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7番目の婚約者の元婚約者
第68話
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「助けた? ティナ、怪我をしているじゃないですか!」
目ざとく見つけたシキに内心で溜息を吐く。
怪我ぐらい軍人であれば日常茶飯事だ。
「少しだけよ。魔法での攻撃だったから、民を守るには避けられないでしょう?」
「それはわかりますが少しでも怪我は怪我です。すぐに手当をしないと」
「もしよろしければ、私どもの城へいらっしゃいませんか? 武官の一族ゆえ、外傷の手当は街医者より腕の良い医師がおります。それに訳ありのご様子ですし……」
先ほどの戦闘を見れば、何かを察してしまうのだろう。
それにクリスティーナたちの中位クラスの貴族の子女の衣装に、彼女は戸惑っている。
「でも、あなたは街に用事があるんじゃ……」
「いえ。薬局に行って、もう終わったところなんです。これから城へ戻ろうとしていたので、何も心配はございません」
サラがこちらを気遣いながら提案をしてくれるが、この状況下で他人を巻き込んでしまうことにクリスティーナはためらってしまう。
それにここで本国の貴族に頼っていいのか、皇女としてその判断が難しい。
ブランデンブルク一族は、皇太子派でもなく第二皇子派でもなく中立派だったはず。中立派は穏健な貴族も多いが、裏を返せば日和見でもあるのだ。
皇太子派と見られているクリスティーナが判断を間違えれば、レオンハルトに失点を与えてしまうことになる。
「ティナ、ここはサラの提案に甘えましょう」
「でも」
「また襲撃があるかもしれませんし、ここに留まれば街に被害が出るかもしれない。それにブランデンブルク家に行けば戦力もあります。中立派の辺境伯は話がわかる方です。サラ、頼めますか?」
「もちろんです、シキさま。皇女殿下、ぜひ」
おそらくクリスティーナが考える懸念点も考慮した上で、シキは発言しているはずだ。
サラとどの程度の関係性なのかはわからないが、辺境伯ともどうやら顔見知りらしい。
辺境伯マックス・ブランデンブルクとは、クリスティーナも何度か顔を合わせている。帝国に忠誠を誓い、国境を守り続ける彼自身は、確かに軍人として信頼に値する。
ここはシキが言うように、サラの提案に乗っておく方がいいのだろう。
「……わかったわ。迷惑をかけてしまうかもしれないけれど」
「いいえ、いいえ! お礼もさせていただきたいですし、父も喜びます」
シキが頷き、サラがぱあっと明るい笑顔を浮かべた。
そこからは早かった。
待たせていた馬車をあえてリヒトホーフェン家へ帰し、クリスティーナとシキはサラが乗ってきた馬車で、一路ブランデンブルク家の城へと向かった。
目ざとく見つけたシキに内心で溜息を吐く。
怪我ぐらい軍人であれば日常茶飯事だ。
「少しだけよ。魔法での攻撃だったから、民を守るには避けられないでしょう?」
「それはわかりますが少しでも怪我は怪我です。すぐに手当をしないと」
「もしよろしければ、私どもの城へいらっしゃいませんか? 武官の一族ゆえ、外傷の手当は街医者より腕の良い医師がおります。それに訳ありのご様子ですし……」
先ほどの戦闘を見れば、何かを察してしまうのだろう。
それにクリスティーナたちの中位クラスの貴族の子女の衣装に、彼女は戸惑っている。
「でも、あなたは街に用事があるんじゃ……」
「いえ。薬局に行って、もう終わったところなんです。これから城へ戻ろうとしていたので、何も心配はございません」
サラがこちらを気遣いながら提案をしてくれるが、この状況下で他人を巻き込んでしまうことにクリスティーナはためらってしまう。
それにここで本国の貴族に頼っていいのか、皇女としてその判断が難しい。
ブランデンブルク一族は、皇太子派でもなく第二皇子派でもなく中立派だったはず。中立派は穏健な貴族も多いが、裏を返せば日和見でもあるのだ。
皇太子派と見られているクリスティーナが判断を間違えれば、レオンハルトに失点を与えてしまうことになる。
「ティナ、ここはサラの提案に甘えましょう」
「でも」
「また襲撃があるかもしれませんし、ここに留まれば街に被害が出るかもしれない。それにブランデンブルク家に行けば戦力もあります。中立派の辺境伯は話がわかる方です。サラ、頼めますか?」
「もちろんです、シキさま。皇女殿下、ぜひ」
おそらくクリスティーナが考える懸念点も考慮した上で、シキは発言しているはずだ。
サラとどの程度の関係性なのかはわからないが、辺境伯ともどうやら顔見知りらしい。
辺境伯マックス・ブランデンブルクとは、クリスティーナも何度か顔を合わせている。帝国に忠誠を誓い、国境を守り続ける彼自身は、確かに軍人として信頼に値する。
ここはシキが言うように、サラの提案に乗っておく方がいいのだろう。
「……わかったわ。迷惑をかけてしまうかもしれないけれど」
「いいえ、いいえ! お礼もさせていただきたいですし、父も喜びます」
シキが頷き、サラがぱあっと明るい笑顔を浮かべた。
そこからは早かった。
待たせていた馬車をあえてリヒトホーフェン家へ帰し、クリスティーナとシキはサラが乗ってきた馬車で、一路ブランデンブルク家の城へと向かった。
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