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変態という名の容疑者をティムしました
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スローンをリキかもと疑うのは無理も無かった
リキは俗に言う変態だったからだ
小学校に上がる前、家に遊びに来ていたリキは、三人でかくれんぼしよう!と言ってきた
彩菜が鬼になり早々にリキが隠れた場所…
それは彩菜のスカートの中だだった
こういった変態の片鱗を見せては、あの可愛い顔でワザとじゃ無いよ感を出す
距離を置きたいと思っても、ワザとじゃ無いなら…と絆され許していた彩菜は、中学の登下校も一緒にしようと言われた時、嫌とは言えなかった
股間を抑えカタカタと震えていたスローンは怯えているのかと思いきや…
「アイリーン嬢、いえ、アイリーン様…摘み取っていただけるのですか?」
頬を染めて嬉しそうにポソリと呟いた
…………どうしましょう、コレ
「…スローン様、私、先程は驚いてあのような事を申し上げましたが、そのような趣味趣向はございませんの。他をあたって頂けません?」
「アイリーン様、先程のような口調で罵り下さいませ」
「………もう、寮に戻って荷解きをせねばなりませんので、失礼致します」
スローンをその場に残し、足早に立ち去った
残されたスローンはキャッ!と乙女が両手で顔を抑えるかのようなポーズを取り一人呟いた
「いやん、放置プレイ…」
その日から、アイリーンの前に事あるごとに現れては
「アイリーン様、お荷物お持ちします!」
などと言って完全な従者のようになったスローンとアイリーンの構図は完全に女王様と犬だった
「アイリーン様、今日も犬…いえスローン様、別棟からお見えになってましたけど、あの方ご自分の授業大丈夫なのかしらねぇ」
学園生活が始まって早々に仲良くなったレティシアが言った
「…はぁ。どうなんでしょうねぇ。あの方あんな感じですが、優秀らしいので大丈夫なんでしょうねぇ。でも、私、こんな事言ってはなんですが、ゆっくり出来なくて…」
スローンがリキなら前世より変態が増し増しになっている
何より、今世でぐらいは誰かに纏わり付かれ恋愛が出来なくなるのは避けたい
あの犬…スローン様の飼い主を早々に見つけて差し上げなきゃ
私のレッツエンジョイ学園ライフを死守しなくてはいけませんからね
「レティシア様はどなたかご存知有りません?眼鏡を掛けた犬を飼いたいっていう方」
「あら、それでしたらバイオレット様が適任じゃないかしら?以前からあの方を狙っていたようですし」
変態眼鏡を早々に譲渡するためバイオレットの寮室を訪ねた
「バイオレット様、今よろしいですか?」
「どうぞ」
先輩バイオレットは一つ上の大人びた雰囲気の令嬢だった
部屋に招き入れられ、アイリーンは固まった
……この人・・・
そう、バイオレットの部屋には色々な角度のスローン姿絵が所狭しと飾られていた
「ようこそ、アイリーン嬢」
「お時間をいただきありがとうございます。バイオレット様、実は折り入ってお話が…」
「あら、何かしら?」
「スローン様の事です」
それまでにこやかにしていたバイオレットの顔がスローンの名前が出た途端、興奮した様子で前のめりになった
「バイオレット様、失礼ながら、スローン様にご好意をお寄せになってるとうかがいました。差し出がましいようですが、ある情報を手に入れましたので、是非バイオレット様のお耳にと思いまして…」
「何?何なの?スローン様の事なら何でも教えて頂戴!」
食い気味に乗ってきたバイオレットにアイリーンはあの犬を手懐ける方法をアドバイスした
「………そうなの。私、今までスローン様に好かれたいと真逆の行動を取っておりましたわ…。アイリーン嬢、ありがとう!私、間違っておりました。淑やかに儚そうに演じておりましたが、ありのままの私でぶつかってみますわ!!!」
