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「リコ今日は何処に行くの?」
「おはようございます、キーニさん。今日はネオが街のおススメ場所を案内してくれるって言うから、行って来ようと思います」
「ネオくんて、この間の子ね。ふふっ、早速仲良くなったみたいで良かったわね。楽しんでらっしゃい。帰ったら私にも聞かせてちょうだいね」
「はい、行って来ます」
家具工房に向かって歩いて行くと手前の鍛冶屋でロザリが挨拶をしているところだった
「皆も世話になったね!私も来週元の世界に戻ることになった!私が案内した者達へ、先に挨拶を済ませて置こうと思ってね!」
大きな声を張り上げていたロザリだったが、職人達はそちらを見ずに作業を続けながら、頷いただけだった
「ロザリさん!あの、先日はありがとうございました!」
「ああ、リコ!ここでは聞き辛いだろうから、家具工房の方へ行こう!」
「リコ、少し慣れてきたようだね。安心したよ」
「はい、先日記録書を見てきて…」
「そうか…。私の記録はどうなるのかな?まぁ、自分で見ることは出来ないがね」
「ロザリさんは、ここでの役目は何だったんですか?」
「ん?私かい?私はそのままさ。案内役。リキドにこの役目を指示された時は訳が分からなかったが、ふと思い出したことがあってね…。今ならその意味が分かったような気がするよ」
「それは、どういう…?」
「ああ、リコも直ぐに分かるさ。心が穏やかに過ごせるこの場所は今にしてみれば三年間では短いぐらいだが、元の場所には家族も居るからね。長いような短いような…、来た当初はあれだけ待ち焦がれていたのにな。ふふ。不思議だね。さて、そろそろ次の場所へ挨拶に向かうとするか。リコ、それでは」
ロザリは紳士的な礼をして去って行った
キーニ達と暮らして居る家へ案内された時は、その後ろ姿に取り残されたように感じたが、その日は穏やかに見送ることができた
「リコ、ごめん、待たせたね」
「ううん、私の案内人だったロザリさんと話していたの。来週戻るんだって挨拶していたとこ」
「そっかぁ、戻るのかぁ…。俺はこの椅子を仕上げるまでは戻りたく無いなぁ」
「え?仕上げられなかったら、ずっとここに居てもいいの?」
「んー、三年間ていう区切りがあるから頑張れるのかもしれないか…。そうだなぁ、うーん」
顎に手を当て真剣に悩み出したネオを見て莉子は吹き出してしまった
「やだ、ネオったら」
「何だよ、ヒトが真剣に考えてるのに…ぷっ、でもそうだな、俺達には期間何か決められないしな。ほら、行こう!」
「うん!」
記録書を見に行った時同様、2人は手を繋ぎながら街へ向かった
「おはようございます、キーニさん。今日はネオが街のおススメ場所を案内してくれるって言うから、行って来ようと思います」
「ネオくんて、この間の子ね。ふふっ、早速仲良くなったみたいで良かったわね。楽しんでらっしゃい。帰ったら私にも聞かせてちょうだいね」
「はい、行って来ます」
家具工房に向かって歩いて行くと手前の鍛冶屋でロザリが挨拶をしているところだった
「皆も世話になったね!私も来週元の世界に戻ることになった!私が案内した者達へ、先に挨拶を済ませて置こうと思ってね!」
大きな声を張り上げていたロザリだったが、職人達はそちらを見ずに作業を続けながら、頷いただけだった
「ロザリさん!あの、先日はありがとうございました!」
「ああ、リコ!ここでは聞き辛いだろうから、家具工房の方へ行こう!」
「リコ、少し慣れてきたようだね。安心したよ」
「はい、先日記録書を見てきて…」
「そうか…。私の記録はどうなるのかな?まぁ、自分で見ることは出来ないがね」
「ロザリさんは、ここでの役目は何だったんですか?」
「ん?私かい?私はそのままさ。案内役。リキドにこの役目を指示された時は訳が分からなかったが、ふと思い出したことがあってね…。今ならその意味が分かったような気がするよ」
「それは、どういう…?」
「ああ、リコも直ぐに分かるさ。心が穏やかに過ごせるこの場所は今にしてみれば三年間では短いぐらいだが、元の場所には家族も居るからね。長いような短いような…、来た当初はあれだけ待ち焦がれていたのにな。ふふ。不思議だね。さて、そろそろ次の場所へ挨拶に向かうとするか。リコ、それでは」
ロザリは紳士的な礼をして去って行った
キーニ達と暮らして居る家へ案内された時は、その後ろ姿に取り残されたように感じたが、その日は穏やかに見送ることができた
「リコ、ごめん、待たせたね」
「ううん、私の案内人だったロザリさんと話していたの。来週戻るんだって挨拶していたとこ」
「そっかぁ、戻るのかぁ…。俺はこの椅子を仕上げるまでは戻りたく無いなぁ」
「え?仕上げられなかったら、ずっとここに居てもいいの?」
「んー、三年間ていう区切りがあるから頑張れるのかもしれないか…。そうだなぁ、うーん」
顎に手を当て真剣に悩み出したネオを見て莉子は吹き出してしまった
「やだ、ネオったら」
「何だよ、ヒトが真剣に考えてるのに…ぷっ、でもそうだな、俺達には期間何か決められないしな。ほら、行こう!」
「うん!」
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