【完結】転生したんだから前世とは違う生き方させてくれ!

まめ

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前世ではマシュマロカップルと呼ばれてました

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リキは前世で同じ歳の幼馴染み
産まれる前からの付き合いだ
隣の小学校に通っていたリキ一家は、リキの
「彩ちゃんともっと一緒にいたい」
の一言で、ちょうどそのタイミングで売りに出た斜向かいに引越して来た
幼い頃からどこか冷静な彩菜は、息子の一言で引っ越して来た一家に
「甘やかし過ぎるとろくでもない奴になる!」
と助言したのだった
この助言が役に立てば問題無かったのだが…

今世でもそうだが、彩菜の両親は兄を含めて良く言えば楽天家
悪く言えば能天気
その友人夫婦も然り

リキは何かというと彩菜に纏わり付き、中学校で彩菜の初恋を駄目にした
彩菜は一つ上の部活の先輩に憧れて、部活終わりに友達女子と待ち伏せて手紙を渡そうとしていたところ、突然リキが現れ
「彩ちゃん!彩ちゃんのマシュマロおっぱい最高!」
と謎のセクハラ発言をしてその場を立ち去った
勿論、幼馴染とは言え、胸など見せたことも無い
何も知らない者達がその発言を聞いて、どう思うかは想像容易く、あっという間に彩菜とリキは噂の的になった
その発言に危うく友人まで失い掛けた彩菜は、それまで望まない登下校を一緒にしていたがその日以来やめた

母親に涙ながらにそのことを告げるも、
「あら、マシュマロおっぱいなんて理想的じゃない!いいわねぇ、お母さんなんか…
と何故か羨ましいとまで言われまともに聞いて貰えなかった
言わずもがなリキの母親も同様な事を言った

リキはマシュマロおっぱい発言をするまで、かなり女子に人気があった
だがその発言以降、一部の勇者を除き表だってリキに好意を示さなくなった

ニ、三週間が経った頃
「彩ちゃん、お願いだから僕と一緒に帰って」
と男子のくせに上目遣いで目に涙を浮かべてリキが言ってきた
リキの可愛らしい顔でのお願いに弱いのは、甘やかすな発言をしていた当の彩菜もだった
「……、もう二度とあんなこと言わない?」
「うん、約束する!」
「……、今回は許してあげる。だけど、何であんなこと言ったの?」
「だって、彩ちゃんのおっぱい、本当に白くてホワンとしてて、揉みごた…
彩菜は慌ててリキの口を手で押さえた
チラリと周りを見て誰も居ないことを確認し、リキに問いただした
「ええっと、リキくん?まさかとは思うけど、見た?そいでもって触った?」
「うん!」
「!!!えっ?いつ?!!!」
「いつも」
「は?」
「夢の中で」
「………リキくんや、君それ妄想…。あのねぇ、リキくん、どんな夢を見たのか聞きたくも無いけど、夢と現実をごっちゃにしてはダメだよ」
「うん、分かった」

リキは馬鹿では無い
成績は常に上位
スポーツもそつなくこなす
自分の顔の活かし方も知っている
だが、いつも彩菜にべったりで、彩菜の前では年齢より幼い子のようになっていた
それに輪をかけて、先日のマシュマロおっぱい発言
気が付けば二人はマシュマロカップルと呼ばれていた
一見聞こえは良いが語源はマシュマロおっぱい…
彩菜には黒歴史以外の何ものでも無かった




そんなリキを回想し、まさかと思い尋ねた
「お父様、まさかとは思いますが、領地に良く遊びに来ていたディーン君がリキでは無いですよね…?」
両手で大きくバツを作り、まだドッキリイベントから抜け出せない両親は声を揃えて言った
「「ブッ、ブー!残~念~!ハズレ」」
「母さん、やっぱり勘違いしたね」
「本当ね、お父さん」
クスクスと笑い出した両親にアイリーンは能面のように無表情になり更に尋ねた
「では、リキ一家は今、何・処・にいらっしゃるのですか?」
「え~正解教えたら面白く無いから秘密~」
「…………お父様、前世ではしがないサラリーマンでしたが、今世では立派な爵位を持つお立場。品位を損なうような言動はお辞めください!!!」
「母さん、正解が分から無いからって彩菜が冷たい」
隣で元真由美に慰められていた…

今日のこの浮かれ具合では聞きだせないだろうと悟り、二人を放置したまま、受け取ったプレゼントのリボンを手当たり次第に解き始めた

ディーン君では無いとなると、一体誰だ…


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