腕を組み顎をツンとさせ、自信たっぷりにバイオレットは宣言したのであった
リキは俗に言う変態だったからだ
小学校に上がる前、家に遊びに来ていたリキは、三人でかくれんぼしよう!と言ってきた
彩菜が鬼になり早々にリキが隠れた場所…
それは彩菜のスカートの中だだった
こういった変態の片鱗を見せては、あの可愛い顔でワザとじゃ無いよ感を出す
距離を置きたいと思っても、ワザとじゃ無いなら…と絆され許していた彩菜は、中学の登下校も一緒にしようと言われた時、嫌とは言えなかった
股間を抑えカタカタと震えていたスローンは怯えているのかと思いきや…
「アイリーン嬢、いえ、アイリーン様…摘み取っていただけるのですか?」
頬を染めて嬉しそうにポソリと呟いた
…………どうしましょう、コレ
「…スローン様、私、先程は驚いてあのような事を申し上げましたが、そのような趣味趣向はございませんの。他をあたって頂けません?」
「アイリーン様、先程のような口調で罵り下さいませ」
「………もう、寮に戻って荷解きをせねばなりませんので、失礼致します」
スローンをその場に残し、足早に立ち去った
残されたスローンはキャッ!と乙女が両手で顔を抑えるかのようなポーズを取り一人呟いた
「いやん、放置プレイ…」
その日から、アイリーンの前に事あるごとに現れては
「アイリーン様、お荷物お持ちします!」
などと言って完全な従者のようになったスローンとアイリーンの構図は完全に女王様と犬だった
「アイリーン様、今日も犬…いえスローン様、別棟からお見えになってましたけど、あの方ご自分の授業大丈夫なのかしらねぇ」
学園生活が始まって早々に仲良くなったレティシアが言った
「…はぁ。どうなんでしょうねぇ。あの方あんな感じですが、優秀らしいので大丈夫なんでしょうねぇ。でも、私、こんな事言ってはなんですが、ゆっくり出来なくて…」
スローンがリキなら前世より変態が増し増しになっている
何より、今世でぐらいは誰かに纏わり付かれ恋愛が出来なくなるのは避けたい
あの犬…スローン様の飼い主を早々に見つけて差し上げなきゃ
私のレッツエンジョイ学園ライフを死守しなくてはいけませんからね
「レティシア様はどなたかご存知有りません?眼鏡を掛けた犬を飼いたいっていう方」
「あら、それでしたらバイオレット様が適任じゃないかしら?以前からあの方を狙っていたようですし」
変態眼鏡を早々に譲渡するためバイオレットの寮室を訪ねた
「バイオレット様、今よろしいですか?」
「どうぞ」
先輩バイオレットは一つ上の大人びた雰囲気の令嬢だった
部屋に招き入れられ、アイリーンは固まった
……この人・・・
そう、バイオレットの部屋には色々な角度のスローン姿絵が所狭しと飾られていた
「ようこそ、アイリーン嬢」
「お時間をいただきありがとうございます。バイオレット様、実は折り入ってお話が…」
「あら、何かしら?」
「スローン様の事です」
それまでにこやかにしていたバイオレットの顔がスローンの名前が出た途端、興奮した様子で前のめりになった
「バイオレット様、失礼ながら、スローン様にご好意をお寄せになってるとうかがいました。差し出がましいようですが、ある情報を手に入れましたので、是非バイオレット様のお耳にと思いまして…」
「何?何なの?スローン様の事なら何でも教えて頂戴!」
食い気味に乗ってきたバイオレットにアイリーンはあの犬を手懐ける方法をアドバイスした
「………そうなの。私、今までスローン様に好かれたいと真逆の行動を取っておりましたわ…。アイリーン嬢、ありがとう!私、間違っておりました。淑やかに儚そうに演じておりましたが、ありのままの私でぶつかってみますわ!!!」
腕を組み顎をツンとさせ、自信たっぷりにバイオレットは宣言したのであった
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