28 / 45
24話
しおりを挟む
異世界13日目。
忍くんの様子がおかしい!
正確に言うならココ2、3日元気が無い!
毎食いつもより、ちょっとだけご飯残すし。作業のスピードもちょっとだけ遅い!
菜穂ちゃんやくるみちゃんに相談してみたけど。
「……ごめん、正直よくわかんない」
「ふえーん。気になるなら彼女なんだし聞いてみたらいいです」
2人に背中を押される感じで、作業中の忍くんに声をかけた!
「忍くん」
「あかりちゃん?どうしたの?」
作業の手を止めて、コッチを見た忍くんの瓶底眼鏡が鈍く光った。
あぁ…やっぱり眼鏡の光もいつもよりキレが無い!
どうしよう、何て切り出そう!
わたしがえーと、あーと、とモタモタしてると。
「ちょっと気分転換に散歩でもしようかな。付き合ってくれる?」
優しい忍くんからお散歩の提案をしてくれた。良かった。
◇◇◇
行く先も決めず、2人で歩いてると忍くんから切り出してくれた。
「あかりちゃん。僕に何か用事があった?」
「うん、あの。良かったらちょっと座らない?」
ちょうど中庭を歩いていたお陰で東屋を発見!周りに誰もいないし!静かだし!周りに綺麗なお花も咲いてて、ゆっくりお話出来そうだ!
デートにはもってこいの場所!と思って東屋に座って改めて忍くんを見ると。
ズーン…
漫画なら縦線が描かれてそう位、明らかに落ち込んでいた!
「忍くん?あの、何でそんなに落ち込んでるの?」
「…………僕と別れたいって話じゃないの?」
「ええー!?違うよ!何で!?」
暗くてカビでも生えそうな忍くんの話を聞くと。
ゴブリンに襲われた時に、自分の渡したアイテムが全く役に立たなかったり。ピンチを助けたのが大河だったり。ペガサス召喚も大河のアドバイスだったり。トドメは自分が頼んだ素材でわたしが昨日のピンチに陥ったりで。
相当落ち込んでたらしい!
だからこんな頼りない彼氏ならフラれても仕方ないって思ってたみたい。
なんて事!
これまで全く恋愛に縁が無かったから、彼氏側の気持ちなんか考えた事も無かったよ!
「んー。何で忍くんがそういう風に考えるのかわからないけど…」
「ごめん。こういうウザイよね」
しゅんと項垂れる忍くんの手をガシッと握った。
「ウザく無いよ!」
「あかりちゃん?」
「それって…アレでしょ?大河に、し、し、し、嫉妬したっていう。よく漫画とかでも出てくるジェラシーみたいなヤツ!」
「うん。伊藤くんは幼馴染だし、仲良いから、僕よりあかりちゃんの思考回路を理解してるのはわかるんだ。でも、何かそれが悔しくて…」
顔を伏せながら話す忍くんの耳は…赤い!
嫉妬!
我が人生で異性からそんな風に思われる日が来るなんて!
「嬉しいよ!」
「え?」
「わたし、今までこういう経験ないから、うまく言えないけど。でも嫌じゃないよ。嬉しい!」
「本当?」
「うん。でも忍くんがこういうので、ご飯残したり、作業のスピード落ちたりしたら心配だから、何か気になる事があれば直接話して欲しい!」
「…え?ご飯?作業?」
「うん!それに、わたしも忍くんもお互い初めて付き合った者同士なら、こういうの手探りで解決していこうよ」
「あかりちゃん…」
忍くんは感動した様に頬をピンクに染めて、ありがとうと呟いた。
そして向かい合わせでお互いに思わず笑顔が溢れた。
のんびり屋で鈍感なわたしと、不器用で自信が無い忍くん。こうやって少しずつお互いの事を知っていけたら良いな。
また一歩お互いの距離が近づいた気がした。
忍くんの様子がおかしい!
正確に言うならココ2、3日元気が無い!
毎食いつもより、ちょっとだけご飯残すし。作業のスピードもちょっとだけ遅い!
菜穂ちゃんやくるみちゃんに相談してみたけど。
「……ごめん、正直よくわかんない」
「ふえーん。気になるなら彼女なんだし聞いてみたらいいです」
2人に背中を押される感じで、作業中の忍くんに声をかけた!
「忍くん」
「あかりちゃん?どうしたの?」
作業の手を止めて、コッチを見た忍くんの瓶底眼鏡が鈍く光った。
あぁ…やっぱり眼鏡の光もいつもよりキレが無い!
どうしよう、何て切り出そう!
わたしがえーと、あーと、とモタモタしてると。
「ちょっと気分転換に散歩でもしようかな。付き合ってくれる?」
優しい忍くんからお散歩の提案をしてくれた。良かった。
◇◇◇
行く先も決めず、2人で歩いてると忍くんから切り出してくれた。
「あかりちゃん。僕に何か用事があった?」
「うん、あの。良かったらちょっと座らない?」
ちょうど中庭を歩いていたお陰で東屋を発見!周りに誰もいないし!静かだし!周りに綺麗なお花も咲いてて、ゆっくりお話出来そうだ!
デートにはもってこいの場所!と思って東屋に座って改めて忍くんを見ると。
ズーン…
漫画なら縦線が描かれてそう位、明らかに落ち込んでいた!
「忍くん?あの、何でそんなに落ち込んでるの?」
「…………僕と別れたいって話じゃないの?」
「ええー!?違うよ!何で!?」
