6 / 23
6.
しおりを挟む
ヒィヤルフの街に来て一週間が過ぎた
今日は申請を出していた記録書の閲覧許可がおり、キーニに一緒に行ってもらおうと思っていたが、また新たな者が現れ莉子達の住む家に来ることになり、キーニは家に居なければならなくなった
莉子は図々しいかとも思ったが、自然と足はネオの家具工房に向かっていた
角材にカーブを付ける作業を真剣な眼差しでしていたネオに到着してからも暫く声を掛けることが出来なかった
「ん?リコ?来てたなら、声掛けてよ。俺、没頭すると周りの状況が見えなくなるんだよね。ごめんね、いつからそこに居たの?」
「今来たところ…ネオは今何を作ってるの?」
「ああ、コレ?椅子の脚なんだ。カーブを何重にも掘って優雅さを出すのが向こうで流行ってたからね。でもなかなか出来なくて、師匠にいつも手直しされてたんだ。だけど、こちらに来てから自分の思い描く物が少しずつできるようになってさ、嬉しくてついつい没頭しちゃうんだ」
「凄いね、ネオ…」
「好きなことが上手くノッてくる時の感覚って本当たまらないよね、ところでリコ今日はどうしたの?」
「あ、うん。…記録書の閲覧をしに行こうかと思って…」
「なら、今から俺と一緒に行こうか?俺も図書館に行って調べ物したいしね」
「え?いいの?」
「ああ、ちょっと片付けるから待ってて、ガハトさん、俺ちょっと行ってくる」
狼のような頭部をした人が手を止め答えた
「適当に避けたら残りは俺が片付けておくから、行って来い」
「じゃあ…お言葉に甘えます!ガハトさんよろしくお願いします!」
「無理矢理付き合わせちゃってごめんなさい…」
「いや、俺も行きたかったから無理してないよ。図書館までの行き方リコは分からないだろっ?ほら、俺が案内するから」
迷子にならないようにとネオは莉子の手を取った
「あ、ありがとう」
「うん、そうだな、謝られるより感謝される方がいいな!」
「ご、ごめ、「だから、それナシ!」
「は、はい…」
「ははっ、莉子は素直だなっ」
莉子の歩調に合わせながら、ネオは莉子の国でどんな家具が流行っていたかを質問したり、思案したりしながら図書館まで歩いた
莉子は元の世界の話をすることで、自分が元の世界きら切り離されてしまった存在では無いと思えて嬉しかった
今日は申請を出していた記録書の閲覧許可がおり、キーニに一緒に行ってもらおうと思っていたが、また新たな者が現れ莉子達の住む家に来ることになり、キーニは家に居なければならなくなった
莉子は図々しいかとも思ったが、自然と足はネオの家具工房に向かっていた
角材にカーブを付ける作業を真剣な眼差しでしていたネオに到着してからも暫く声を掛けることが出来なかった
「ん?リコ?来てたなら、声掛けてよ。俺、没頭すると周りの状況が見えなくなるんだよね。ごめんね、いつからそこに居たの?」
「今来たところ…ネオは今何を作ってるの?」
「ああ、コレ?椅子の脚なんだ。カーブを何重にも掘って優雅さを出すのが向こうで流行ってたからね。でもなかなか出来なくて、師匠にいつも手直しされてたんだ。だけど、こちらに来てから自分の思い描く物が少しずつできるようになってさ、嬉しくてついつい没頭しちゃうんだ」
「凄いね、ネオ…」
「好きなことが上手くノッてくる時の感覚って本当たまらないよね、ところでリコ今日はどうしたの?」
「あ、うん。…記録書の閲覧をしに行こうかと思って…」
「なら、今から俺と一緒に行こうか?俺も図書館に行って調べ物したいしね」
「え?いいの?」
「ああ、ちょっと片付けるから待ってて、ガハトさん、俺ちょっと行ってくる」
狼のような頭部をした人が手を止め答えた
「適当に避けたら残りは俺が片付けておくから、行って来い」
「じゃあ…お言葉に甘えます!ガハトさんよろしくお願いします!」
「無理矢理付き合わせちゃってごめんなさい…」
「いや、俺も行きたかったから無理してないよ。図書館までの行き方リコは分からないだろっ?ほら、俺が案内するから」
迷子にならないようにとネオは莉子の手を取った
「あ、ありがとう」
「うん、そうだな、謝られるより感謝される方がいいな!」
「ご、ごめ、「だから、それナシ!」
「は、はい…」
「ははっ、莉子は素直だなっ」
莉子の歩調に合わせながら、ネオは莉子の国でどんな家具が流行っていたかを質問したり、思案したりしながら図書館まで歩いた
莉子は元の世界の話をすることで、自分が元の世界きら切り離されてしまった存在では無いと思えて嬉しかった
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
私のことを愛していなかった貴方へ
矢野りと
恋愛
婚約者の心には愛する女性がいた。
でも貴族の婚姻とは家と家を繋ぐのが目的だからそれも仕方がないことだと承知して婚姻を結んだ。私だって彼を愛して婚姻を結んだ訳ではないのだから。
でも穏やかな結婚生活が私と彼の間に愛を芽生えさせ、いつしか永遠の愛を誓うようになる。
だがそんな幸せな生活は突然終わりを告げてしまう。
夫のかつての想い人が現れてから私は彼の本心を知ってしまい…。
*設定はゆるいです。
アダムとイヴ
桃井すもも
恋愛
私には、婚約者がおります。
その名をアダム様と仰います。
私の名がイヴですから、アダムとイヴで「創世記」の例のお騒がせカップルと同じ名ですね。
けれども、彼等と私達は違います。
だって、アダム様には心を寄せる女性(ひと)がいらっしゃるのですから。
「偶然なんてそんなもの」のお二人も登場します。
からの
「ままならないのが恋心」へ連なります。
❇例の如く、100%妄想の産物です。
❇妄想遠泳の果てに波打ち際に打ち上げられた、妄想スイマーによる寝物語です。
疲れたお心とお身体を妄想で癒やして頂けますと泳ぎ甲斐があります。
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
王妃の手習い
桃井すもも
恋愛
オフィーリアは王太子の婚約者候補である。しかしそれは、国内貴族の勢力バランスを鑑みて、解消が前提の予定調和のものであった。
真の婚約者は既に内定している。
近い将来、オフィーリアは候補から外される。
❇妄想の産物につき史実と100%異なります。
❇知らない事は書けないをモットーに完結まで頑張ります。
❇妄想スイマーと共に遠泳下さる方にお楽しみ頂けますと泳ぎ甲斐があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる