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監禁エンド

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 固まってしまった彼女をゆっくりと寝台の上に下ろし、こちらに向き直させた。

「待って、ちょっと待って…。状況が全く理解出来てないんだけど…。セ、セフィーロのことは、何とも想ってないってこと?

 我に返ったようにそれまで黙っていた彼女が手のひらをこちらに向けて静止しようとしてきた。彼女から目を逸らさず、片方でモノクルを寝台脇に置き、もう片方の手で彼女のその手の先を掴みキスを一つ。

「…あの虫を人間扱いしたことなど一度も無いが?」

 そのまま身体を引き寄せ、パーティー用のドレスに手を掛ける。ボタンを二つほど外したところで肩口からするりと彼女から抜き取る。その間も彼女のどこかしらにキスをし続けて。

「で、でも、留学先の宝石を貰ったって…」

 自分のシャツを脱ぎ捨て、ズボンのベルトに手を掛ける。

「君に渡せとある者が送って寄越した。それを落としたらこうなった」
「え?じゃあカミユからじゃないの?彼女わたしに自慢してきて…、って、……何で脱いでるの!」

「今から君と交わる」チュッ
「おぅふっ、。蕩けそうな甘い目…。破壊力半端ないな…。で、いつからなの?」

「コレのことか?」

 下穿きから我慢し切れなかったのか、ブルンと勢いよく飛び出したソレを見て、彼女は口をあんぐりと開けていた。

「宣言した通り、君が驚くほどにはなったようだな」
「そ、そ、そ、そ、そっちのことじゃなくて…そっちのこともだけど、っていうか、何見せてんの!!」

 質問されながらも彼女をマットにゆっくりと倒し、下着を捲り、現れた白桃を掌と指でその柔らかさを確認するように揉みしだく。

「自覚したのは先程だ。だがずっと君が私の全てだった。それはこれからもだ。こっちのは確認する必要があるだろう?今から自分の中に挿入る物だしな」
「いや、いや、いや、無理だし、そ、そんなの挿入らないって…。てっ、そんなとこに顔近付けちゃダメ」

「挿入らなくはないぞ。生物学で学んだからな」
「生物学で学ぶのそこぉ?いや、…だから、…舐めないで、ンンっ…」

「拒絶されるほどになったようだから、充分に解さなければ辛いぞ」
「それは確かに…、いや、だから、そうじゃなくて、カ、カミユは、ほ、本当にわたしなんかで良い、の?ちっこくて、ま、まん丸で、顔だってへんちくりんで、か、可愛くもないし…好きに、なって、も、もらうようなとこ、どこにも、ないっ…。アンっ、ンッ」

「ああ、確かに丸っこくて可愛いソレは私の愛する婚約者だな」
「モ、モノクルの度が、合って、ないん、んっ、じゃ、アッ、ないの、ンッ」

「いや、定期的に検査しているし、視力に関しては問題無い」

 彼女の中を傷付けないようにゆっくりと指を挿入れる。まだ狭くて内肉は硬い。

「痛いか?」
「い、痛くないけど、…わ、わたしも、カミユを好きになって、も良い…の?」
 
「駄目だ」
「えっ…」

「好きだけでは駄目だ。私無しでは居られないほど、私を求め、愛して欲しい。他者を愛しむ君を勿論愛しているが、私だけを見て、私だけのメリルになって欲しい。私だけが君の全てで在りたい。だが、君の魅力は自由であってこそ。それは理解しているつもりだ。だから自由を奪わない程度に私だけの君で在って欲しい。

「そ、そんなの前世から、だよ…。ずっとカミユ推しで、カミユが幸せになれる、ことだけ、考えて、た」

「指を増やすぞ」

「す、好きなの、カミユ…。カミユが大好きで、カミユの、ことでいっぱいで…でも、諦めなきゃって…。カミユの婚約者になれた、ことだけでも、幸せ、で、それだけで…。カミユの、想う人と結ばれて、幸せに、なれるように、…ヤンデレにさせない、ンッ、ように…胸と両方いっぺんには、だめぇ、ンッ、アッ、…」

「私をこれほど溺れさせたのは君だ。私の幸せは君と共に在ることだ」

「カ、カミユ、もう、だめぇ、な、なんか来ちゃう…」
「一度イッておけ」

「…んんっ、あっ、アアッ!!!!」

 ビクッと身体をさせた後、全身の力が抜けたことで、彼女がイッたことが解った。だが、まだ指を挿入れているそこはまだキツく、私を受け入れるには苦痛を伴うだろうことが予測でき、こういった宿の寝台脇に備えられている香油を手に取った。

 指を一度引き抜き、それを垂らして絡ませ、一本から二本、二本から三本と指を増やす。バラバラと中で動かしながら胸の尖りを舌で刺激し、彼女の反応を見る。

「い、今イッた、とこ、だからぁ、…」

 中が充分に解れ、潤ったことを確認し、待ち切れず先走りが溢れ始めたそれを彼女に当てがった。

「挿入れるぞ」

 初めてはかなりの痛みを伴うと聞く。長く痛みを与えるよりは無理にでも押し開き、最小限に抑えようと一気に腰を進めた。

「ぴ、ぴぎゃぁ!………」

 カエルが潰されたような声を一声上げた後、彼女は白目をむいて動かなくなってしまった。


 ……………。

 息をしていることを確認し、気を失っている今の内に、彼女の身体に自身の形を覚えさせることにした。


 二度目の吐精を終え、クタッとなったままの彼女を抱き起こし、座った姿勢をとった。この間、ずっと彼女の中に挿入ったまま。
 そして、漸く彼女は意識を取り戻し始めた。

「ンン、アんっ…、凶器…だめ…、死んじゃう…ンッ…」
「もう、痛みは和らいだだろう?」

「ンッ?…カ、ミユ…?」
「気を失っていた間に私ので潤しておいたからな」

「ンン、…潤…す…?」
「ああ、二回ほど中に吐精しておいた」

 下から、緩やかに腰を突き上げながら、もう痛みが無いことを確認する。

「な、中出しぃいい?」
「ああ、お互いの想いも確認し合ったことだし、私達は結婚するんだ、問題無いだろう?」

「え、あ、いや、…ん、あんっ…」
「子は君が望む時で良い。後から避妊薬を飲めば問題無い」

「え、う、うん…、」
「目覚めたんだ、激しくしても問題無いな」

「え、あ、ウソ!やんっ、…」



 こうして予約しておいた通り、一週間、ほぼずっと身体を繋げたまま過ごし、宿を後にした。





 カルマンギアに到着し、彼女を抱えて馬車を降りれば、先に入国し、待っていた例の侍女が、駆け寄り泣きながら叫んだ。

「お嬢様ぁああ、監禁エンドかと思ったじゃないですかぁああ!!!」

 相変わらず人聞きが悪い…。
 
 わ、僅かだが、本当に僅かだが、そのまま監禁してしまいたいと思ったことが無かったわけでは無いので、ここは咎めないことにしよう…。

 


 





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