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第一章 エトワール学園へようこそ

聖女

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 朝、食堂へと向かう。いつも通り海部さまがと小泉さまに守られながら歩いていく。
 このときからすでに周囲の視線を感じていた。

 食堂につくとさらにそれは強くなった。あちこちから声が聞こえる。中には膝をおりわたしに向かって祈りを捧げる人まで出始めていた。なんか歩くのも緊張しちゃう。あれ?手と足が同時にうごいてるよ、わたし。

「大丈夫ですよ」
 小泉さまがやさしく背中を押してくれる。

「はいっ」
 そうだ、しっかりしなきゃ。ここは戦場。

 席につくやいなや、ある一団がやってくる。国境を越えたキリスト教系のグループであることはすぐにわかった。彼らはみな膝をおり、祈りのポーズをとりながら、次々に言葉を発し始めた。

「聖女様、お目にかかれて光栄です」
「聖女様、どうかわれらに祝辞を」
「聖女様、我らに導きの光を」

 それを見て海部さまが答える。

「聖女詩織様は昨日お力を解放され、まだお疲れの様子です。祝辞はまたの機会を設けさせていただきますので、本日はお引取り願います」

 海部さまはそう答えたが、まったく聞く耳をもたないといった感じで、それを見た小泉さまが「聖女様、よろしければかの者たちへ直言賜りとう存じ上げます」と耳打ちして来た。仕方ないのでとりあえず話かける。

「申し訳ありません。今から朝食を頂きますので、後の機会にして頂けますでしょうか?」
「おぉぉ~~われらが聖女様からのありがたきお言葉である。皆のもの得と心得よっ!!」

 一人がそう叫ぶとみな撤退していった。なにこのカリスマ力。

「海部さま、いいのですか?わたしなんか変な約束しちゃいましたけど?」
「かまわん、今はすこしでも味方をふやしたほうが良い。あれでも弾除けくらいにはなるだろう。今はどこに敵が潜んでいるかわからん状態だからな」
「あとわたしの聖女ポジションはもう確定なんですね?」
「そうだな。身内会話は日本語で、英語で話すとき、お前は聖女だ。わかったな」
「はい。。」

 全体授業のときも周りはざわついていた。一夜にして世界がかわったような、それくらいの熱狂っぷりだった。その中でも海部さまと小泉さまが目を光らせてくれているから安心できるけど、一人の授業とかどうしよっか?

「慎之介、そっちはどうだ?」
「日高さんを隠し撮りしてる国がありますね」
(ひぃ!)
「ど、どこですか、カメラ??」
「普通にしててください。逆に怪しまれます」
 小泉さまが苦笑いしながら、それでもやさしく語りかけてくれる。
「国判別できそうか?」
「はい、ロシアですね。かなりこちらの周囲をかぎまわっているみたいです。部屋は結界をはっているので留守中も入れないとはおもいますが、それ以外のところまでは手がまわっておりません。こちらの行動パターンを読ませないためにもいくつかのパターンをつくって行動するのが良いかと」
「アメリカ・中国の動きもかなり怪しい。大国は日高の力をご所望のようだ」
「EUはおそらくオスカル王子を輿いで丸ごと取り組む方向で平和的に話を進めてくるでしょうね?」
「盟主フランスがどうでるか、だな。あのアセリアとかいうのがオスカル王子と近いうちに婚約発表するという話をキャッチしたのだが、これは一旦白紙になりそうだな」
「え!?そんな話あったのですか?」
「お前がオスカルと仲良くするからアセリアが事を前倒ししようとしてたのだろう。セントヘレナの亡霊といわれようがナポレオンを英雄視する声は未だ根強い。それの数少ない血族の生き残りだ。昨今の政治不安を気に王政復古を狙う政党にとってはまたとないチャンスでもあったしな」

