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カレの名はDr.おてがら。

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 私の名は尾帝殻出洲奈おてがらですな。「ドクター・オテガラ」と呼ばれている。

 今回の急患は蝶茶韻理早智ちょうさいんりさちさん。K県のいわゆるお嬢様学校に通っている高校生だ。話を聞いた限り、修学旅行中に城の窓から転落したらしい。

赤井あかい君。状態は?」
「発見時は既に意識が無かったそうです。現在は脈も弱く、非常に危険な状態です」
「むむっ」

 相当危ないな。

蝶茶韻理ちょうさいんりさん聞こえますかー?」

 担架で運びながら看護師の緑谷みどりや君が声をかける。だが返事は無い。

「止血はしましたが、もうかなり出血しています。このままでは……!」
「うむ。これが最後のアタックチャンスという訳か。白崎しろさき君。部屋は?」
「はい。第二手術室が空いています」
「よし。青山あおやま君、扉を」
「こちらへ!」


 ◇


「あの、蝶茶韻理ちょうさいんりさんは……」
「なんとか、間に合いました。……あなたは?」
蝶茶韻理ちょうさいんりさんの担任の横垣よこがきです……。うっ、うっ……」
「泣かないでください。もう大丈夫ですから。……これを」
「ありがとうございます」

 ハンカチを差し出したら、殴られた。

「ぐっ!」
「きゃーすみません!」
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