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「この奥に閲覧部屋がある、俺は適当に図書館の方で時間潰してるから、見終わったらここで集合しよう」
入り口から直ぐの大理石でできたような小さなホールは二手に別れていた
「1人で大丈夫かな…?」
「ん?俺も前に見たことあるけど、石版に手を置くと知りたい内容に合った物が浮き出てくる仕組み。凄く驚いたけど、何も怖いこととか無いし、部屋にはその石版だけだから1人で大丈夫だよ。…不安なら扉の外で待っててやるけど。」
「…ネオも調べ物があるって言ってたもんね、大丈夫、1人で行ってくる」
「ああ、扉の前にゼルバの人が居るから、その人に申請書を見せるだけだから」
「分かった、じゃあ、あとでね、ネオ…」
少し不安もあったが申請書を見せ、閲覧の部屋に入ると、ネオの言う通り石版があった
石版に手をかざし、ここに来た日本人のことを思い浮かべた莉子は、かざしていた手の下の石版が莉子の身近にあったタブレットの画面のようになっていることに気が付き驚いた
「こ、これって…」
いくつかの人名が現れそこをタップしてみた
さまざまな時代の日本から、男性、女性が集められていることが分かった
そこには莉子が居た時代よりも過去や未来から来た者も居た
それぞれは、キーニの言う通り、役目というよりは願いを叶えていった記録が残っていた
ある者は新薬の開発をしていった者
ある者はたくさんの花を育てた者
またある者は剣の腕前を上げた者
またある者は様々な異世界人の友人を作った者
莉子はしばらくそれらを見続けて、今ここに居る自分と、記録されている人達のことを重ね、少しずつここに居ることを受け入れていこうという考えに至った
ネオと別れたホールに戻ると、そこには既にネオが待っていた
「莉子どうだった?」
「…うん、ここに居るってことは変えられないなら、何か私もやってみることにしようと思った」
「そっか。リキドの指示で直ぐにやりたいことが見つかる人と、時間の掛かる人もいるけど、自由にしたらいいと思うよ。ここは、この街から出られないって制約があるだけで、あとは基本自由だから」
「分からないことだらけだけど、ネオ、教えてね」
「もちろん!リコの居た国のこと、俺も知りたいし、あ、それとこの街のヘンテコ具合でおススメの場所もあるから、今度案内するよ!街を周るだけでも凄く楽しいからな」
「ふふっ、ありがとう」
「あ、やっと笑った!リコ、これから毎日そうやって笑えるように楽しく過ごせよ!俺も手伝うから」
莉子は漸く時が来るまでここで過ごすことを受け入れたのだった
入り口から直ぐの大理石でできたような小さなホールは二手に別れていた
「1人で大丈夫かな…?」
「ん?俺も前に見たことあるけど、石版に手を置くと知りたい内容に合った物が浮き出てくる仕組み。凄く驚いたけど、何も怖いこととか無いし、部屋にはその石版だけだから1人で大丈夫だよ。…不安なら扉の外で待っててやるけど。」
「…ネオも調べ物があるって言ってたもんね、大丈夫、1人で行ってくる」
「ああ、扉の前にゼルバの人が居るから、その人に申請書を見せるだけだから」
「分かった、じゃあ、あとでね、ネオ…」
少し不安もあったが申請書を見せ、閲覧の部屋に入ると、ネオの言う通り石版があった
石版に手をかざし、ここに来た日本人のことを思い浮かべた莉子は、かざしていた手の下の石版が莉子の身近にあったタブレットの画面のようになっていることに気が付き驚いた
「こ、これって…」
いくつかの人名が現れそこをタップしてみた
さまざまな時代の日本から、男性、女性が集められていることが分かった
そこには莉子が居た時代よりも過去や未来から来た者も居た
それぞれは、キーニの言う通り、役目というよりは願いを叶えていった記録が残っていた
ある者は新薬の開発をしていった者
ある者はたくさんの花を育てた者
またある者は剣の腕前を上げた者
またある者は様々な異世界人の友人を作った者
莉子はしばらくそれらを見続けて、今ここに居る自分と、記録されている人達のことを重ね、少しずつここに居ることを受け入れていこうという考えに至った
ネオと別れたホールに戻ると、そこには既にネオが待っていた
「莉子どうだった?」
「…うん、ここに居るってことは変えられないなら、何か私もやってみることにしようと思った」
「そっか。リキドの指示で直ぐにやりたいことが見つかる人と、時間の掛かる人もいるけど、自由にしたらいいと思うよ。ここは、この街から出られないって制約があるだけで、あとは基本自由だから」
「分からないことだらけだけど、ネオ、教えてね」
「もちろん!リコの居た国のこと、俺も知りたいし、あ、それとこの街のヘンテコ具合でおススメの場所もあるから、今度案内するよ!街を周るだけでも凄く楽しいからな」
「ふふっ、ありがとう」
「あ、やっと笑った!リコ、これから毎日そうやって笑えるように楽しく過ごせよ!俺も手伝うから」
莉子は漸く時が来るまでここで過ごすことを受け入れたのだった
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