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ロザリに支えられながら、莉子は立ち上がりこれから住むという場所に案内された
「リコちゃんだったね。まだ、夢か何かに思えるだろう。でもね、私達の言葉が通じているのも不思議では無いかい?恐らくだが、君の話している言語は本来、私には通じないだろう。だが、こうして君と意思疎通が出来ている。それがこのヒィヤルフなんだ」
言われた言葉でロザリを見た莉子は、周囲を見渡した
確かに街を歩いている者達が何を話しているのか理解できる
「で、でも、夢だから…。夢よ、きっとそう」
「しばらくは役目に付くことも無いから、少しずつ慣れるようになるよ。そして、受け入れるようにもなる。大丈夫、何度も言ったが三年後には帰れるんだ。気を落とさずにね。困ったことがあったら、この家のキーニに相談するんだよ。彼女はこの家に住む者達の相談役だからね」
莉子が案内された家は西洋の一軒家のような作りだった
「キーニ、私だ、ロザリだ。連れて来たよ。開けてくれ」
ライオンを象ったノッカーで扉を叩けば
「あら、早かったのね。ようこそ。さぁ、中へ。ロザリから聞いてると思うけど、私はキーニよ。これから二年間あなたの相談役になるから、よろしくね」
水色の肌をした女性が現れた
「…莉子です。あの、キーニさん、どうやったら元に戻れますか?三年なんか待たなくても方法があるのなら、今から帰ります。お願いです、教えて下さい。ここで住むなんて、嫌です…私、私、戻りたい…。戻りたいんです。グスッ、お願い帰して。突然こんなとこに来て、私何も知らない…。お願いです、今すぐ帰して下さい…、グスッお母さん、お母さーん…」
キーニは莉子を優しく抱きしめ、ポンポンと背を、子供をあやすようになでた
「直ぐには無理よね。いいのよ、泣いて。大丈夫。今日はずっとリコの側に居てあげるから。その前にお茶を飲みましょう。心が落ち着くわ」
「キーニ、すまないな。私はここまでだ。リコまたな」
「…ロザリさん、、。」
「ああ、いいよ、リコ、また私も来るからね」
「はい…」
莉子は入って来た扉をずっと見続けていた
「リコ、とりあえず座って。お茶を淹れるわ。」
ふわりとジャスミンティーのような香りのお茶を中華風の茶器に注ぎ、優しく微笑みながら莉子の前に置いた
「それを飲みながら聞いてちょうだい。この街のこと、ここに住む人達のこと、ゼルバ国のこと一つずつ説明するわね」
まだ涙は止まらない莉子だったがコクリと頷いた
「リコちゃんだったね。まだ、夢か何かに思えるだろう。でもね、私達の言葉が通じているのも不思議では無いかい?恐らくだが、君の話している言語は本来、私には通じないだろう。だが、こうして君と意思疎通が出来ている。それがこのヒィヤルフなんだ」
言われた言葉でロザリを見た莉子は、周囲を見渡した
確かに街を歩いている者達が何を話しているのか理解できる
「で、でも、夢だから…。夢よ、きっとそう」
「しばらくは役目に付くことも無いから、少しずつ慣れるようになるよ。そして、受け入れるようにもなる。大丈夫、何度も言ったが三年後には帰れるんだ。気を落とさずにね。困ったことがあったら、この家のキーニに相談するんだよ。彼女はこの家に住む者達の相談役だからね」
莉子が案内された家は西洋の一軒家のような作りだった
「キーニ、私だ、ロザリだ。連れて来たよ。開けてくれ」
ライオンを象ったノッカーで扉を叩けば
「あら、早かったのね。ようこそ。さぁ、中へ。ロザリから聞いてると思うけど、私はキーニよ。これから二年間あなたの相談役になるから、よろしくね」
水色の肌をした女性が現れた
「…莉子です。あの、キーニさん、どうやったら元に戻れますか?三年なんか待たなくても方法があるのなら、今から帰ります。お願いです、教えて下さい。ここで住むなんて、嫌です…私、私、戻りたい…。戻りたいんです。グスッ、お願い帰して。突然こんなとこに来て、私何も知らない…。お願いです、今すぐ帰して下さい…、グスッお母さん、お母さーん…」
キーニは莉子を優しく抱きしめ、ポンポンと背を、子供をあやすようになでた
「直ぐには無理よね。いいのよ、泣いて。大丈夫。今日はずっとリコの側に居てあげるから。その前にお茶を飲みましょう。心が落ち着くわ」
「キーニ、すまないな。私はここまでだ。リコまたな」
「…ロザリさん、、。」
「ああ、いいよ、リコ、また私も来るからね」
「はい…」
莉子は入って来た扉をずっと見続けていた
「リコ、とりあえず座って。お茶を淹れるわ。」
ふわりとジャスミンティーのような香りのお茶を中華風の茶器に注ぎ、優しく微笑みながら莉子の前に置いた
「それを飲みながら聞いてちょうだい。この街のこと、ここに住む人達のこと、ゼルバ国のこと一つずつ説明するわね」
まだ涙は止まらない莉子だったがコクリと頷いた
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