5 / 45
3話
しおりを挟む
『妄想召喚士』
「…………?」
「…………?」
わたしはローブお爺さんと顔を見合わせた。意味がわからない、という風に首を傾げたら、向かいのお爺さんも首を傾げた。
お爺さんも知らないみたい!
「何だ!どうした!何と書いてる!」
大柄騎士の後ろから王様の声が聞こえた。最早大柄騎士が数人で守ってるから姿は見えないけどね!
「それが初めて見る能力でしてな。妄想召喚士とやらで…」
ローブお爺さんは、無慈悲にもそのまま下に続く文章を読み上げた!
「妄想こそ我が力!想いのままに恋せよ乙女!お笑いだって冒険だって何でもござれ!魔法少女あかり参上!と書いてます」
わたしの背後で大爆笑が聞こえた!
もちろんクラスメイト達だ!
ひどい!みんなの文章は読んだりしなかったのに!わたしのだけ~!
「ハッハッハッ!さっすが不思議少女!」
「期待を裏切らないぜ!腹いてー!」
おのれ!わたしに魔法が使えたら燃やしてやりたい!
試しにクラスのみんなを睨んでみたけど、何の変化もなく。余計にみんなに笑われた!
◇◇◇
クラス全員のチェックが終わった後は、男女別で4人1組の目安で部屋分けがされた。
わたしは人数調整で3人1組。
しっかり者の佐藤さんと小動物みたいで可愛い高橋さんと同じ部屋だった。
佐藤さんは薬師で、色々素材を使って回復系のお薬を作る能力。
高橋さんは魔道具士で、何か色々作る能力らしい。本人もよくわからないって言ってた。
その後、クラス全員で夕飯をとったけど。その頃には「魔法少女あかり」というアダ名が浸透していた!
「恥ずかしい~」
部屋に戻って落ち込んでたら、佐藤さんと高橋さんが笑って慰めてくれた。
「田中さんには、みんな感謝してると思うよ」
「何で??」
「だって、今から学園祭て時にこんな所に連れて来られて。魔王倒せってヒドイじゃない?」
「確かに」
若ちんや男子がワイワイしてるから、あまり重く感じないけど。確かにひどい話だ。
「でも田中さんの時に、魔法少女あかり参上!で、みんな大爆笑だったでしょ?」
その時の事を思い出したのか、佐藤さんは、ちょっと顔が笑ってる!
そう!あの若ちんも、目の前の佐藤さんや高橋さんも相当笑ってた!
「あれでだいぶ緊張が取れたの!だからみんなが今前向きに受け止めれてるのは田中さんのお陰もあると思うよ」
「そう…かな?」
「ふええ、そうです!さっきの田中さんの紹介文は面白くて!私は魔法少女とかいる楽しい世界ならやっていけそうだなって思いました!」
高橋さんも力説してくる。
そっか、わたしとしては恥ずかしい内容も他の誰かにとってプラスになるならいいかな?
ちょっと恥ずかしさがまぎれた!
その後は、2人と色んな話をして。同じ部屋だし、せっかくだからお互い名前で呼び合おうね、てなった。
今までクラスに仲の良い友達がいなかったけど。異世界に来て友達が2人も出来たのだった。
「…………?」
「…………?」
わたしはローブお爺さんと顔を見合わせた。意味がわからない、という風に首を傾げたら、向かいのお爺さんも首を傾げた。
お爺さんも知らないみたい!
「何だ!どうした!何と書いてる!」
大柄騎士の後ろから王様の声が聞こえた。最早大柄騎士が数人で守ってるから姿は見えないけどね!
「それが初めて見る能力でしてな。妄想召喚士とやらで…」
ローブお爺さんは、無慈悲にもそのまま下に続く文章を読み上げた!
「妄想こそ我が力!想いのままに恋せよ乙女!お笑いだって冒険だって何でもござれ!魔法少女あかり参上!と書いてます」
わたしの背後で大爆笑が聞こえた!
もちろんクラスメイト達だ!
ひどい!みんなの文章は読んだりしなかったのに!わたしのだけ~!
「ハッハッハッ!さっすが不思議少女!」
「期待を裏切らないぜ!腹いてー!」
おのれ!わたしに魔法が使えたら燃やしてやりたい!
試しにクラスのみんなを睨んでみたけど、何の変化もなく。余計にみんなに笑われた!
◇◇◇
クラス全員のチェックが終わった後は、男女別で4人1組の目安で部屋分けがされた。
わたしは人数調整で3人1組。
しっかり者の佐藤さんと小動物みたいで可愛い高橋さんと同じ部屋だった。
佐藤さんは薬師で、色々素材を使って回復系のお薬を作る能力。
高橋さんは魔道具士で、何か色々作る能力らしい。本人もよくわからないって言ってた。
その後、クラス全員で夕飯をとったけど。その頃には「魔法少女あかり」というアダ名が浸透していた!
