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33話
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ヤンキーの殴り込み…。
誰かがポソと呟いた。多分菜穂ちゃんだと思う。わたしも同感だ!
電話もどきから、エンジンと何か昭和の歌謡曲が聞こえてくる。
壁に映るピカピカデコトラは、大音量の歌謡曲とエンジン音をひびかせ、魔王軍へ勢い良く発進した!
それを見ながら。
「なあ、今更だけど何であんな派手なトラックなんだ?」
多田くんに聞かれた。
「だって頑丈でデカい車ってこれ位しか思いつきで描けなくて!」
若ちんが要望したのは、多分もっとカッコイイやつだと思うんだけど!わたしが思いつきで描けたのはテレビで見た事のあった派手なデコレーショントラックで。しかも延々と昭和歌謡曲が流してるやつだ!
「でも逆に良かったんじゃない?見てよ」
菜穂ちゃんが画面を指差す。
闇の中で、ピカピカネオンで音楽(しかもこっちの世界では知らない曲ばかり!)を流して、聖水撒き散らすトラックは、この世界ではさぞ不気味だろう。
トラックが来るのを避ける様に魔物達が逃げて行く。何体かぶち当たった魔物は跳ね飛ばられて、聖水浴びてダウンしてる。
いっそ魔物が哀れだ。
そのままデコトラは昭和歌謡曲とアクセルを全開で、魔物を跳ね飛ばしながらどんどん奥へ向かって行った。
ずーっと奥にいた大将みたいのが、すごい形相で立ち上がり、デコトラへ向かって来るのが見えた!
「若ちん!奥にいたボスみたいな奴がデコトラに向かってる!」
『わーってる!』
デコトラが大きく右に曲がる。
グググッと車体が右に向かいつつ。
バゴッ
まるでビンタでもする様にトラックの車体が魔物ボスを打ち返した。
ヒュン バコッ! ズドーン!
飛ばされた魔物ボスが山側に飛ばされて、ボヨヨンとマンガみたいに山がめっちゃ揺れた!
デコトラはそのまま遠心力でデカい車両をグルーンと回転させて止まった。途中近くにいた魔物を漏れなく跳ね飛ばして。
「ひええ~あの魔物死んじゃった?」
「どうかな?あのデコトラ、鈴木が鬼加工してたからなー」
「この世界で1番固い金属で車体を固めたよ」
「…倒したんじゃねえか?」
私達は画面に釘付けだ。
その時。
ゴゴゴ…
何か大きな物が動き出す様な変な音がした。
ゴゴゴ…
「あれ!山が動いてる!」
さっきデコトラが跳ね飛ばして魔物ボスが激突した山が、揺れてる。よく見ると、山の木々や土が、ボロボロと斜面を転がり落ちていってる。
木々や土が落ちると、ソレは姿を現した…。
「ええー!あれ!山じゃないじゃん!」
「ふええーん。私達あんなトコに行ってたんですか?」
菜穂ちゃんもくるみちゃんも、他のクラスメイトやわたしも大混乱だ。
何と、ずっと山だと思って訓練や素材収集に行ってたのが、実は山じゃなかったなんて。
闇の中、ソレはブルッと身を震わせるとノッソリ動いた様に見えた。
「若ちん!トラックのライト当てられる?こっちからは真っ暗でよく見えない!」
『待ってろ』
少しして、トラックのライトが当たると、うっすらとソレは全貌が現れた。それはー。
「あれって…」
「ドラゴン!」
闇の中、山に見えていた巨体はとても大きなドラゴンだった!
誰かがポソと呟いた。多分菜穂ちゃんだと思う。わたしも同感だ!
電話もどきから、エンジンと何か昭和の歌謡曲が聞こえてくる。
壁に映るピカピカデコトラは、大音量の歌謡曲とエンジン音をひびかせ、魔王軍へ勢い良く発進した!
それを見ながら。
「なあ、今更だけど何であんな派手なトラックなんだ?」
多田くんに聞かれた。
「だって頑丈でデカい車ってこれ位しか思いつきで描けなくて!」
若ちんが要望したのは、多分もっとカッコイイやつだと思うんだけど!わたしが思いつきで描けたのはテレビで見た事のあった派手なデコレーショントラックで。しかも延々と昭和歌謡曲が流してるやつだ!
「でも逆に良かったんじゃない?見てよ」
菜穂ちゃんが画面を指差す。
闇の中で、ピカピカネオンで音楽(しかもこっちの世界では知らない曲ばかり!)を流して、聖水撒き散らすトラックは、この世界ではさぞ不気味だろう。
トラックが来るのを避ける様に魔物達が逃げて行く。何体かぶち当たった魔物は跳ね飛ばられて、聖水浴びてダウンしてる。
いっそ魔物が哀れだ。
そのままデコトラは昭和歌謡曲とアクセルを全開で、魔物を跳ね飛ばしながらどんどん奥へ向かって行った。
ずーっと奥にいた大将みたいのが、すごい形相で立ち上がり、デコトラへ向かって来るのが見えた!
「若ちん!奥にいたボスみたいな奴がデコトラに向かってる!」
『わーってる!』
デコトラが大きく右に曲がる。
グググッと車体が右に向かいつつ。
バゴッ
まるでビンタでもする様にトラックの車体が魔物ボスを打ち返した。
ヒュン バコッ! ズドーン!
飛ばされた魔物ボスが山側に飛ばされて、ボヨヨンとマンガみたいに山がめっちゃ揺れた!
デコトラはそのまま遠心力でデカい車両をグルーンと回転させて止まった。途中近くにいた魔物を漏れなく跳ね飛ばして。
「ひええ~あの魔物死んじゃった?」
「どうかな?あのデコトラ、鈴木が鬼加工してたからなー」
「この世界で1番固い金属で車体を固めたよ」
「…倒したんじゃねえか?」
私達は画面に釘付けだ。
その時。
ゴゴゴ…
何か大きな物が動き出す様な変な音がした。
ゴゴゴ…
「あれ!山が動いてる!」
さっきデコトラが跳ね飛ばして魔物ボスが激突した山が、揺れてる。よく見ると、山の木々や土が、ボロボロと斜面を転がり落ちていってる。
木々や土が落ちると、ソレは姿を現した…。
「ええー!あれ!山じゃないじゃん!」
「ふええーん。私達あんなトコに行ってたんですか?」
菜穂ちゃんもくるみちゃんも、他のクラスメイトやわたしも大混乱だ。
何と、ずっと山だと思って訓練や素材収集に行ってたのが、実は山じゃなかったなんて。
闇の中、ソレはブルッと身を震わせるとノッソリ動いた様に見えた。
「若ちん!トラックのライト当てられる?こっちからは真っ暗でよく見えない!」
『待ってろ』
少しして、トラックのライトが当たると、うっすらとソレは全貌が現れた。それはー。
「あれって…」
「ドラゴン!」
闇の中、山に見えていた巨体はとても大きなドラゴンだった!
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