「イギリスは大丈夫なのでしょうか?EU離脱の旗印としては打って付けの素材ですよ」
 小泉さまはそれ以外の国の動きにも警戒されているみたいだ。
「それをいえばスペインも、だな。如何せん聖女というのは民心を捉えやすい。わかりやすいランドマークだ。日高はそのことをもっと理解したほうがいい」
 海部さまは念を押すようにわたしに諭してくる。
「はい、今朝の朝食で痛いほどわかりました…」

 海部さまはちらりと時計に目を向け、
「そろそろ授業がはじまるな。教師の動きに気をつけろ。ここで直接動いてくることはないにしろ、何か接点をもちかけてくるやつは要注意だ」
「聖女のお仕事って思ったより大変なんですね?」
「だから言っただろう。覚醒させるなと」
「はい。。」
 海部さまはすこしあきれ顔だった。
(なんか、大変なことになってきちゃったよっ!)


 授業は得に問題なくおわったけど、終わるや否や、ワトソン先生が教室にはいってきて、昼休みに学園長室に来なさいと早速の呼び出しを受けてしまった。でもここまでは想定内だ。こちらからも同行させてもらう同意を取り付けるとワトソン先生は足早に去っていった。
 次はオスカルだ。ワトソン先生と話しているときにはすでに近くに来ており、いつもの笑顔でこちらに手を振ってくれた。いつも通りのオスカルにちょっとほっとした。
 ここでは何なので中庭へと移動した。海部さまも小泉さまも席をはずしてくださった。二人っきりの時間になる。

「うう、何から話せばいいのかな?」
「それじゃ僕から話ていいかい?」
「いいよぉ?」
「僕はね、すっごく嬉しいんだ」
「どぅして?」
「僕の家はね、やっぱり直系だから魔力の無い子はダメだって父に反対されてたんだ。ここにいる間は自由にしていいけど、ここを卒業したら王族としての責務をはたしなさいってね。それでも僕は君をあきらめるつもりはなかったから、王位継承権も捨てるつもりだったんだ。でも詩織は僕の期待をいい意味で裏切ってくれた。しかも最高の形でねっ。まさか聖女になっちゃうなんて、やっぱり詩織はすごいよっ!」
「わたしもいきなり聖女になっちゃって、未だに自分でも信じられないよ」
「僕は詩織が普通じゃないこと、知ってたからねっ!でも勝負には負けたから、1から鍛え直さないといけなくなったから喜んでばかりもいられないよ」
「勝負はオスカルの勝ちだって海部さまはおっしゃってたよ?」
「ううん、僕の負けだよ」
 オスカルは青い瞳をこちらに向けて、少し辛そうに敗北を認めていた。

「… もし逆の立場でもきっと発動してたよ」
「それならわざと負ければよかったかな?」
「それだと発動しなかったとおもうよ?」
 くすくすと微笑みあう。

「詩織、もう1度言わせて?」
「何?」
「愛してる」
「あ、ありがとう。。」
「これから詩織を狙う悪いやるらがたくさん出てくると思う。だから僕にも君を守らせて欲しい」
「うんっ。オスカルがいれば100人力だねっ。期待してるよ?」
「まかせてっ!それじゃ、僕は次の授業あるからいくね。他のスウェーデンのメンバーにも暇があれば詩織の警護するように伝えてるから、なにか危険があったら彼らも頼りにするといいよっ!」
「何からなにまでありがと~!」
オスカルは大きく手を振って走り去って行った。

「話はおわったようだな」
 少し離れらところで見守ってくれていた海部さまが、オスカルが去ったのを確認して、こちらへと歩み寄ってきた。
「あ、海部さま。はい、オスカルは全面的に協力してくれるみたいです」
「王族の後ろ盾は正直ありがたい。日高は次の授業はなかったな?」
「はいっ」
「では一旦部屋にもどる。外は何かと危険だ」
「はいっ」

