私の居場所

まめ

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告白

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段々と激しくなっていく口付け
胸元に手を持ってきたと思ったが、ドミオールはパッと身体を離した
「す、すまない」
そのまま背を向けてしまった

「ドミオール様…」
「………無責任な事をした。すまない」
「違う!私が望んだの…。私、ドミオール様が好きです。私では駄目ですか?私では、本当の家族にはなれませんか?」
涙が溢れてきた
「君には…、君が私の家族になるということは、元の場所に戻る自由を奪うことになる…。私にはその権利は無い…」
「私が、私が戻りたく無いんです。前にお話しましたよね。私は好きになってはいけない人を好きになり、その生活から何も解決しないまま、逃げ出してきたと…。私には向こうに帰る場所なんて無いんです。帰りたいのは皆の居るお屋敷…、ドミオール様のところなんです」
「アリー…、私は許されるだろうか?自分の気持ちに正直になる事を…。君を不幸にするかもしれない。だが、君を望んでも良いだろうか?」
「はい、ドミオール様、私っ、私、…」
それ以上何も口にすることは出来なかった

ドミオールは向き直りアリーを抱きしめた

二人はそのままずっと抱き合っていた


気がつけばドミオールに抱きしめられたままベッドで眠っていた
何もせず男と二人でベッドで眠るのは初めてだった

まだ夜明けまで時間がある
アリーはそのまま目を閉じ眠った
穏やかで幸せな眠りだった


目が覚めアリーが身じろぎをすると気配を感じたのかドミオールも目を覚ました
「おはようございます」
「ああ、アリー、おはよう」
寝ぼけた子供のような顔でふにゃりとドミオールは笑った

起き上がり伸びをして向き直りアリーに言った
「今日は行きたい所がある。良いか?」
「はい」
「では、取り敢えず、湯浴みの支度をして貰おう。宿の主人に言ってくる。待っててくれ」
アリーの頬に手を添えそう告げると部屋を後にした
キスでもされるのかとドキドキしたアリーだったが、自分だけが期待していたのかと恥ずかしくなった


ドミオールに連れらて行ったのはこの宿場町に唯一あるアクセサリーの店だった
家を離れ出稼ぎに行く者などが手土産とする為だ

そこでドミオールはアリーに一つ石の付いたネックレスを選んでくれた
アリーはずっと必要無いを繰り返していたが、領主としてお金を落とすのも役目だと言い、アリーの首に掛けてやった

店を出てから何度もその石を手に取り、日に翳してみたり、ギュッと握ってみたりするアリーを見て、ドミオールは満足そうにしていた

宿場を少し離れた場所から港が見える所があり、ドミオールはそこにアリーを案内した
昔父親が存命の頃、領地に行く前に立ち寄りここから一緒に眺めたのだと懐かし気に語った
そんな思い出の場所に連れてきてもらいアリーは嬉しくなった
「アリー、手を」
「え?」
ドミオールは徐に対になった指輪を取り出した
「これから、私と本当の家族になろう。君の帰る場所は私の所だ」
アリーは嬉しさの余り言葉が出ず静かに頷いたのだった

今度こそ幸せになろう
アリーはそう思った


だが、簡単に幸せにはさせないと
誰かの呟きが聞こえたような気がしたのだった…




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