7人と暮らす

しろくま

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第二章

認められたい気持ち

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スーパーで買い物をして家に戻ると、
まだ誰も帰って無かった。

時計の針は16時前を指していた。

ひとまず買い出ししたものを冷蔵庫にしまう。

今日は夜ご飯も作っておいたらみんな喜んでくれるかな。

いつもジンさん作るの大変だと思うし。

そう思って、自室に戻りバックを置いて今日買い物で買ったエプロンを取り出す。

よし!

今日は私の好物のオムライスを作ろう!

エプロンを着けて、キッチンへ行く。

ご飯はたくさん炊いておくことにした。

それから鶏肉を炒めながら、
玉ねぎにんじんを切って炒めていく。

ご飯が炊けるまでまだ少し時間がある。

明日の朝ごはんにもできるように、
多めのスープもつくることにした。

わかめスープに決めて、味を調える。

そうしているうちに、誰か帰ってきた。


ジン「ただいまー」


ヒョコっと顔を出すと玄関にジンさんがいた。

ひまり「ジンさんおかえりなさい!」

ジン「ヤーー!エプロンして!もしかして料理してるの?」

ひまり「はい!今日は時間があったし、ジンさんも毎日ご飯つくるの大変だと思って。」

ジン「そっか!ありがとう!僕も着替えて手伝うよ。」


ピーピーピーピー


ひまり「あっ!ご飯が炊けたみたい!」

ジン「ひまりちゃんありがとう」

頭をポンポンと撫でられる。

なんだか本当にお兄ちゃんができたみたいで、くすぐったい気持ちになった。

ひまり「えへへ」

ジン「すぐいくね」

ひまり「はーい!」

キッチンに戻って、炊けたご飯を炒めた具材と合わせていく。
トマトソースと鶏ガラだしで味付けをする。

ジン「お!チキンライス!おいしそう!」

ひまり「はい!オムライスにしようと思ってます!」

そう言って味付けしたチキンライスを味見しようとスプーンを取り出して一口分すくう。

ひまり「ふー。ふー。」

と冷ましたところで、ジンさんの手が伸びてきて

パクっ

ジン「…うん!おいしい!」

私のスプーンを持った手を握ってそのまま食べられた。

ひまり「//////」

一瞬でおきた出来事に恥ずかしくて
固まって見つめていると、

ジン「あ、ごめん!ひまりちゃんも食べたかったよね。」

そう言って、そのまままた一口分すくった。

ジン「ふー。ふー。はい。あーん!」


え、これは、あの、間接キスではないですか?

え。え。えーーー!!!

頭はパニックになりながら、

目の前に差し出された一口を流れにながされて

パクっ

ひまり「…///// おいしいです…。」

消え入りそうな声でジンさんに伝える。

ジン「うん!あとは卵だねー!僕も隣で一緒に用意するよ!どっちが上手にできるか勝負だね笑」

ジンさんは気にした様子もなく卵を取り出す。

ジン「あ!もしかして卵の期限が近いからオムライスにしてくれたの?」

ひまり「あ、まぁそれもありますけど、単純に私がオムライス好きなので笑」

ジン「そうなんだ!じゃあ僕もオムライス好きになっちゃうなー笑 なんてねwww」

ひまり「/////」

これ以上、ドキドキさせる言動はやめてよ~

そう心の中で叫びながら、

ジンさんの隣で卵を溶かして焼いていく。

8人分用意ができるころには、

みんなが帰ってきていた。

ジン「みんな、今日はひまりちゃんがオムライス作ってくれたよ~。」

テテ「やったー!オムライス久しぶりだ」

ジミン「確かに!一人一人作るの大変だからね。ひーちゃんありがとう!」

ナムさん「おおー。ふわとろオムライスいいね」

ユンギ「腹減った~。わかめスープもある。」

ホソク「ひまりちゃんの手料理うれしいなー♪♪」

ジョングク「…うまそう。」


みんな喜んでくれているようだ。

全員『いただきまーす』

みんなおいしいおいしいと食べてくれたので、

みんなに少し認めてもらえたように感じて、少しほっとした。




そんな温かい食卓の真ん中で、
ピンクのチューリップも
どこか誇らしげに咲いていた。


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