______________________________________


 部屋まで周囲を警戒しながら戻る。海部さまはしきりに後ろを警戒しおているようだった。

「お茶淹れますね」
「ああ、頼む」
「ずっと後ろを警戒されてましたけど、つけてくるような人いました?」
「いや、今のところはない。何か特殊魔法でも使ってない限りは、だが」
「うぅ、怖いこといわないでください…」
「それくらい警戒したほうがよいということだ」
「はい…」
 わたしは海部さまとお話しながらお茶の準備をテキパキとこなしていった。
(知らない間にお茶を淹れるのにも随分となれたきたなぁ、わたしも。)

「まぁあまり気落ちするな。お前は自然体で構わん。警戒は俺と慎之介で行う」
「お願いしますっ」
 わたしはそう言ってお茶も一緒に差し出す。
「随分うまくなったな」
「お茶ですか?ありがとうござます。もしかして最初のころはダメだったんですか?」
「いや、そういうわけでもないがな」 
「あの・・・、お茶じゃないですけど、、わたしはどぅでしたか?」
「何がだ」
「何ってその、、昨晩はわたしちゃんと出来てましたかぁ?」
「なんだ、そういう意味か。まずければ1夜で3度も食わん」
「本当ですか?海部さまのような大人の男性からすれば、わたしなんてまだまだ子供ですし・・・」
「その点については否定せんがな」
「うぅ、、やっぱりそうなんですね……」
不意に海部さまがわたしの腕を引いた。
「きゃぁ」
そしてそのままわたしをソファーに押し倒した。
「海部さま?」
「信じてないようなので信じさせてやる」
「か、海部さま?そんなところなめちゃダメですっ」
「嫌か?」
「嫌じゃないですけど、ダメですぅ それにリビングですよ?」
「お前もリビングでしてたではないか」
「あぅ、、やっぱりあの時、気づいてたのですね?」
「挿れるぞ」
「え、、はい……」
海部さまが挿ってくる。



*:.。..。.:+・゚ ゜゚・*:.。..。.:+・゚ ゜゚・*:.。..。.:+・゚ ゜゚・*:.。..。.:・*:.。..。.:+・゚



「すこしは信じる気になったか」
「はぃ。。海部さまは、詩織のこと大好きなんですね?」
「否定はせん」

「随分うれしそうだな」
「えへへ~♪」


*:.。..。.:+・゚ ゜゚・*:.。..。.:+・゚ ゜゚・*:.。..。.:+・゚ ゜゚・*:.。..。.:・*:.。..。.:+・゚



 お昼休み、ワトソン先生の呼び出しがあったので学院長室へと向かう。
 同伴者は海部さまだ。

「失礼します」
「入りなさい」

 中にはスコット先生しかいなかった。学院長も呼び出しに来たワトソン先生もいない。想定外の事態に海部さまは緊張を走らせる。

「あの、、学院長は?」
「第八位階魔法を見た興奮で失神されてまだ起きてこないのですよ」
「それって大丈夫なんですか?スコットせんせい?」
「長生きだけが取り柄ですから、きっと大丈夫でしょう?」
 スコットせんせいは笑顔で答える。長生きが取り柄って亀かなにかなのかな?

「ワトソン先生もいらっしゃらないんですか?」
「ワトソン先生には伝言を事伝えただけですよ」
「そうだったんですね」
「それより、あなたのお体は大丈夫なんですか?」
「はいっ!見ての通り、わたしは元気ですっ」
「ならよかったわ」
 わたしは笑顔でスコットせんせいの質問にこたえる。
 それを見てスコットせんせいも笑顔になる。

「スコット先生、1つ質問よろしいでしょうか?」
「あら、何かしら?ミスター海部」
「では率直にお伺いします。学院としては日高を、聖女をどう扱う御つもりですか?」

 海部さまは率直に学院の立場をスコット先生に問い質した。手には刀が握り締められており、答えの内容によってはこの場で切り伏せる、まるでそんな雰囲気すら感じさせる。

「本人が望むなら3年間、ここで自由に学んでもらうつもりですよ。ただこれはイギリス魔法省の総意というわけではありません。エリザベス女王の命が下れば我々は従う義務がございます。英国民として。詩織は近く女王陛下と謁見する機会が訪れるでしょう。英国としては詩織に3年間学びながら滞在してもらい、日英同盟の復活、EU離脱に向けた単独外交を執り行いEU離脱の足がかりとするのが今後の政治的な動きになると私は思いますよ?」
「それはスコットせんせいの未来予測ですか?」
「いいえ、私は政治には無関心なので未来予測はしませんよ」
「そうなんですかぁ」
(うん、わたしもさっぱりわからないよっ!今後のことなんてっ)

