ外だ。
「あかりちゃんなら大丈夫だよ」
「…うん、やってみる!」
そして、外に出た瞬間。わたしは彼らを召喚したー。
「お嬢!」
わたしの呼びかけに応じてカラフルレンジャーがどこからか現れた。
わたしの考えたギャグ漫画の最弱キャラ達。でも彼らには必殺技がある。多分わたしの持てる妄想の中で最強だ。
「若ちん達のとこまで行きたいの!」
「がってんだ!じゃあお嬢、掛け声頼むぜい!」
えええ~!あのキメ台詞言うの?
わたしと忍くんが姿を現した事で、この世界の人達が動揺してる。死んだと思ってたからね!
城壁の外から戻って来た戦闘組や近くにいた非戦闘組などのクラスメイト達は何が始まるのかと、楽しそうだ!
もうこうなったら仕方ない!
わたしはバッと右手の人差し指を前に掲げて、叫んだ。
「お前達、行け~!」
瞬間。カラフルレンジャーが消えて。
城門の外に、金色の派手で超巨大な超合金ロボットが登場した。
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