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三人目の元婚約者は、隣国の王弟殿下
第56話
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「ハルバード」
ぎょっとする令嬢たちをよそに、太ももに装備していたロッドを手にし、なけなしの魔力を込める。
ロッドがブンッと短い音を発し、長い柄に変化する。
先端には魔力が放出され、魔力で作られた鋭い斧が生成された。
クリスティーナは軽く構えると、令嬢たちに向かって飛んだ。
「きゃああああああ!」
令嬢たちの甲高い声が王宮に響き渡る。
クリスティーナは腰が抜けた令嬢たちを飛び越えると、テラスの死角から現れた人影に向ってハルバードを振り下ろした。
ガキンッ
テラスの床に亀裂が走った。
チッと舌打ちをしたのは、クリスティーナの攻撃をギリギリで躱した黒づくめの男。
得物は剣。テラスに漏れ出る明かりを反射させていた。
刺客か。
刺客の男は令嬢たちに向って走った。
しかし、長い柄を持つハルバードを一振りすれば、あっさりと足止めされた。
「人質に取ろうと思っても無駄よ。あなた、何者かしら」
クリスティーナは令嬢たちを背にかばい、余裕たっぷりに言い放った。
「こ、皇女殿下……」
「野蛮な軍人皇女に守られる気持ちはいかがかしら?」
ガタガタと震えて怯えている令嬢たちをちらりと見やれば、縋るようにクリスティーナを見た。
「これはあなた方の手の者ではないの?」
「ち、違います!」
「ここは王宮ですから、そんな大胆なことなんて……」
「ちょっと待て、お前たち。何をしているんだ!」
突然、大声が聞こえたかと思うと、こちらに猪突猛進してくる男が現れた。
「え、ナガト!?」
なぜかクリスティーナたちを背にかばうと、不敵な笑みを浮かべて左右に腕を広げた。
「皆、無事か!? 女性を狙う不届き者が王宮にいるなんて。この僕が来たからにはもう大丈夫だ!」
「で、殿下!」
(なんでこんなタイミングで現れるのよ!)
ナガトは典型的な文官王族だ。武芸は苦手としていたので、戦闘能力は皆無に等しい。
それを知らない令嬢たちは、目を潤ませて感動していた。
「クリスティーナ、こんなところにいるなんて。もしや僕に会いたくて、テラスまで探していたのかい?」
「は?」
「それなのに大変なことに巻き込まれたね。かわいそうに。この僕が守ってあげよう」
「ええっと、いらないわよ?」
「はは、面白い冗談だね。君は僕の力が必要だろう?」
ふふん、と上から目線で言われてげんなりするが、使えるものは使っておこうとクリスティーナは判断する。
「ええ、必要だわ。令嬢たちを命をかけて守って。そこから動かないで」
「へ? い、いや、僕は戦おうと……」
「わたくしの邪魔をしないでね」
再びハルバードを構えると、先制攻撃とばかりにクリスティーナが動いた。
ギンッギンッギンッ、と武器の打ち合う音が響き渡る。
ちらりとナガトを見れば、ちゃんと令嬢を守りつつもぽかんとしてクリスティーナを見ていた。
ぎょっとする令嬢たちをよそに、太ももに装備していたロッドを手にし、なけなしの魔力を込める。
ロッドがブンッと短い音を発し、長い柄に変化する。
先端には魔力が放出され、魔力で作られた鋭い斧が生成された。
クリスティーナは軽く構えると、令嬢たちに向かって飛んだ。
「きゃああああああ!」
令嬢たちの甲高い声が王宮に響き渡る。
クリスティーナは腰が抜けた令嬢たちを飛び越えると、テラスの死角から現れた人影に向ってハルバードを振り下ろした。
ガキンッ
テラスの床に亀裂が走った。
チッと舌打ちをしたのは、クリスティーナの攻撃をギリギリで躱した黒づくめの男。
得物は剣。テラスに漏れ出る明かりを反射させていた。
刺客か。
刺客の男は令嬢たちに向って走った。
しかし、長い柄を持つハルバードを一振りすれば、あっさりと足止めされた。
「人質に取ろうと思っても無駄よ。あなた、何者かしら」
クリスティーナは令嬢たちを背にかばい、余裕たっぷりに言い放った。
「こ、皇女殿下……」
「野蛮な軍人皇女に守られる気持ちはいかがかしら?」
ガタガタと震えて怯えている令嬢たちをちらりと見やれば、縋るようにクリスティーナを見た。
「これはあなた方の手の者ではないの?」
「ち、違います!」
「ここは王宮ですから、そんな大胆なことなんて……」
「ちょっと待て、お前たち。何をしているんだ!」
突然、大声が聞こえたかと思うと、こちらに猪突猛進してくる男が現れた。
「え、ナガト!?」
なぜかクリスティーナたちを背にかばうと、不敵な笑みを浮かべて左右に腕を広げた。
「皆、無事か!? 女性を狙う不届き者が王宮にいるなんて。この僕が来たからにはもう大丈夫だ!」
「で、殿下!」
(なんでこんなタイミングで現れるのよ!)
ナガトは典型的な文官王族だ。武芸は苦手としていたので、戦闘能力は皆無に等しい。
それを知らない令嬢たちは、目を潤ませて感動していた。
「クリスティーナ、こんなところにいるなんて。もしや僕に会いたくて、テラスまで探していたのかい?」
「は?」
「それなのに大変なことに巻き込まれたね。かわいそうに。この僕が守ってあげよう」
「ええっと、いらないわよ?」
「はは、面白い冗談だね。君は僕の力が必要だろう?」
ふふん、と上から目線で言われてげんなりするが、使えるものは使っておこうとクリスティーナは判断する。
「ええ、必要だわ。令嬢たちを命をかけて守って。そこから動かないで」
「へ? い、いや、僕は戦おうと……」
「わたくしの邪魔をしないでね」
再びハルバードを構えると、先制攻撃とばかりにクリスティーナが動いた。
ギンッギンッギンッ、と武器の打ち合う音が響き渡る。
ちらりとナガトを見れば、ちゃんと令嬢を守りつつもぽかんとしてクリスティーナを見ていた。
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