「恥ずかしい~」
部屋に戻って落ち込んでたら、佐藤さんと高橋さんが笑って慰めてくれた。
「田中さんには、みんな感謝してると思うよ」
「何で??」
「だって、今から学園祭て時にこんな所に連れて来られて。魔王倒せってヒドイじゃない?」
「確かに」
若ちんや男子がワイワイしてるから、あまり重く感じないけど。確かにひどい話だ。
「でも田中さんの時に、魔法少女あかり参上!で、みんな大爆笑だったでしょ?」
その時の事を思い出したのか、佐藤さんは、ちょっと顔が笑ってる!
そう!あの若ちんも、目の前の佐藤さんや高橋さんも相当笑ってた!
「あれでだいぶ緊張が取れたの!だからみんなが今前向きに受け止めれてるのは田中さんのお陰もあると思うよ」
「そう…かな?」
「ふええ、そうです!さっきの田中さんの紹介文は面白くて!私は魔法少女とかいる楽しい世界ならやっていけそうだなって思いました!」
高橋さんも力説してくる。
そっか、わたしとしては恥ずかしい内容も他の誰かにとってプラスになるならいいかな?
ちょっと恥ずかしさがまぎれた!
その後は、2人と色んな話をして。同じ部屋だし、せっかくだからお互い名前で呼び合おうね、てなった。
今までクラスに仲の良い友達がいなかったけど。異世界に来て友達が2人も出来たのだった。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
巻き込まれ召喚された上、性別を間違えられたのでそのまま生活することにしました。
蒼霧雪枷
恋愛
勇者として異世界に召喚されチート無双、からのハーレム落ち。ここ最近はそんな話ばっか読んでるきがする引きこもりな俺、18歳。
此度どうやら、件の異世界召喚とやらに"巻き込まれた"らしい。
召喚した彼らは「男の勇者」に用があるらしいので、俺は巻き込まれた一般人だと確信する。
だって俺、一応女だもの。
勿論元の世界に帰れないお約束も聞き、やはり性別を間違われているようなので…
ならば男として新たな人生片道切符を切ってやろうじゃねぇの?
って、ちょっと待て。俺は一般人Aでいいんだ、そんなオマケが実はチート持ってました展開は望んでねぇ!!
ついでに、恋愛フラグも要りません!!!
性別を間違われた男勝りな男装少女が、王弟殿下と友人になり、とある俺様何様騎士様を引っ掻き回し、勇者から全力逃走する話。
──────────
突発的に書きたくなって書いた産物。
会話文の量が極端だったりする。読みにくかったらすみません。
他の小説の更新まだかよこの野郎って方がいたら言ってくださいその通りですごめんなさい。
4/1 お気に入り登録数50突破記念ssを投稿してすぐに100越えるもんだからそっと笑ってる。ありがたい限りです。
4/4 通知先輩が仕事してくれずに感想来てたの知りませんでした(死滅)とても嬉しくて語彙力が消えた。突破記念はもうワケわかんなくなってる。
4/20 無事完結いたしました!気まぐれにオマケを投げることもあるかも知れませんが、ここまでお付き合いくださりありがとうございました!
4/25 オマケ、始めました。え、早い?投稿頻度は少ないからいいかなってさっき思い立ちました。突発的に始めたから、オマケも突発的でいいよね。
21.8/30 完全完結しました。今後更新することはございません。ありがとうございました!
【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!
雨宮羽那
恋愛
いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。
◇◇◇◇
私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。
元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!
気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?
元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!
だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。
◇◇◇◇
※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。
※アルファポリス先行公開。
※表紙はAIにより作成したものです。
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
王子様と過ごした90日間。
秋野 林檎
恋愛
男しか爵位を受け継げないために、侯爵令嬢のロザリーは、男と女の双子ということにして、一人二役をやってどうにか侯爵家を守っていた。18歳になり、騎士団に入隊しなければならなくなった時、憧れていた第二王子付きに任命されたが、だが第二王子は90日後・・隣国の王女と結婚する。
女として、密かに王子に恋をし…。男として、体を張って王子を守るロザリー。
そんなロザリーに王子は惹かれて行くが…
本篇、番外編(結婚までの7日間 Lucian & Rosalie)完結です。
きみこえ
帝亜有花
恋愛
月島 ほのかは事故により聴力を失った。転校先では学校で超モテる男子二人がお世話係? 先輩や保健室の先生にまで迫られてドキドキしっぱなしの毎日!
失われた音と声と季節巡る物語。
『好きだ』
この声は誰のものなのか・・・・・・。
※ifシリーズは時系列がバラバラになっていますので、ショートショートとしてお楽しみ下さい。ifの方が糖度高めかも。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる