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「…ネオ、…ありがとう、連れて来てくれて」
「いや、かえって悪かったな…。元の世界を思い出して辛くさせてしまって…」
「ううん、辛くはないよ…。元に戻れるんだから…。ただ、向こうでお母さんとか心配してないかな、って思って…」
「そうだよなぁ、俺の師匠もきっと怒ってるだろうなぁ、突然居なくなって…。まぁ、戻ったら頭擦り付けるほど下げて、もう一回弟子にしてもらうだけなんだけどな。俺の師匠、本当に怖いんだよ。一発はぶん殴られるだろうな…。やっぱり戻りたくないかも…」
「ふふっ、ネオってば」
「あの木、サクラって言うんだ…。綺麗だな」
「卒業とか入学の時期にちょうど咲くんだよ。桜が咲く時期には皆で敷物敷いて、桜の下でお花見しながら食べたり飲んだりするんだ。ちょっとしたお祭りかな」
「んー、何か分かるかも。凄く綺麗だもんな」
「また、連れて来てくれる?」
「ああ、もちろん」
「何か描きたくなっちゃったなぁ…」
「リコ?」
「リキドさんに絵を描く道具を渡されたの。小さい頃は絵を描くのが凄く好きだったんだけど、嫌なことがあって描くことが楽しくなくなって…、でも、久しぶりに描いてみたいな」
「良いんじゃないか?別に何をしても誰にも咎められないんだから、描きたいと思ったら、素直に自分に従ったら。俺何か素直過ぎるぐらい従ってるけどね」
「ふふっ、没頭できるほど好きなことがあるって、素敵なことだよ」
「あ、ああ、ありがとな」
「あ!ネオ、照れてる?」
「うるさい!」
「褒めたのに」
「…一通り見たら、次の場所に行くから、ほら、行くぞ」
「はーい」
一日楽しんだあと、キーニ達との住まいに送ってもらい、今日のことを忘れない内にと部屋のスケッチブックを取り出した
時が経つのを忘れ、部屋で何枚もラフ画を描いていた時キーニに呼ばれた
「リコー!今日の話を私にも聞かせてー!」
「はーい!今、行きまーす!」
ラフ画を手に取り階下のキーニの所へ行った
「…私そこには行ったことないわね」
「ええ、凄く素敵なところでしたよ。この絵では伝わらないのが残念だけど…」
「あら、リコの絵を見て行きたくなったのよ」
「…恥ずかしいです」
「素敵な絵を描くのね。色の付いた絵も見てみたいわ」
「…上手くなくても笑わないでくれますか?」
「笑ったりしないわ。是非見せてね」
絵を描く楽しさを少し思い出した莉子だった
「いや、かえって悪かったな…。元の世界を思い出して辛くさせてしまって…」
「ううん、辛くはないよ…。元に戻れるんだから…。ただ、向こうでお母さんとか心配してないかな、って思って…」
「そうだよなぁ、俺の師匠もきっと怒ってるだろうなぁ、突然居なくなって…。まぁ、戻ったら頭擦り付けるほど下げて、もう一回弟子にしてもらうだけなんだけどな。俺の師匠、本当に怖いんだよ。一発はぶん殴られるだろうな…。やっぱり戻りたくないかも…」
「ふふっ、ネオってば」
「あの木、サクラって言うんだ…。綺麗だな」
「卒業とか入学の時期にちょうど咲くんだよ。桜が咲く時期には皆で敷物敷いて、桜の下でお花見しながら食べたり飲んだりするんだ。ちょっとしたお祭りかな」
「んー、何か分かるかも。凄く綺麗だもんな」
「また、連れて来てくれる?」
「ああ、もちろん」
「何か描きたくなっちゃったなぁ…」
「リコ?」
「リキドさんに絵を描く道具を渡されたの。小さい頃は絵を描くのが凄く好きだったんだけど、嫌なことがあって描くことが楽しくなくなって…、でも、久しぶりに描いてみたいな」
「良いんじゃないか?別に何をしても誰にも咎められないんだから、描きたいと思ったら、素直に自分に従ったら。俺何か素直過ぎるぐらい従ってるけどね」
「ふふっ、没頭できるほど好きなことがあるって、素敵なことだよ」
「あ、ああ、ありがとな」
「あ!ネオ、照れてる?」
「うるさい!」
「褒めたのに」
「…一通り見たら、次の場所に行くから、ほら、行くぞ」
「はーい」
一日楽しんだあと、キーニ達との住まいに送ってもらい、今日のことを忘れない内にと部屋のスケッチブックを取り出した
時が経つのを忘れ、部屋で何枚もラフ画を描いていた時キーニに呼ばれた
「リコー!今日の話を私にも聞かせてー!」
「はーい!今、行きまーす!」
ラフ画を手に取り階下のキーニの所へ行った
「…私そこには行ったことないわね」
「ええ、凄く素敵なところでしたよ。この絵では伝わらないのが残念だけど…」
「あら、リコの絵を見て行きたくなったのよ」
「…恥ずかしいです」
「素敵な絵を描くのね。色の付いた絵も見てみたいわ」
「…上手くなくても笑わないでくれますか?」
「笑ったりしないわ。是非見せてね」
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