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32話

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 城内のわたし達の拠点に入ってから、ローブを外した。途端に非戦闘組のメンバーが現れた。

 今、非戦闘組は二手に分かれてる。

 今暴れ回ってる戦闘組を裏でサポートするメンバーと、わたし達みたいに直接魔物を翻弄するメンバーだ。

 戦闘組を手伝ってくる!と今まで一緒だった非戦闘組の何人かが、もう片方に合流すべく出て行った。

 残ったわたし達の次の仕事は、戦闘組の主力メンバーのサポートだ。残ったメンバーで作業部屋に移動した。



 そこには、我ら勇者軍の真のダークホース達が準備万端で待機していた!

「お待たせ」
「おう鈴木!もう準備OKだぜ!」

 先ほど、みんなに作戦合図を送ってくれてたクラスのオタク男子達だ!

 魔王軍への対策であの時、忍くんが若ちんやクラスのみんなに提案したのは、彼らオタク男子達の存在だった。

「ウチのクラスの本当の切り札は彼らです」

 実は彼ら。非戦闘組で地味に活動してたと見せかけて、裏で好き放題に実験や開発をしていたらしい!全然気づかなかった!

 しかも。非戦闘組で目立ってた忍くんと私と違い、王様達もノーマクだったので、その発明品は魔王サイドに全くバレてないのだ。

 その驚くべき発明品が壁一面に繰り広げられている。

 壁に映るいくつもの鮮やかな映像。
 城内に設置された監視カメラもどきで写してるリアルタイムの映像だ。

 何と彼らはこの装置をセットして戦場全体の様子を見ながら私達に作戦合図を出していたのだ!言ってみれば司令室!

「じゃあこっちも稼働させるぞ~」
「魔石を遠慮なく使えるなんて最高~」

 オタク男子その1の大原くんとその2の多田くんが、楽しそうだ。

「じゃあ若ちんに連絡とるよ~」

 大原くんが、ポチッとな、とテーブルにある機械?みたいな物を触った。ボタンないけど、何をポチッとしたかは不明だ。

「若ちん聞こえる?コッチは予定通り進んでるよ」
『やっとかよ!』

 げんなりした若ちんの声。

 彼らの作った不思議な物体はスピーカー機能がついた電話みたい道具だった。

 ちなみに、さっき耳元で聞いた合図もクラスメイト全員がつけてる耳飾りを通して、ここから連絡出来るのだ!すごい!

 若ちん達は一足先に、魔王軍に接近してる。

 わたしが妄想召喚したピカピカにネオンが光るデコトラに乗って!

 壁の映像に映るピカピカのデコトラが上部分からピャーと水を放水してる光景は、なかなかシュールだ!

 でもお陰で、私達がつけた炎はデコトラの周囲を回避して、魔王軍へ向かってる。
 それを魔王サイドの水を使える魔物達が一斉に食い止めようとしてるのが画像で見えた。

「若ちん!魔王軍の雑魚は散り散りで、今向こうの魔法使える奴らは火消しに追われてる!今がチャンスだよ」

 忍くんの声に若ちんが楽しそうに答えた。

『おっしゃ!出番だな!行くぞオメーら!』
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