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キーニの説明を聞きながら、莉子はいつの間にか泣きながら眠ってしまっていた
コトッと何かの音がして目を覚ました莉子は薄っすらと目を開けた
「…夢じゃなかったんだ」
肩には薄布が掛けられていた
莉子の世界には無い物だった
「あら、目を覚ましたのね」
「キーニさん…。三年後に帰れるのは分かりましたが、その帰してくれるって言うゼルバ国の人に、今から会いに行って頼むことは出来ないんですか?」
「…そうね、私も初めは同じことを考えたわ。でもゼルバ国の人達はこちらに自由に来ることができるけど、私達の意思でゼルバ国の人達には会うことはできないのよ。…もう、あなたも見たと思うけど、私達がここを出ようとすると何も無くなるの、そう、本当に無くなるの…。だから、嫌でも受け入れて三年を待つのよ。三年経った者だけがこの街を出て元に戻れるのだから」
「な、なんで、そんなことが信じられるんですか?元に戻った人は本当に居るんですか?それに、誰がそれを確かめたんですか?」
集められた者の中に、幼い頃自分の祖父が、三年間のこちらの記憶を持っているとお伽話のように話してくれたことがあると言ってたことが記録に残っている
このヒィヤルフの街には色々な役目を持った者達の残した記録書があるという
ニーキも自分と同じ世界から来た者が居たことをその記録書で見てから、落ち着き、覚悟を決めたらしい
「ゼルバ国のリキドという男がそれぞれの役目について指示を出すの。私はこの家を管理し、リコのようにここに来る者達の相談役になるよういわれたわ」
「その役目って、私には心当たりが何も無いです。何かができるとも思えない…」
「それが不思議なんだけど、子供の頃の願いをここで叶えるの。皆そう言ってるわ。リコも何か子供の頃になりたかったこととか、したかったこととか無かった?多分それがリコの役目よ」
子供の頃莉子は絵を描くのが好きだった
年齢に合わず絵の才が有り、一時期は将来絵描きになりたいと思ったこともあった
だが、周りは絵の上手さだけではダメだと言い、莉子は大好きだった絵を描くことに楽しさを感じられなくなり、描くのを辞めてしまった
莉子がこちらに来てから4日目の朝、
リキドが莉子の前に現れた…
コトッと何かの音がして目を覚ました莉子は薄っすらと目を開けた
「…夢じゃなかったんだ」
肩には薄布が掛けられていた
莉子の世界には無い物だった
「あら、目を覚ましたのね」
「キーニさん…。三年後に帰れるのは分かりましたが、その帰してくれるって言うゼルバ国の人に、今から会いに行って頼むことは出来ないんですか?」
「…そうね、私も初めは同じことを考えたわ。でもゼルバ国の人達はこちらに自由に来ることができるけど、私達の意思でゼルバ国の人達には会うことはできないのよ。…もう、あなたも見たと思うけど、私達がここを出ようとすると何も無くなるの、そう、本当に無くなるの…。だから、嫌でも受け入れて三年を待つのよ。三年経った者だけがこの街を出て元に戻れるのだから」
「な、なんで、そんなことが信じられるんですか?元に戻った人は本当に居るんですか?それに、誰がそれを確かめたんですか?」
集められた者の中に、幼い頃自分の祖父が、三年間のこちらの記憶を持っているとお伽話のように話してくれたことがあると言ってたことが記録に残っている
このヒィヤルフの街には色々な役目を持った者達の残した記録書があるという
ニーキも自分と同じ世界から来た者が居たことをその記録書で見てから、落ち着き、覚悟を決めたらしい
「ゼルバ国のリキドという男がそれぞれの役目について指示を出すの。私はこの家を管理し、リコのようにここに来る者達の相談役になるよういわれたわ」
「その役目って、私には心当たりが何も無いです。何かができるとも思えない…」
「それが不思議なんだけど、子供の頃の願いをここで叶えるの。皆そう言ってるわ。リコも何か子供の頃になりたかったこととか、したかったこととか無かった?多分それがリコの役目よ」
子供の頃莉子は絵を描くのが好きだった
年齢に合わず絵の才が有り、一時期は将来絵描きになりたいと思ったこともあった
だが、周りは絵の上手さだけではダメだと言い、莉子は大好きだった絵を描くことに楽しさを感じられなくなり、描くのを辞めてしまった
莉子がこちらに来てから4日目の朝、
リキドが莉子の前に現れた…
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