 わたしはちらりと海部さまに目をむける。
「海部さま、スコットせんせいとすこし二人で話したいのですがよろしいですか?」
「わかった、だが部屋に二人きりにはできない。ドアの前で待たせてもらう」
 そういって海部さまはドアのほうまで離れて行った。

「安心なさい。ミスター海部。女王の庭ともいえるこのエトワールで不逞を働く輩などいないわ」
 それでも海部さまは警戒を怠る気はなさそうだ。
 それを見てほほえましく笑うとスコット先生はすこし小声で言葉を続けた。

「どうしたのかしら?ミスター海部には聞かれたくない内容なのかしら?」
「はい。あの、その、魔力と男女関係の関係なんですけど……」
「まぁまぁ、そういうことでしたか」
 スコット先生はなにやら楽しそうに会話をはずませる。

「わたしはその今まで普通の学校にかよっていたから、あまり詳しくしらなくって、、その、、時折すっごく、、その、、えっちな気分になるときが、、あるんです、、。これってやっぱり魔力と関係してるんですか?」
「あらあら、それは魔力の枯渇状態ですよ。詩織。女の子は成長にともない体内に宿す魔力の器が大きくなるの。それを満たす魔力がすくなくなってくると体は自然と魔力を求めるわ。それがその詩織の感じているエッチな気分になる、ということなのよ」
「やっぱり、そうだったんですか」
「今は大丈夫なの?」
「えっと、その、、、」
 スコット先生はくすくす笑いながら
「これは確かにミスター海部の前では話せない内容ね」
 と、うれしそうに答える。
「でも先生には全部はなしてくれないと、ちゃんとした答えはできませんよ?」
「あぅ、、。その、、先日、海部さまと、、その、、」
 ここまで答えて言葉がつまる。せんせい、察してくださいっ!
「まぁまぁ、なにも恥ずかしがることはないのよ?詩織。それはごく自然で当たり前なことなんですから、特に魔力を宿す女子にとって。年齢に早い遅いはあれど、特にあなたの場合は、器が特殊ですからね。早熟なのは仕方ありません。本来なら聖剣がお相手するべきなのでしょうけど、放置すれば死に至ることもあります。男性をもとめるのは自然な行為ですよ?」
「はい…」
「ミスター海部のこと、好きではなかったの?」
「いえ、そんなことはないです。命がけで戦ってくれたし、いつも守ってくれていますし、今もこうして…」
 ちらりと海部さまに目を向ける。
「ただ属性の問題はでてくるかもしれませんわね」
「属性ですか?」
「ええ、魔力にはそれぞれ属性があるのはご存知ですよね?無論これは魔力を宿す人にも言えることです。いくつか複数の属性を所持している男性も居ますが、すべての属性を兼ね備えた属性はほぼ居ないと言えるでしょう。ですのであなたの適正属性と相手の属性が不一致な場合は、魔力枯渇は収まりますけど、最初にうちは魔力行使には問題がでる可能性はありますね」
「どういうことですか?」
「例えば、火属性魔法に長けた女性が水属性の男性と関係をもつと、体内に火属性と水属性、2つの属性を宿すこととなります。元からある火の魔力量と、その男性から授かった魔力の量に関係してきますが、今は同じ量とおもってください。体内で2属性の魔力がいりまじるので体がその状態に慣れるまでは魔法が使いづらくなるというのはなんとなく理解できますよね?」
「はい」
「うまくコントロールできれば火属性だけえではなく水属性の魔法も使えるようになるのもわかりますよね?」
「はい」
「ただ火属性男性と関係をもてば、より一層強力な火属性魔法が使えるようになるのも、理解できますよね?」
「はい」
「これはもちろん子供を宿す際にも影響します」
「なるほど~」
「ただ魔力量の差が大きい場合は子供を授かることができません。それだけでなく、女性側の魔力量が大きく、男性側が著しく低い場合は男性側の魔力をすべて吸い上げてしまい、息絶えることすらあります」
「そうなんですかっ!?」
「魔力がない男性が強い魔力の女性と関係を持つと、7属性の1つである霊魂の魔力をすべてもっていくので、ころっと逝ってしまいますよ?サキュバスの逸話などはここから派生してるんです」
「な、なるほど(ゴクリ」
「では、わたしの場合はどうすればいいんですか?」
「それはもちろん愛してる男性と結ばれるのが1番ですよ」
 くすくす笑いながら先生が答えてくれる。
「それが女の幸せというモノです」
 やさしい瞳で付け加えてくれた。

