6 / 45
4話
しおりを挟む
異世界2日目!
今日から戦闘組と非戦闘組に分かれて訓練をする事になった。
わたしは…。
「ナナハン!ハーレー!どっちでもいいぞ!」
「無理です~!そもそも何ですかそれ~!」
「単車だ!単車!」
「たん…シャー?」
何故か若ちんに、ななはんか、はーれーを妄想して召喚してみろと特訓されていた。
そもそも何かわかんないのに、無理です~。
朝からしごかれて半泣き状態でいると、瓶底メガネの鈴木くんがやって来た。
「若ちん。戦闘組が何か揉めてるよ」
「あんだと?しゃーねーな!」
鬼の若ちんから解放されてホッとしてると、鈴木くんが大丈夫?と声をかけてくれた。
「ありがとう。助かったよ。でも揉めてるのって大丈夫かな?」
「大丈夫だよ。何人かでどっちが強いかって騒いでるだけだから」
それを聞いて、あっと気づく。
わたしがヘトヘトなのを見兼ねて助けてくれたんだ!
「助けてくれたんだね!ありがとう」
「若ちんには内緒ね」
お互いニコッと笑い合う。
瓶底メガネの鈴木くんは、ほんわかして話しやすい。多分、わたしとペースが似てるんだろうな。
「鈴木くんは何してるの?非戦闘組だったよね?」
「僕は細工師で色々作ったり工夫できるみたいなんだ。今は材料集めしてるんだよ」
そう言って手に持っていた物を見せてくれた。色んな形や色の石コロだった。
「これを加工するの?」
「うん。僕もともと向こうでも石や地層とか興味あったから、よく観察したりしてたんだ。この石なんか花崗岩ぽくて…」
鈴木くんが熱く語ってくれたけど、何ひとつわからなかった!
「あ、ごめん!こんな話面白くないよね」
「ううん!内容はわからないけど鈴木くんがこういう石が大好きなんだなーていうのは伝わってきたよ!鈴木くんが楽しそうに話すのを聞いてるの楽しいよ!」
「田中さん…」
鈴木くんの瓶底メガネの奥。ほっぺがちょっと赤くなった。
「ありがとう。僕好きな事を話すと夢中になるから、相手に悪いなーと思っちゃうんだけど。そういう風に言ってもらえて嬉しいよ」
へへ、と鈴木くんが嬉しそうに笑った。うんうん、わたしも漫画の話を聞いてもらえると嬉しいから気持ちわかるよ!
「おいこら、何青春してんだぁこら」
「ひゃっ!」
「わっ!」
いきなり後ろから若ちんがユラリと現れた!怖っ!
「ちょうどいい、鈴木お前もこいつの特訓付き合え」
「え?僕?」
それから2人が今欲しい物をどんどん言われて、それが出せるか試す事になった!
「セルシオ!シーマ!」
「玄武岩!安山岩!花崗岩!」
「だから!わからないのに無理です~!」
「気合いで想像しろ!妄想しろ!俺はそれに乗りたいんだよ!」
若ちんの鬼~!
夕方までこの無情な特訓は続き。
この世界の夕陽が辺りを照らす頃。
わたしは力尽きてパタンと倒れ、鈴木くんも、もう思いつきません、とガクッと膝をついた。
「んー。やっぱダメだな。明日は別の方法試すか」
先生…遅いです…ガクッ。
今日から戦闘組と非戦闘組に分かれて訓練をする事になった。
わたしは…。
「ナナハン!ハーレー!どっちでもいいぞ!」
「無理です~!そもそも何ですかそれ~!」
「単車だ!単車!」
「たん…シャー?」
何故か若ちんに、ななはんか、はーれーを妄想して召喚してみろと特訓されていた。
そもそも何かわかんないのに、無理です~。
朝からしごかれて半泣き状態でいると、瓶底メガネの鈴木くんがやって来た。
「若ちん。戦闘組が何か揉めてるよ」
「あんだと?しゃーねーな!」
鬼の若ちんから解放されてホッとしてると、鈴木くんが大丈夫?と声をかけてくれた。
「ありがとう。助かったよ。でも揉めてるのって大丈夫かな?」
「大丈夫だよ。何人かでどっちが強いかって騒いでるだけだから」
それを聞いて、あっと気づく。
わたしがヘトヘトなのを見兼ねて助けてくれたんだ!
