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イエス!リキの呪縛から逃れたぞ!
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「アイリーン嬢…以前は済まなかった。それとレティシアという素晴らしい女性と出逢わせてくれてありがとう」
卒業式の日、この国の第三王子ルミナスが声を掛けてきた
第三王子は極度の二の腕フェチ
アイリーンの二の腕を何度も狙い、二の腕コンプレックスを持つレティシアに譲渡したという経緯があった
今もさり気なく、レティシアの二の腕をモミモミしてご満悦な表紙を浮かべている
レティシアも、嫌がる事なく、自由に触らせていた
「いえ。レティシアを大切にして下さい。この学園で最初に出来た私の大切な友人です、ルミナス王子、幸せにしてあげて下さいませね」
変わらず二の腕をタプタプ、モミモミさせながら
「ああ、勿論だとも。アイリーン嬢、卒業おめでとう」
「ありがとうございます」
アイリーンは卒業までの飛び級に合格した
「アイリーン嬢、おめでとう」
卒業パーティーのエスコート役はエイダンだった
「ありがとうございます、エイダン様」
「明後日の私の出発に合わせて貰って済まないね。準備はもう大丈夫そうかい?」
アイリーンは卒業を機に隣国クーンへ向かうことにした
変態ばかりのこの学園を去り、クーンで穏やかな生活をすることを願ったからだ
「もう、準備は完璧ですわ。明後日が待ち切れない程楽しみです」
「それは良かった。…アイリーン嬢」
徐にエイダンは跪きアイリーンに手を差し出した
「アイリーン嬢、貴女を生涯の伴侶としてクーンに迎えたい。どうか受け入れて貰えないだろうか」
突然の公開プロポーズだった
一国の王太子のプロポーズに会場に居た皆がその場を見守った
エイダンは全てにおいてアイリーンの理想にピッタリだった
容姿端麗、頭脳明晰、穏やかで優しく気配りが出来、この飛び級試験もずっと側で支えてくれた
アイリーンの答えは決まっていた
「はい…。謹んでお受け致します」
頬を染め承諾の意味を込めてエイダンの手取った
会場中から割れんばかりの拍手が鳴り響いた
王立学園のこの卒業パーティーに参加していた国王もこれを喜び挨拶をした
「皆の卒業を迎えるこの良き日に、この国からクーン国との確固たる繋がりが約束された。これ程嬉しいことは無い。二人に改めて祝いの言葉を送ろう。両国の末長く続く繁栄とこの若き二人に!乾杯!」
会場の皆、グラスを掲げ祝福ムードを味わった
アイリーンは夢のようだった
以前両親からの手紙にヒントは名前にあると書かれていた
前世からの名前の一文字を皆引き継いでいる
エイダンはそれに該当しない
イエス!
今世はリキから逃れ自分から幸せを掴み取ったと、小躍りしたい気持ちを抑え、エイダンのエスコートの元ダンスを始めた
屋敷に戻り久しぶりに家族とゆっくりと過ごす筈だった
アイリーンの報告を受け両親も兄も慌てた様子で自分達もクーン王国へ行く準備を始めた
「父さん、何日ぐらいの滞在期間になるんだろう?」
「あら、啓斗はお城勤めがあるから向こうでは三日ぐらいじゃないかしら?」
「そうだなぁ、啓斗は早々に帰国しなきゃいけないが、外交の仕事だと言って我々は二週間ぐらいゆっくりしようか?」
「お父さん!そうしましょう!ならあれも持っていかなきゃね」
「母さん、忘れないようにね」
バタバタと準備をしている家族を横目に見ながら、アイリーンは隣国クーンでの生活とエイダンに想いを馳せていたのだった
卒業式の日、この国の第三王子ルミナスが声を掛けてきた
第三王子は極度の二の腕フェチ
アイリーンの二の腕を何度も狙い、二の腕コンプレックスを持つレティシアに譲渡したという経緯があった
今もさり気なく、レティシアの二の腕をモミモミしてご満悦な表紙を浮かべている
レティシアも、嫌がる事なく、自由に触らせていた
「いえ。レティシアを大切にして下さい。この学園で最初に出来た私の大切な友人です、ルミナス王子、幸せにしてあげて下さいませね」
変わらず二の腕をタプタプ、モミモミさせながら
「ああ、勿論だとも。アイリーン嬢、卒業おめでとう」
「ありがとうございます」
アイリーンは卒業までの飛び級に合格した
「アイリーン嬢、おめでとう」
卒業パーティーのエスコート役はエイダンだった
「ありがとうございます、エイダン様」
「明後日の私の出発に合わせて貰って済まないね。準備はもう大丈夫そうかい?」
アイリーンは卒業を機に隣国クーンへ向かうことにした
変態ばかりのこの学園を去り、クーンで穏やかな生活をすることを願ったからだ
「もう、準備は完璧ですわ。明後日が待ち切れない程楽しみです」
「それは良かった。…アイリーン嬢」
徐にエイダンは跪きアイリーンに手を差し出した
「アイリーン嬢、貴女を生涯の伴侶としてクーンに迎えたい。どうか受け入れて貰えないだろうか」
突然の公開プロポーズだった
一国の王太子のプロポーズに会場に居た皆がその場を見守った
エイダンは全てにおいてアイリーンの理想にピッタリだった
容姿端麗、頭脳明晰、穏やかで優しく気配りが出来、この飛び級試験もずっと側で支えてくれた
アイリーンの答えは決まっていた
「はい…。謹んでお受け致します」
頬を染め承諾の意味を込めてエイダンの手取った
会場中から割れんばかりの拍手が鳴り響いた
王立学園のこの卒業パーティーに参加していた国王もこれを喜び挨拶をした
「皆の卒業を迎えるこの良き日に、この国からクーン国との確固たる繋がりが約束された。これ程嬉しいことは無い。二人に改めて祝いの言葉を送ろう。両国の末長く続く繁栄とこの若き二人に!乾杯!」
会場の皆、グラスを掲げ祝福ムードを味わった
アイリーンは夢のようだった
以前両親からの手紙にヒントは名前にあると書かれていた
前世からの名前の一文字を皆引き継いでいる
エイダンはそれに該当しない
イエス!
今世はリキから逃れ自分から幸せを掴み取ったと、小躍りしたい気持ちを抑え、エイダンのエスコートの元ダンスを始めた
屋敷に戻り久しぶりに家族とゆっくりと過ごす筈だった
アイリーンの報告を受け両親も兄も慌てた様子で自分達もクーン王国へ行く準備を始めた
「父さん、何日ぐらいの滞在期間になるんだろう?」
「あら、啓斗はお城勤めがあるから向こうでは三日ぐらいじゃないかしら?」
「そうだなぁ、啓斗は早々に帰国しなきゃいけないが、外交の仕事だと言って我々は二週間ぐらいゆっくりしようか?」
「お父さん!そうしましょう!ならあれも持っていかなきゃね」
「母さん、忘れないようにね」
バタバタと準備をしている家族を横目に見ながら、アイリーンは隣国クーンでの生活とエイダンに想いを馳せていたのだった
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