暗くてカビでも生えそうな忍くんの話を聞くと。
ゴブリンに襲われた時に、自分の渡したアイテムが全く役に立たなかったり。ピンチを助けたのが大河だったり。ペガサス召喚も大河のアドバイスだったり。トドメは自分が頼んだ素材でわたしが昨日のピンチに陥ったりで。
相当落ち込んでたらしい!
だからこんな頼りない彼氏ならフラれても仕方ないって思ってたみたい。
なんて事!
これまで全く恋愛に縁が無かったから、彼氏側の気持ちなんか考えた事も無かったよ!
「んー。何で忍くんがそういう風に考えるのかわからないけど…」
「ごめん。こういうウザイよね」
しゅんと項垂れる忍くんの手をガシッと握った。
「ウザく無いよ!」
「あかりちゃん?」
「それって…アレでしょ?大河に、し、し、し、嫉妬したっていう。よく漫画とかでも出てくるジェラシーみたいなヤツ!」
「うん。伊藤くんは幼馴染だし、仲良いから、僕よりあかりちゃんの思考回路を理解してるのはわかるんだ。でも、何かそれが悔しくて…」
顔を伏せながら話す忍くんの耳は…赤い!
嫉妬!
我が人生で異性からそんな風に思われる日が来るなんて!
「嬉しいよ!」
「え?」
「わたし、今までこういう経験ないから、うまく言えないけど。でも嫌じゃないよ。嬉しい!」
「本当?」
「うん。でも忍くんがこういうので、ご飯残したり、作業のスピード落ちたりしたら心配だから、何か気になる事があれば直接話して欲しい!」
「…え?ご飯?作業?」
「うん!それに、わたしも忍くんもお互い初めて付き合った者同士なら、こういうの手探りで解決していこうよ」
「あかりちゃん…」
忍くんは感動した様に頬をピンクに染めて、ありがとうと呟いた。
そして向かい合わせでお互いに思わず笑顔が溢れた。
のんびり屋で鈍感なわたしと、不器用で自信が無い忍くん。こうやって少しずつお互いの事を知っていけたら良いな。
また一歩お互いの距離が近づいた気がした。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■
【本編完結】美女と魔獣〜筋肉大好き令嬢がマッチョ騎士と婚約? ついでに国も救ってみます〜
松浦どれみ
恋愛
【読んで笑って! 詰め込みまくりのラブコメディ!】
(ああ、なんて素敵なのかしら! まさかリアム様があんなに逞しくなっているだなんて、反則だわ! そりゃ触るわよ。モロ好みなんだから!)『本編より抜粋』
※カクヨムでも公開中ですが、若干お直しして移植しています!
【あらすじ】
架空の国、ジュエリトス王国。
人々は大なり小なり魔力を持つものが多く、魔法が身近な存在だった。
国内の辺境に領地を持つ伯爵家令嬢のオリビアはカフェの経営などで手腕を発揮していた。
そして、貴族の令息令嬢の大規模お見合い会場となっている「貴族学院」入学を二ヶ月後に控えていたある日、彼女の元に公爵家の次男リアムとの婚約話が舞い込む。
数年ぶりに再会したリアムは、王子様系イケメンとして令嬢たちに大人気だった頃とは別人で、オリビア好みの筋肉ムキムキのゴリマッチョになっていた!
仮の婚約者としてスタートしたオリビアとリアム。
さまざまなトラブルを乗り越えて、ふたりは正式な婚約を目指す!
まさかの国にもトラブル発生!? だったらついでに救います!
恋愛偏差値底辺の変態令嬢と初恋拗らせマッチョ騎士のジョブ&ラブストーリー!(コメディありあり)
応援よろしくお願いします😊
2023.8.28
カテゴリー迷子になりファンタジーから恋愛に変更しました。
本作は恋愛をメインとした異世界ファンタジーです✨

召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。

【完結】土壇場で交代は困ります [おまけ1話更新]
himahima
恋愛
婚約破棄⁈いじめ?いやいや、お子様の茶番劇に付き合ってる暇ないから!まだ決算終わってないし、部下腹ペコで待ってるから会社に戻して〜〜
経理一筋25年、社畜女課長が悪役令嬢と入れ替わり⁈ 主人公は口が悪いです(笑)
はじめての投稿です♪本編13話完結、その後おまけ2話の予定です。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

【完結】転生したぐうたら令嬢は王太子妃になんかになりたくない
金峯蓮華
恋愛
子供の頃から休みなく忙しくしていた貴子は公認会計士として独立するために会社を辞めた日に事故に遭い、死の間際に生まれ変わったらぐうたらしたい!と願った。気がついたら中世ヨーロッパのような世界の子供、ヴィヴィアンヌになっていた。何もしないお姫様のようなぐうたらライフを満喫していたが、突然、王太子に求婚された。王太子妃になんかなったらぐうたらできないじゃない!!ヴィヴィアンヌピンチ!
小説家になろうにも書いてます。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる