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熊男とゴリキング
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本日の任務を終え、騎士隊の隊員達は上司をネタに酒を飲み交わしている。いつもの酒場だ。
「熊男、今日も容赦無かったなぁ~」
「斧なんか持たせたの誰だよ」
「目、イキイキとさせて振り回してよぉ。俺、訓練でグッバイこの世かと思ったぜ」
「いや、それを言うならゴリキングだろ」
「お前そういや二番隊に配属変わったんだったよな」
「熊男の方がまだうるさく言わない分マシだぜ」
「ゴリキング隊長なんか無駄に声でけぇし、顔も暑苦しいし」
「一応そこ隊長付けるんだ」
「まぁ、隊長としては認めてるからな」
「いや、お前どこ目線よ」
「まぁ、とりあえず乾杯としますか」
運ばれて来たビールのジョッキを掲げ、お疲れの合図で一気に空にする。
「ぷはぁ~!この一杯目が最高だよな!」
「生き返るぜぇ~」
「ところで例の噂聞いたかよ」
「どんな噂だよ」
「熊男、最近恋してるって噂だよ」
「熊男がぁ?無い無い」
「いや、それがさぁ、最近髭の剃り残しを鏡の前で、あのぶっとい指で必死こいて抜こうとしてたし、流行りの下着の店なんか聞いてきたんだぜ」
「下着の店?もうそんな仲ってことか?」
「いや違うだろ、これからって狙ってんじゃねぇの?」
「そ、それっていつの話だ…?」
「何、お前何か知ってんの?」
「……ゴリキング隊長も俺に聞いてきた」
「は?あの恋人出来ないランキング一位と二位が同時に誰かに恋してるってことか?」
「まさか同じ人を狙ってんじゃないよなぁ」
「辞めてくれよ、同時に失恋した隊長二人とか。どんな八つ当たり訓練させられることか。まして、合同訓練になってみろ、冗談じゃなくて確実に死人が出るぞ」
二杯目のビールとつまみが来たところで、新たにサラダが追加された。
「……気のせいかもしれないけどよぉ、熊男とゴリキング隊長、最近打ち合わせって言って、遅くまで二人で居るよな」
「確かに。よく言い争ってる声が聞こえるって部屋の前通った奴が言ってたの聞いたことあるわ」
「もしかして、同じ人を好きとか…?」
「うわぁ、合同訓練確定じゃん」
「あ、でも、俺…いや、無いわ。無い無い。てか無理だわ」
「何だよ、勿体ぶらずに言えよ」
「…先に食ってからの方が、いや食う前の方が良いか…」
「だから、何なんだよ」
追加で来たサラダを各々自分達で取り分ける。
「俺、見ちゃったんだよね」
「だから何を」
「打ち合わせ後の二人を」
「おう、それで?」
「暑い日でも無いのに汗だくでさぁ」
「いや、あの二人いつも汗だくじゃん」
「そうなんだけど、部屋から出て来た時、ゴリキングが熊男の口元から…。…やっぱ勘違いだわ」
「気になるから言えって。口元からなんだよ」
「俺のが付いてるって言って、縮れた毛を摘んで取ってたんだよ…。こう二本指で持ってたから、見えたんだけど、ゴリキングの明らかに髪の毛じゃない毛だっったんだよな」
「は?」
「え?」
「どうゆうこと?」
「いや、だから、髪の毛じゃない毛が口元に付くって…」
「……………、飯、俺いらねぇ」
「俺も、なんか、無理」
「変な想像させんなよ。俺、ビールおかわり!」
「でも二人がそういう関係だったら、合同訓練にならなさそうで良いじゃねぇか」
「いや、もう、ビール口から出そうになるから辞めてくれ」
「あっ!そういや俺も熊男が尻に効く軟骨、巡回の時買って来いって言われたの思い出したわ!」
「……熊男がそっちの役目か」
「うげぇ、マジ辞めて」
「まぁ打ち合わせで言い争って、熱い二人だから掴み合いにでもなって、腕の毛でも付いたんだろ」
「じゃぁ、尻の軟骨は?」
「痔なんじゃねぇの?」
「ま、まぁそうだよな」
「酔うの早すぎだわ、お前」
笑いながら三杯目に手を伸ばす。
「今日はヤリ過ぎてすまなかったな」
「いや、大丈夫だ。いつものことだ」
酒場に噂のカップル?が入ってきた。
「…俺、今日、もう飲めないわ」
「…俺も、もう帰る」
「…俺、ちょっと気持ち悪くなってきたからトイレ」
「なんだ、お前達もここで飲んでたのか」
「まだ良いだろ。一緒に飲むぞ」
隣同士で窮屈そうに腰掛けるガタイの良い隊長二人を前に挙動不審な隊員達。
そしてある訓練前。
「なんか俺達最近、股間ばかり見られてないか?」
「気のせいだろ。それより、今日もこの後体術の訓練だからな。今日こそはへばるなよ」
「お前、体力馬鹿過ぎ。お前とぶつかり合うのの結構痛いんだからな」
隊長二人の会話を聞こえないふりをして、青褪めながらぶんぶんと顔を横にふり、いつも以上に尻に力を込める隊員達だった。
おしまい
「熊男、今日も容赦無かったなぁ~」
「斧なんか持たせたの誰だよ」
「目、イキイキとさせて振り回してよぉ。俺、訓練でグッバイこの世かと思ったぜ」
「いや、それを言うならゴリキングだろ」
「お前そういや二番隊に配属変わったんだったよな」
「熊男の方がまだうるさく言わない分マシだぜ」
「ゴリキング隊長なんか無駄に声でけぇし、顔も暑苦しいし」
「一応そこ隊長付けるんだ」
「まぁ、隊長としては認めてるからな」
「いや、お前どこ目線よ」
「まぁ、とりあえず乾杯としますか」
運ばれて来たビールのジョッキを掲げ、お疲れの合図で一気に空にする。
「ぷはぁ~!この一杯目が最高だよな!」
「生き返るぜぇ~」
「ところで例の噂聞いたかよ」
「どんな噂だよ」
「熊男、最近恋してるって噂だよ」
「熊男がぁ?無い無い」
「いや、それがさぁ、最近髭の剃り残しを鏡の前で、あのぶっとい指で必死こいて抜こうとしてたし、流行りの下着の店なんか聞いてきたんだぜ」
「下着の店?もうそんな仲ってことか?」
「いや違うだろ、これからって狙ってんじゃねぇの?」
「そ、それっていつの話だ…?」
「何、お前何か知ってんの?」
「……ゴリキング隊長も俺に聞いてきた」
「は?あの恋人出来ないランキング一位と二位が同時に誰かに恋してるってことか?」
「まさか同じ人を狙ってんじゃないよなぁ」
「辞めてくれよ、同時に失恋した隊長二人とか。どんな八つ当たり訓練させられることか。まして、合同訓練になってみろ、冗談じゃなくて確実に死人が出るぞ」
二杯目のビールとつまみが来たところで、新たにサラダが追加された。
「……気のせいかもしれないけどよぉ、熊男とゴリキング隊長、最近打ち合わせって言って、遅くまで二人で居るよな」
「確かに。よく言い争ってる声が聞こえるって部屋の前通った奴が言ってたの聞いたことあるわ」
「もしかして、同じ人を好きとか…?」
「うわぁ、合同訓練確定じゃん」
「あ、でも、俺…いや、無いわ。無い無い。てか無理だわ」
「何だよ、勿体ぶらずに言えよ」
「…先に食ってからの方が、いや食う前の方が良いか…」
「だから、何なんだよ」
追加で来たサラダを各々自分達で取り分ける。
「俺、見ちゃったんだよね」
「だから何を」
「打ち合わせ後の二人を」
「おう、それで?」
「暑い日でも無いのに汗だくでさぁ」
「いや、あの二人いつも汗だくじゃん」
「そうなんだけど、部屋から出て来た時、ゴリキングが熊男の口元から…。…やっぱ勘違いだわ」
「気になるから言えって。口元からなんだよ」
「俺のが付いてるって言って、縮れた毛を摘んで取ってたんだよ…。こう二本指で持ってたから、見えたんだけど、ゴリキングの明らかに髪の毛じゃない毛だっったんだよな」
「は?」
「え?」
「どうゆうこと?」
「いや、だから、髪の毛じゃない毛が口元に付くって…」
「……………、飯、俺いらねぇ」
「俺も、なんか、無理」
「変な想像させんなよ。俺、ビールおかわり!」
「でも二人がそういう関係だったら、合同訓練にならなさそうで良いじゃねぇか」
「いや、もう、ビール口から出そうになるから辞めてくれ」
「あっ!そういや俺も熊男が尻に効く軟骨、巡回の時買って来いって言われたの思い出したわ!」
「……熊男がそっちの役目か」
「うげぇ、マジ辞めて」
「まぁ打ち合わせで言い争って、熱い二人だから掴み合いにでもなって、腕の毛でも付いたんだろ」
「じゃぁ、尻の軟骨は?」
「痔なんじゃねぇの?」
「ま、まぁそうだよな」
「酔うの早すぎだわ、お前」
笑いながら三杯目に手を伸ばす。
「今日はヤリ過ぎてすまなかったな」
「いや、大丈夫だ。いつものことだ」
酒場に噂のカップル?が入ってきた。
「…俺、今日、もう飲めないわ」
「…俺も、もう帰る」
「…俺、ちょっと気持ち悪くなってきたからトイレ」
「なんだ、お前達もここで飲んでたのか」
「まだ良いだろ。一緒に飲むぞ」
隣同士で窮屈そうに腰掛けるガタイの良い隊長二人を前に挙動不審な隊員達。
そしてある訓練前。
「なんか俺達最近、股間ばかり見られてないか?」
「気のせいだろ。それより、今日もこの後体術の訓練だからな。今日こそはへばるなよ」
「お前、体力馬鹿過ぎ。お前とぶつかり合うのの結構痛いんだからな」
隊長二人の会話を聞こえないふりをして、青褪めながらぶんぶんと顔を横にふり、いつも以上に尻に力を込める隊員達だった。
おしまい
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