「詩織は魔力回復のお菓子の作り方も知らないのですね?」
「そんなのつくれるんですか?」
「ええ、作れますよ」
「しりませんでしたっ」
「では早速レシピを教えてあげますね?」
「はいっ!」
 わたしは先生に魔力が回復するお菓子のレシピを教わる。

「他にもあるんですか?」
「いまのは女の子用、他にも男の子用であったり、いろいろありますよ?」
「全部おしえてくださいっ!」
「うふふ、構いませんわよ?でも今日のところはそれだけ覚えてください。次、わたしの部屋に来たとき、一緒にいろいろつくりましょう」
「はいっ、ぜひ!」
「いいお返事だこと。では本題にはいりますね。今日ここへ来てもらったのは言うまでもなくあなたの魔法についててです。詩織、あなたは昨日の模擬戦で聖女として目覚めてしまいました。封印されていた聖印が覚醒したのです。そしてそれはもうすべての生徒が知っているといっても過言ではありません。その様子はネットを通じて世界にも発信されています。世界があなたを注目しはじめるのです。これからのあたの人生は大きくかわるでしょう。でもあなたはその運命を受け入れるしかありません。時には辛いことも起きるでしょう。いいことばかりではありません。覚悟はできていますか?」
「はいっ!」
 わたしはもう決心していた。何が起きても迷わない。大切な人を守るため、わたしは生きていく。そのための力なんだと。
「もう覚悟はきめているみたいですね。先生も安心です。ではこれを」
 そういって先生は杖をわたしに手渡してくれた。
「これは?」
「魔法の杖ですよ。本来なら卒業のときに渡すものなのですが、あなたの場合は特別です。すでにこれが必要になるレベル以上の魔法を行使しています。あなたにはこれを所持する域には達しているということです。普段はこのように小さな魔術具として携帯できますので、肌身離さずもっておきなさい?」
 先生はそういって杖をちいさなアクセサリーへと変形させた。
「ありがとうございますっ」
「これは学院長から手渡すのが通例なんですけどね。まだ起きてこないので仕方ありませんね。あと最後に、いつも男性に頼りっぱなしではダメなんですよ?たまには女性から男性に奉仕することも大事な勤めです」
「えっと、それは、、具体的にどういったことなんですか?」
 先生はフフッっと笑みをこぼすと、耳をかしなさいといって小声で話しかけてきた。
「・・・ッ」「・・・そ、それは・・」「が、がんばってみますっ・・・!」
「先生からは以上です。さぁ、お行きなさい」
 先生がぽんっと背中を叩いてくれる。
「ありがとうございました。。」


「話はおわったか」
「・・・はい」
「何を吹き込まれた?真っ赤だぞ?」
「いえ、何もないです。。」
「その反応だと、大体の察しはつくがな」
「察しないでください…」
「期待している」
「期待もしないでくださいっ…!」




*:.。..。.:+・゚ ゜゚・*:.。..。.:+・゚ ゜゚・*:.。..。.:+・゚ ゜゚・*:.。..。.:・*:.。..。.:+・゚
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