「助けてくれたんだね!ありがとう」
「若ちんには内緒ね」
お互いニコッと笑い合う。
瓶底メガネの鈴木くんは、ほんわかして話しやすい。多分、わたしとペースが似てるんだろうな。
「鈴木くんは何してるの?非戦闘組だったよね?」
「僕は細工師で色々作ったり工夫できるみたいなんだ。今は材料集めしてるんだよ」
そう言って手に持っていた物を見せてくれた。色んな形や色の石コロだった。
「これを加工するの?」
「うん。僕もともと向こうでも石や地層とか興味あったから、よく観察したりしてたんだ。この石なんか花崗岩ぽくて…」
鈴木くんが熱く語ってくれたけど、何ひとつわからなかった!
「あ、ごめん!こんな話面白くないよね」
「ううん!内容はわからないけど鈴木くんがこういう石が大好きなんだなーていうのは伝わってきたよ!鈴木くんが楽しそうに話すのを聞いてるの楽しいよ!」
「田中さん…」
鈴木くんの瓶底メガネの奥。ほっぺがちょっと赤くなった。
「ありがとう。僕好きな事を話すと夢中になるから、相手に悪いなーと思っちゃうんだけど。そういう風に言ってもらえて嬉しいよ」
へへ、と鈴木くんが嬉しそうに笑った。うんうん、わたしも漫画の話を聞いてもらえると嬉しいから気持ちわかるよ!
「おいこら、何青春してんだぁこら」
「ひゃっ!」
「わっ!」
いきなり後ろから若ちんがユラリと現れた!怖っ!
「ちょうどいい、鈴木お前もこいつの特訓付き合え」
「え?僕?」
それから2人が今欲しい物をどんどん言われて、それが出せるか試す事になった!
「セルシオ!シーマ!」
「玄武岩!安山岩!花崗岩!」
「だから!わからないのに無理です~!」
「気合いで想像しろ!妄想しろ!俺はそれに乗りたいんだよ!」
若ちんの鬼~!
夕方までこの無情な特訓は続き。
この世界の夕陽が辺りを照らす頃。
わたしは力尽きてパタンと倒れ、鈴木くんも、もう思いつきません、とガクッと膝をついた。
「んー。やっぱダメだな。明日は別の方法試すか」
先生…遅いです…ガクッ。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!
雨宮羽那
恋愛
いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。
◇◇◇◇
私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。
元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!
気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?
元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!
だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。
◇◇◇◇
※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。
※アルファポリス先行公開。
※表紙はAIにより作成したものです。
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ
トール
恋愛
会社帰り、駅までの道程を歩いていたはずの北野 雅(36)は、いつの間にか森の中に佇んでいた。困惑して家に帰りたいと願った雅の前に現れたのはなんと実家を模した家で!?
自身が願った事が現実になる能力を手に入れた雅が望んだのは冒険ではなく、“森に引きこもって生きる! ”だった。
果たして雅は独りで生きていけるのか!?
実は神様になっていたズボラ女と、それに巻き込まれる人々(神々)とのドタバタラブ? コメディ。
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています
ただ貴方の傍にいたい〜醜いイケメン騎士と異世界の稀人
花野はる
恋愛
日本で暮らす相川花純は、成人の思い出として、振袖姿を残そうと写真館へやって来た。
そこで着飾り、いざ撮影室へ足を踏み入れたら異世界へ転移した。
森の中で困っていると、仮面の騎士が助けてくれた。その騎士は騎士団の団長様で、すごく素敵なのに醜くて仮面を被っていると言う。
孤独な騎士と異世界でひとりぼっちになった花純の一途な恋愛ストーリー。
初投稿です。よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる